ロード・トゥ・パーディション

ろーどとぅぱーでぃしょん|Road to Perdition|Road to Perdition

ロード・トゥ・パーディション

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レビューの数

57

平均評点

73.5(483人)

観たひと

847

観たいひと

81

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 2002
公開年月日 2002/10/5
上映時間 119分
製作会社 ザナック・カンパニー(20世紀フォックス映画=ドリームワークス・ピクチャーズ 提供)
配給 20世紀フォックス映画
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD/DTS/SDDS

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ギャング世界の掟と、父と息子の絆を描いた人間ドラマ。監督・製作は「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデス。脚本は「13デイズ」のデイヴィッド・セルフ。撮影は「アメリカン・ビューティー」のコンラッド・L・ホール。音楽も「アメリカン・ビューティー」のトーマス・ニューマン。美術は「バーバー」のデニス・ガスナー。編集は「ムーラン・ルージュ」のジル・ビルコック。衣裳は「プリティ・ブライド」のアルバート・ウォルスキー。出演は「キャスト・アウェイ」のトム・ハンクス、新進子役のタイラー・ホークリン、「メッセージ・イン・ア・ボトル」のポール・ニューマン、「A.I.」のジュード・ロウ、「トゥームレイダー」のダニエル・クレイグ、「アニバーサリーの夜に」のジェニファー・ジェイソン・リー、「アメリカン・スウィートハート」のスタンリー・トゥッチ、「スウィート・ノベンバー」のリーアム・エイケンほか。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1931年冬、イリノイ州ロックアイランドの町。アイルランド系ギャングの殺し屋、マイケル・サリヴァン(トム・ハンクス)は、ボスのジョン・ルーニー(ポール・ニューマン)に息子のように愛されており、ルーニーの実の息子コナー(ダニエル・クレイグ)はそれを苦々しく思っていた。やがてコナーは、サリヴァンの妻アニー(ジェニファー・ジェイソン・リー)と次男ピーター(リーアム・エイケン)の命を奪う。サリヴァンは生き残った長男ジュニア(タイラー・ホークリン)と共にシカゴへ旅立ち、コナーへの復讐を誓う。サリヴァンよりも実の息子の保護を選んだルーニーは、殺し屋マグワイア(ジュード・ロウ)を派遣。やがてサリヴァンは、かつて父のように慕ったルーニーを射殺。コナーも射殺。そしてサリヴァンは息子を連れて海辺の家へ逃げるが、マグワイアに撃たれてしまう。瀕死の状態でマグワイアを射殺するサリヴァンだったが、息子の腕の中で息絶えるのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2002年12月上旬号

日本映画紹介/外国映画紹介:ロード・トゥ・パーディション

2002年11月上旬号

劇場公開映画批評:ロード・トゥ・パーディション

2002年10月上旬号

特集 「ロード・トゥ・パーディション」:トム・ハンクス インタビュー

特集 「ロード・トゥ・パーディション」:サム・メンデス監督 インタビュー

特集 「ロード・トゥ・パーディション」:映画界をリードするドリームワークス

特集 「ロード・トゥ・パーディション」:リチャード・D・ザナック インタビュー

特集 「ロード・トゥ・パーディション」:ディーン・ザナック インタビュー

特集 「ロード・トゥ・パーディション」:作品評

2002年9月下旬号

SPECIAL SELECTION:「ロード・トゥ・パーディション」

2024/01/09

91点

VOD/Disney THEATER 
字幕


父と子

ネタバレ

子供の目線から描かれたマフィア映画であり、父と子の絆を描いた物語でもある。
妻アニーと二人の息子マイケルとピーターと共に暮らすマイケル・サリヴァンは、良き夫・良き父でありながらマフィアの殺し屋という裏の顔も持っていた。
マイケルとピーターは父親の仕事を知らされていない。
時折家を訪ねるマフィアのボスのジョンも、二人にとっては優しい祖父のような存在だ。
ただ、マイケルは父親が何か秘密を隠していることに気づいており、自分があまり愛されていないとも感じ取っていた。
ある夜、マイケルは自動車に忍び込み、父親の本当の仕事を知ろうとする。
そして彼は眼の前で人が射殺される瞬間を目撃してしまう。
ジョンの一人息子であるコナーが癇癪を起こして、予定外の殺しをしてしまったのだ。
父親の本当の姿を知りショックを受けるマイケル。
マイクは「今見たことを誰にも言うな」とマイケルに口止めする。
さらにジョンからも「秘密を漏らすなよ」と念押しされてしまう。
失態をジョンに責められたコナーは、父から寵愛されているマイクへの嫉妬と口封じのためにアニーとピーターを殺し、マイクにも差し金を向ける。
妻子の死を知ったマイクは、生き残ったマイケルと共に復讐を決意する。
実の息子と息子同然のマイクとの間で板挟みになったジョンは、最終的にコナーを守ることを選ぶ。
こうして狙われの身になったマイクとマイケルは、逃亡と復讐の旅に出る。
とても静謐な作品だが、画面から伝わってくる緊迫感に圧倒される。
また計算されたカメラアングルも美しく、作品としての完成度はかなり高いと感じた。
何より父と子のドラマがとても深い。
マイケルは自分のせいで母親と弟が殺されてしまったと自責続けることになるのだが、マイクはマイケルの行動を一切咎めず、彼を全力で守り抜こうとする。
マイクがマイケルに対してうまく愛情を示せなかったのは、彼が自分と似た者同士であることを感じ取っていたからだった。
二人の関係性が父と子としてだけではなく、仕事の相棒としても変化していく過程が印象的だった。
映画の構成力も素晴らしいが、演じる俳優の技巧も際立っていた。
なるべく感情を殺す演技に徹したマイク役のトム・ハンクス。
コナーとマイクの間で揺れ動くジョン役のポール・ニューマンもまた良き父親としての顔と非道なマフィアの顔を見事に表現している。
サイコパスな殺し屋マグワイヤを演じたジュード・ロウも印象的だった。
豪雨が降りしきる中、銃声が一切消された中でマイクがジョンのファミリーを襲撃するシーンは圧巻。
ジョンが殺される直前にマイクに向けて言った「お前で良かった」という言葉がとても切なく心に響いた。
ジョンはマイクに「自分たちは天国には行けない」と告げる。
マイクは「しかしマイケルにはその道が残されている」と返す。
マイクは確かに悪党だったかもしれないが、最後まで息子を悪の道から救おうとし続けた。
マイケルにとっては最後までマイクはたった一人の父親だった。
切ない物語ではあるが、父と子の絆に心を打たれる名作だ。

