宵待草

よいまちぐさ|----|----

宵待草

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レビューの数

18

平均評点

67.2(68人)

観たひと

105

観たいひと

12

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1974
公開年月日 1974/12/28
上映時間 96分
製作会社 日活
配給 日活
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督神代辰巳 
脚本長谷川和彦 
企画奥村幸士 
製作岡田裕 
撮影姫田真佐久 
美術横尾嘉良 
音楽細野晴臣 
録音古山恒夫 
照明直井勝正 
編集鈴木晄 
助監督鴨田好史 
スチール目黒祐司 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演高橋洋子 北条寺しの
高岡健二 谷川国彦
夏八木勲 平田玄二
青木義朗 黒木大次郎
吉田次昭 山口
芹明香 お新
仲谷昇 谷川武彦
司美智子 谷川美代子
浜村純 北条寺
粟津號 太吉
丘奈保美 サヨ
荻島真一 北天才
原田千枝子 北天才の妻
長弘 船長
江角英明 映画監督
殿山泰司 玄二の父

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

“無政府主義者”が暗躍した大正時代を背景に、若者と政治家令嬢との逃避行を描く。脚本は「青春の蹉跌」の長谷川和彦、監督は「赤線玉の井 ぬけられます」の神代辰巳、撮影も同作の姫田真佐久がそれぞれ担当。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

頃は大正、浅草六区の活動写真館の弁士、黒木大次郎を首領株に「ダムダム団」というアナーキストの集団があった。弁士見習いの平田玄二が副団長格で、井上他十数名の団員がいた。成金代議士・谷川武彦の息子で大学生の国彦もいつしか彼らの仲間になっていた。ある日、温泉場行の乗合馬車で国彦は令嬢風の娘しのに会い、撞球場で虚無的な男、北天才と知り合った。北は国彦を料理屋に誘い痛飲した挙句、翌朝姿を消した。のんびり床を起き出して散歩していた国彦は、しのと会った。二人は散歩の道すがら大木で首を吊っている北を発見した。その夜、北の通夜に参列した国彦はしのと顔を合わせた。彼女には昼間同様、影の如く山口という男がついていた。翌日、しのが東京へ帰ったのを知った国彦は、後を追うように東京へ帰り、玄二を訪ねた。国彦は浅草六区を縄張りにしている女スリのお新に紹介された。その夜三人は夜遅くまで痛飲した。交番襲撃に失敗したダムダム団は、今度は政界の黒幕北条寺の孫娘を誘拐した。その娘を見た国彦は驚いた。しのだったのだ。ところが彼女は誘拐とはつゆ知らず、国彦が自分を口説くために友人を使ったと思っていた。その夜、ようやく二人は愛を確めあうのだった。それを知った仲間は驚いたが、それでも身代金奪取の計画はやめなかった。数日後、山口ら屈強の男たちを護衛にして身代金を持った北条寺がしのを引き取りに来た。乱闘となり、そのどさくさにまぎれて玄二と国彦は身代金を奪い、しのを連れて脱出した。しかしトランクの中は少々の札と新聞紙の束。右翼と左翼の両方から追われる立場になった玄二と国彦、祖父をふりきって来たしの。追われる三人は、丁度、玄二の友人が監督する活動写真のロケ隊に会った。そこで三人は撮影に使っていた気球に便乗した。しかし林の中へ着陸した三人に、黒木たちが追いついた。凄惨な内ゲバが始った。玄二の剣は冴えた。国彦の腕の中でしのは腰を抜かした。東北の貧村の玄二の故郷をめざして三人の旅は続いた。宮様が来るという城下町で、三人は銀行を襲い現金を強奪して、玄二の実家へ辿り着いたものの弟の嫁に銀行強盗を見破られ、飛び出した。日本がダメなら満州があるさ。三人は港町へ行った。そのころ東京で黒木が政府の要人を襲い殺された。玄二は泣いた。そんな玄二が哀れで、しのは玄二に身をあずけた。翌朝、玄二は黒木の意志を継ぐべく、東京へ戻りテロを敢行、射殺された。国彦は一人で満州行きの船に乗りこんだ。だがその船にいたのは山口だった。山口の拳銃がうなり、国彦は死んだ。無人の浜に一人でたわむれるしの。真赤な太陽が沈み、浜は一面に月見草が……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1975年3月上旬号

今号の問題作:宵待草

1975年2月上旬号

日本映画紹介:宵待草

1975年1月上旬新年特別号

グラビア:「宵待草」

2023/12/24

2023/12/25

65点

選択しない 


これはある意味大変な映画だったんだね。

ネタバレ

公開年は「青春の蹉跌」の年である。長谷川和彦脚本、神代辰巳監督の作で、本作と同じだ。記憶によればこれは素晴らしい作であり、久しく観てはいないがいい思い出である。これはまた「赤ちょうちん」と同じ公開年でもある。高岡健二が主演であり、個人的には私が邦画にめざめた年でもある。中学から高校にあがり、大人になったと勘違いした私が狂喜していた時代でもあった。それはなんと濃い世界(まあ勘違いなのだが)であったと今になって思う。しかし「青春の蹉跌」を素晴らしいと感じた私だが、同じ人がつくったこの映画にはあまり面白さは感じられなかったことも事実である。髙橋洋子は素敵だし高岡健二も悪くない。夏八木勲もひじょうにいいのであるが、流れにちょっとついてゆけない。若かりしあの頃に観ていればちょっと違う思いもあったかもしれないが、映画はいつ観るか、いつ思うかが大切であり、もうその時間は取り戻せないのである。それはさておき、この映画のポスターは素敵であるなぁ。

