世にも怪奇な物語

よにもかいきなものがたり|Histoires Extraordinaires|----

世にも怪奇な物語

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レビューの数

38

平均評点

68.4(200人)

観たひと

324

観たいひと

32

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 文芸 / サスペンス・ミステリー / ファンタジー / スリラー / ドラマ
製作国 フランス
製作年 1967
公開年月日 1969/7/12
上映時間 121分
製作会社 レ・フィルム・マルソー・コシノール
配給 ヘラルド
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

エドガー・アラン・ポーの原作を三部作として、仏伊三人の監督がそれぞれの個性とスタイル生かして作ったオムニバス。第一部「黒馬の哭く館」は、ロジェ・ヴァディム、パスカル・カズン、ダニエル・ブーランジェの三人が脚色、「バーバレラ」のロジェ・ヴァディムが監督。撮影はコンビのクロード・ルノワール、音楽はジャン・プロドロミデスが担当。出演は「バーバレラ」のジェーン・フォンダと彼女の弟のピーター・フォンダ。第二部「影を殺した男」はルイ・マル、クレマン・ビドル・ウッド、ダニエル・ブーランジェが脚色、「パリの大泥棒」のルイ・マルが監督。撮影はトニーノ・デリ・コリ、音楽はディエゴ・マッソン。出演は「太陽が知っている」のアラン・ドロン、「今宵バルドーとともに」のブリジット・バルドー。第三部「悪魔の首飾り」はフェデリコ・フェリーニ、ベルナルディーノ・ザッポーニが脚色、「81/2」のフェデリコ・フェリーニが監督。撮影は「異邦人」のジュゼッペ・ロトゥンノ、音楽は、「ロミオとジュリエット(1968)」のニーノ・ロータ。出演は「血と怒りの河」のテレンス・スタンプ、サルヴォ・ランドーネ。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

〔黒馬の哭く館〕--メッチェンゲルシュタイン伯爵家の令嬢フレデリック(J・フォンダ)は二十二歳の若さで、莫大な財産を相続した。気まぐれでわがままな彼女は、ある日、夜明けに見た悪夢を忘れるため、多勢の招待客と召使いを連れて、幼年時代を過した城に出かけた。城で彼女は思うままにふるまった。人々は彼女の憎しみを買うのをおそれ、誰もいいなりになっていたが、近くに住むベルリフォジング男爵家のウィルヘルム(P・フォンダ)一人は軽蔑のまなざしだった。ある日森の中でウィルヘルムが仕掛けた罠に馬を下りたフレデリックが足首をはさまれのがきっかけで二人は知り合った。フレデリックは一目で彼にひかれ、誘惑しようとした。が彼は拒絶した。誇りを傷つけられたフレデリックはウィルヘルムの馬小屋に放火、愛馬を救出しようとしてウィルヘルムも焼死した。それ以後、黒馬が城に駈け込み狂ったように暴れたり、壁かけの馬の部分だけが焼けたりということが起きた。彼女は織物師を呼び、壁かけの馬を修理させたが、彼女には、その糸が自分の運命を織っているように感じた。そしてある夜、不意の落雷によってあたりの草原一面、火の海になった。彼女の愛する黒い馬は狂ったように興奮した。その馬の背にまたがるとフレデリックは、火の海の中に飛び込んでいった。 〔影を殺した男〕--ウィリアム・ウィルソン(A・ドロン)はサディスティックで冷酷で狡猾だった。が、彼と同姓同名うりふたつの男があらわれいちいち彼の悪事の邪魔をした。数年後、軍隊の士官となったウィルソンは賭博場であった美しい女(B・バルドー)とカードの勝負をした。ウィルソンはイカサマの手で女の肉体を勝ちとり、多勢の目の前で女の上半身を裸にし、激しく笞打った。だが、そこに例のウィルソンがまたあらわれた。そしてウィルソンはインチキをあばいた。ウィルソンは、正義のウィルソンを短剣で殺した。その後、ウィルソンは教会の塔から墜落して死んだ。彼の死体のわき腹には深々と短剣が突きささっていた。 〔悪魔の首飾り〕--トビー・ダミット(T・スタンプ)はイギリスの俳優である。かつては、華々しい、名声と賞讃につつまれていたが、アルコール中毒がたたり、二年ばかりは仕事もなく、落ち目だった。そんな彼にイタリアから新車のフェラーリを報酬に映画出演の話が来た。彼はイタリアにとんだ。テレビのインタビューがありそしてイタリアのある賞の受賞式にゲストとして出席した。トビーは疲れ、えたいの知れない不安から、酒をのみつづけた。彼は、逃げるように会場を出ると、フェラーリにとびのり、ただひたすら、車を走らせた。そしていつの間にか道に迷った。ある橋の工事中の標識の所で急ブレーキをかけたトビーは、そこに、夜霧のたち込めるむこうに白いボールを持ち、少女の姿をしながら、顔は老婆という幻覚をみた。それはトビーを、甘美な死の世界に招いているようだった。彼は猛烈なスピードで、その幻覚の方へ前進した。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1969年7月下旬号