2002/09/24

2024/01/01

62点

その他/試写会 
字幕


正統派

ネタバレ

正統派。
古典的ともいえる、懐かしく美しい作品。

ポール・ニューマンが美しい。
父の悲哀がにじみ出ている。
そして子役もいい。

[2002.09_鑑賞記録より転載_試写会(コルトンプラザ)]

2022/05/02

2022/05/02

70点

購入/DVD 
吹替


ギャング組織の年老いたリーダーにポール・ニューマン。血の気の多い息子にダニエル・クレイグ。奇妙な殺し屋にジュード・ロウ。そして復讐を果たしながら息子と叔母の住むパーディションまで旅をする父親がトム・ハンクス。顔合わせの妙を楽しむ。脇もなかなかの顔ぶれ。往年のギャング映画とは一味違った異色のロード・ムービー。いろいろな意味で印象深い。

2021/09/22

2021/09/22

75点

テレビ/有料放送/スターチャンネル 


父と子の短い旅

ギャングの一員である父が、親分の息子と人殺しをするところを見てしまった息子のマイケルは、親分の息子から命を狙われ、母と弟を殺されてしまう。怒りに燃える父は親分に反旗を翻す。
単純にストーリーを要約してしまうとこんな感じだが、単なるギャングの抗争物語ではなく、父親の息子に対する愛情と、それに答えようとする息子のロードムービーでもある。
ギャングの父親をトム・ハンクス、ギャングの親分をポール・ニューマン、その息子をダニエル・クレイグ、カメラマンの殺し屋をジュード・ロウとしっかりした役者を揃えている。
ポールニューマンの貫禄と親ばかな親父ぶり、ダニエル・クレイグのバカ息子ぶり、トム・ハンクスの組織に忠実なギャングで有り、子どもをギャングにしたくないという親心。どれをとっても見所満載。
ちなみにパーディションと言うのは息子の伯母のいる町の名前である。
ラスト間近の親分襲撃の場面は、音ではなく光で描き、その後で周りの窓の明かりから人々が息を殺してみている様子が抜群の描き方。

2021/05/27

50点

選択しない 


「再会」の歌詞のようにミシガン湖に夕日が沈んで終わる

 原題"Road to Perdition"で、破滅への道の意。劇中では、親子が逃亡を目指す叔母の家があるミシガン湖のほとりにある町の名となっている。
 マックス・アラン・コリンズ作、リチャード・ピアース・レイナー画の同名グラフィックノベルが原作。
 舞台はシカゴに近いロックアイランド。主人公はヤクザの長男(タイラー・ホークリン)で、お父ちゃん(トム・ハンクス)の仕事ぶりを見たのが組に知れてしまったことから命を狙われ、代わりにお母ちゃんと弟が殺されてしまう。
 お父ちゃんは長男を連れて逃亡を図り追っ手を皆殺しにした上に親代わりの組長(ポール・ニューマン)も殺してしまい、抗争に決着をつけて裏社会とは手を切り、安息の町パーディションで再出発を図ろうとするが、すでに組長が雇っていた殺し屋(ジュード・ロウ)が待ち伏せしていて殺され、長男は一人ぼっちになるという結末。
 全体は長男の父親の思い出という形式を採っている。
 物語の狂言回しとなるのが組長の息子(ダニエル・クレイグ)で、主要人物に名優が揃っている上に、サム・メンデス監督となれば、つまらないわけがない。
 跳ねっ返りで出来の悪い組長の息子。バカ息子に悩みながらも愛情を捨てられない組長。ヤクザでありながら家族思いで子煩悩なお父ちゃん。死体写真を撮るのが趣味の変質者の殺し屋。
 それでも今ひとつ食い足りないのは、ヤクザ世界の二組の父子愛を描きながらも表面的で、葛藤までには至っていないためで、結局は死と背中合わせのヤクザたちのセンチメントを描いただけに終わっている。
 人殺しも厭わないヤクザだった父をみんなは悪い人というが、家族にとってはいつも良い人だった…では、松尾和子の「再会」の歌詞のようで、ミシガン湖に夕日が沈んだだけに終わってしまう。(キネ旬1位)

2021/05/03

2021/05/03

80点

VOD/Hulu/購入/テレビ 
字幕


父と息子の絆

ネタバレ

父と息子の絆が意外な形で深まっていくところが非常に面白かったです。
最後の戦闘シーンで、銃声を無音にして音楽だけで描くところなど素晴らしかったと思います。
人殺しをしてきた人間が自分だけが幸せになるような終わらせ方ではなく、きちんとその結末まで描き、且つ最後に父親としての仕事をさせたことに感動しました。