2023/08/28

2023/08/28

80点

購入 


日本的ニューシネマの傑作

共産党宣言”、“宵待草”、“船頭小唄”。唄う神代映画。
神代ミュージカル。活動写真とアナーキスト。にやにやして誘拐。ヘらへらして内ゲバするおかしさ。右翼と左翼の両方から追われる3人組のズッコケた旅。「俺たちに明日はない」「明日に向かって撃て」へのオマージュ。日本的ニューシネマの傑作。  青木義郎のおかしさ、哀しさ。“親なんかどうでもいいじゃない”と呟くでんぐり返りの高橋洋子が美しい。
    長谷川和彦脚本、姫田真佐久・撮影、神代辰巳監督作品。「青春の蹉跌」のコンビによる青春映画の傑作。

2022/07/03

2022/07/03

60点

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高橋洋子が懐かしい。この頃好きだった。

2022/06/30

2022/07/01

70点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 


神代-長谷川コンビ 第二弾

この年の6月29日には、あの「青春の蹉跌」が公開され、神代-長谷川コンビの第二弾として、12月28日に、この作品が公開されている。調べてみると、神代監督はこの’74年には、それ以外でも、「濡れた欲情 特出し21人」「四畳半襖の裏張り しのび派だ」「鍵」「赤線玉の井 ぬけられます」と、日活のエースとして充分な活躍だ。

 二度目のゴジのシナリオを得て、監督としては肩の力を抜いて遊んでやろうというところなのか。細野晴臣が音楽を担当しているが、やはり印象に残るのは、画面の外から聞こえてくる鼻歌である。

 高岡健二が馬、高橋洋子が自転車に乗って、初めて言葉を交わすシーンは、斬新だ。
 気球、これはゴジのアイデアかな、面白い。
 SLが画面を横切り、橋にロープを張り、憲兵の車を奪い、憲兵になりすまし、銀行強盗をするところも良かった。

 この二人が「明日に向かって撃て」をやるつもりがないことはわかっているが、高岡、夏八木勲の心情がもう少しわかりやすいといいんだがなぁと思う。

 それにしても、独特な時間の流れだった。

2022/05/24

2022/05/27

72点

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大正時代の青春

ロマンポルノ時代の日活ですが、並行して青春映画もいくつか製作されていた中での一つかと思います。藤田敏八監督の一連の作品もありました。神代辰巳監督は、数々のロマンポルノの名作を残したあとの一般映画という形ですが、ロマンポルノ的な感じも若干入っているように感じます。大正時代の設定やずっと鼻歌が流れるアンニュイな感じから、「四畳半…」のような雰囲気も感じました。ただしこの映画は、映像がよく揺れるので少々苦手です。

大正期のアナキスト集団を主人公にした青春映画。最近では菊とギロチンとかありましたが、時々見かけるテーマです。諸外国との戦争を繰り返す時代に疾走する若者集団ですが、その中での国彦としのの恋愛劇や仲間たちとの絆がテーマ。当時の雰囲気をいろいろな方向から際立たせた作品で、社会的側面は薄く、あくまで青春群像劇と思います。前半はアンニュイな雰囲気が勝っていますが、途中から「明日に向って撃て!」になっていきます。ニューシネマです。その部分はなかなか痛快です。

高橋洋子さんは可愛らしい雰囲気でした。ロマンポルノで見る女優さんも何人か登場します。芹明香さんとか、丘奈保美さんとか。丘奈保美さんは後年の新東宝のピンク映画の印象も強いのですが、この時期神代辰巳監督の作品にもよく登場しているようです。東映→日活→新東宝って王道を行っているような…。一般作品でも時々活躍されています。男性陣では夏八木勲がキリっとして良かったと思いました。

2022/05/24

2022/05/25

50点

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「いつの世も若ものは時代の先駆者だ! 頽廃の世相に奔る 大正ヤングの恋と反抗の激流!! これが波瀾の年'75年の青春ロマンだ!!」

神代辰巳監督作品。
神代監督作品は「ベッドタイムアイズ」しか観たことない。
それも何十年も前。
アマプラにあったのでどんなものかと鑑賞。
しかしアマプラの問題か元々がそうなのかわからないが映像がガタガタ。
他の映画はまともに観れるので回線が悪いわけではない。
しんどいなと思いながら最後まで鑑賞。
中盤からは話に入り込めたが前半はガタガタが気になり入ってこなかった。