外国映画批評:世にも怪奇な物語

1969年7月上旬夏の特別号

旬報試写室:世にも怪奇な物語

1969年6月下旬号

新作グラビア:世にも怪奇な物語

外国映画紹介:世にも怪奇な物語

2024/06/21

60点

選択しない 


「ポー オムニバス」

ネタバレ

「黒馬の哭く館」
「ユーグ! ユーグ!」

「影を殺した男」
「ウィルソン! ウィルソン!」

「悪魔の首飾り」
「ブラボー! ブラボー!」

2023/09/28

2023/10/01

70点

映画館/千葉県/キネマ旬報シアター(旧TKPシアター柏) 
字幕


誰にも真似出来ない

近親相姦的なキャスティング、とんでもないA・ドロン、そしてF・フェリーニとN・ロータによる祝祭的演出。どれも面白いがフェリーニ&ロータコンビが圧巻。やりたい放題にとっ散らかしといて、最後はガツンと締める。誰にも真似出来ない芸当だ。

2023/01/07

70点

テレビ 
吹替


歪んだ記憶

ネタバレ

かなり昔にテレビ放送で見た。
フェリーニの部分の毬が転がるシーンがなぜか頭部とおぼえていて
ものすごく怖かった。
のちにそういうところはないと知ったが同じ記憶を持っている人がいるという不思議…。これこそ怪奇な物語。

2021/10/25

2021/11/02

60点

レンタル 
字幕


三者三様

ネタバレ

個性が際立つR・ヴァディム、L・マル、F・フェリーニの三者三様の語り口が光るオムニバス。一本の映画としての評点は三作品を平均しての60点。

「黒馬の哭く館」 45点 豪華姉弟共演
えっ、これでホントに終わり、と思ってしまうあっけない幕切れにビックリ。現代的でセクシーな衣装を身にまとい、画面に濃密な色気を振りまくJ・フォンダと、その弟P・フォンダの豪華姉弟共演以外にはあまり見どころのない出来栄えにガッカリ。

「影を殺した男」 65点 因果応報的な物語
ドッペルゲンガーに翻弄された挙句に自死へと至る猟奇的で冷酷な主人公の因果応報的な物語を、様々なテクニックを駆使して禍々しく紡ぎ出すL・マルのこなれた語り口に惹かれる。A・ドロンの端正な美貌とB・バルドーのコケティッシュな魅力が光る。

「悪魔の首飾り」 70点 F・フェリーニワールド
場面を余情豊かに彩るN・ロータの音楽を背景に、のっけからF・フェリーニワールド全開で、撮影や照明、映画美術、カリカチュアされた人物造形など、趣向を凝らしたキッチュでクリエイティブな映像世界が楽しめる。それにしてもさすがは怪優T・スタンプ。こういうエキセントリックな役柄がよく似合う。

2021/01/13

2021/01/14

70点

テレビ/有料放送/シネフィルWOWOW 
字幕


フェリーニ篇のみ

高画質で録画しフェリーニだけブルーレイに焼こうとしたが、切れ目無しに繋がっている(雲の映像で)ので、とりあえずフェリーニだけ見てしまった。

ニーノ・ロータの音楽がすごくいい。
テレンス・スタンプの演技がぶっ飛んでる。舌が長いね。
冒頭の空港の描写からして《サテリコン》を思わせる狂気がある。
ボールを持った少女のショットが数回挿入されるが不気味。
キリストが西部劇に出てくる映画見てみたい。

2020/05/08

2020/05/08

-点

VOD/GyaO! 
字幕


黒い馬(バディム)より落下する男(ルイ・マル)より、大きなボールを持った少女の表情(フェリーニ)が一番印象に残る。