原題はたぶん「偶然と必然」クロード・ルルーシュ監督は人間愛あふれてる作品を作る人だから、これもそういう作品に違いない。私の中では、ジャック・タチとかアラン・レネとかミシェル・ゴンドリーとか、美しく楽しいことや愛し合うことを好む、やさしいフランス人監督たち、というくくり。
ダンサーの彼女の役、アレッサンドラ・マルチネス、Superflyのボーカルの子にそっくりだなぁ。笑い方がいたずらっぽくて素敵。あ、ルルーシュ監督の妻なんだ。笑顔とダンスがこんなに華やかで、その一方孤独にも慣れている。このギャップに惚れたな。(その後離婚してるけど)
シロクマが家を襲った事件の番組はともかく、そのすぐ次の、舞台上で映像とリアル俳優を組み合わせた”映像マジック”楽しくて何度も見てしまいました。でもそのあとのバレエの結末がかなしすぎる…と思ってたら、大変な事件が…。どうも、製作者はもともとタイトルを「しあわせ」にするつもりはなかっただろうな。この邦題……
人生はときにとても痛いけど、ときには素敵なダンスを踊り、ときには目を見張るような舞台を楽しみ、ときには偶然映っていた彼女を追いかけて、偶然カメラを買った人に追いかけられて、生きていられたらもう一度いつか笑える。
映画が終わってほっとしたときに泣けてくるような良い作品でした。が、日本語はおろか英語やフランス語のWikipediaにも情報が少ない…あんまりヒットも評価もされなかったのかな~。