明日に向って撃て!

あすにむかってうて|Butch Cassidy and The Sundance Kid|Butch Cassidy and The Sundance Kid

明日に向って撃て!

amazon
レビューの数

123

平均評点

80.6(787人)

観たひと

1171

観たいひと

79

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 西部劇 / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1969
公開年月日 1970/2/21
上映時間 110分
製作会社 フォアマン・プロ/カンパニール・プロ作品
配給 20世紀フォックス
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

実在した2人組の強盗を描いた新感覚のモダン・ウェスタン。監督は「モダンミリー」のジョージ・ロイ・ヒル、脚本はウィリアム・ゴールドマン。撮影は「冷血」のコンラッド・ホール、音楽は「007/カジノ・ロワイヤル」のバート・バカラック、衣装をイーディス・ヘッドが担当。製作は「レーサー」のジョン・フォアマン、総指揮にはポール・モナシュが当たっている。出演は「レーサー」のポール・ニューマン、「白銀のレーサー」のロバート・レッドフォード、「卒業」のキャサリン・ロス、「ワイルドバンチ」のストロザー・マーティン、「勇気ある追跡」のジェフ・コーリー、テッド・キャシディなど。デラックスカラー、パナビジョン。1969年作品。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1890年代の西部。家畜泥棒と銀行強盗が稼業の2人組のガンマン、ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)とサンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)は、同じ盗人仲間のハーベイ・ローガン(テッド・キャシディ)らの誘いにのって、列車強盗を試み、大金をせしめた。この後ブッチは、銀、錫などの鉱山資源の豊富なボリビアへ行って荒稼ぎしようと、サンダンスを誘う。そして、スペイン語のできるサンダンスのガール・フレンド、女教師のエッタ(キャサリン・ロス)も交えて、彼らはボリビアへ向かう。が、ボリビアはブッチの想像とは異なり大変な貧乏国で、2人はたちまち銀行強盗に戻る。やがて2人はヤンキー泥棒として有名になり、警察も彼らに手ごころを加えた。2人にとってはこれが不満で、とうとう彼らは足を洗い、錫山のガードマンとなった。エッタは2人がカタギになったことを喜ぶが、所詮、泥棒稼業が身についた2人、正業を長続きさせることはできないだろうと考えていた。この不安は的中し、数年後、彼らは鉱山の給料を奪い、再び警官に追われる身となった。捜索には、ボリビア軍隊までも動員され、2人はあえない最期をとげた。(20世紀フォックス配給*1時間50分)

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2022年11月上旬号

ポール・ニューマンという伝説:「明日に向って撃て!」

2010年11月下旬号

午前十時の映画祭:「スティング」「明日に向って撃て!」

1971年2月上旬決算特別号

特別グラビア 外国映画ベスト・テン:イージー・ライダー/サテリコン/Z/明日に向って撃て!/M★A★S★H(マッシュ)/テオレマ/王女メディア/冬のライオン/地獄に堕(お)ちた勇者ども/ひとりぼっちの青春

1970年2月下旬号

外国映画批評:明日に向って撃て!

1970年2月上旬決算特別号

キネ旬試写室:明日に向って撃て!

外国映画紹介:明日に向って撃て!

2024/09/29

2024/09/30

80点

テレビ/無料放送/テレビ東京 


やがてハチの巣になろうとも

過去に何度か見ているはずだが、記録として残っていなかった。
本作はアウトローを主人公として人間らしい叙情(魅力ある楽観的な2人の主人公と恋に悩む女性を絡ませる)を西部劇に斬新に導入し、ポップスを織り交ぜや早い展開で見せるニューシネマの代表作とも言える。
セピア色の画面からカラーへと移行する編集で、時代的な出来事を今ある様子のように見せる展開、そして再びボリビア軍に囲まれた中を突破しようとする瞬間でセピア色の画面で終わる。
何処かアウトローたちの夢や活躍が滅びていくノスタルジーを感じさせる。
更に今回ブッチ・キャシデイのアウトローでありながら、ボリビアの山賊に襲われて虐待するまで人を射殺しなかった人柄の良さが印象に残った。
そんな彼が相棒の彼女のエッタと自転車を2人乗りするシーンの清々しさを思い起こさせるのだった。

2023/01/29

2024/08/23

75点

映画館/群馬県/シネマまえばし 
字幕


古い時代の男たち

時代が変わろうとし始めていたその狭間。
昔気質のまま生きたいと、生きていけると思っていたのに
それが叶わない。
あがいて、もがいて、そのままでいられる場所を求めて彷徨っても
彷徨った先でも過去が追いかけてくる。

それでしか生きられない。
他の生き方を知らない。
その不器用さを哀しいと思えば哀しいが
自由に生きたんだからそれで良いじゃないかととも思わないではない。

2人の逃避行の掛け合いは、まるでルパン三世のルパンと次元のそれのよう。
軽妙なようでいて、時代に取り残された悲哀も感じる。
作品は2人が破滅していく姿を描いているんだろうけれど
何だかユーモアのある陽気な旅にも感じられる。

何だか不思議な作品でした。

2024/04/10

2024/04/10

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


氷河期世代

なにか憎めない強盗二人組が逃げ回るお話し。
歳を取ってから改めて見たが、ますます味わい深い映画になってました。
話という話も無いのになんとも引き込まれる、説明のつかない空気感が傑作たらしめているのか?
死ぬまでに見ておく映画のひとつ。

2024/01/02

2024/01/02

84点

選択しない 


アメリカ映画の至宝のひとつ

ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの二人が安定の格好よさ。色気があるなぁ。1890年代の衣装雰囲気もよい。都市化される前のアメリカの地方の風景を躍動する生き生きとしたカラーで、ニューヨークを写真の切り取りとしているのも面白い。
彼らは社会のヒーローでも正義の遂行者でもなく、弱者の代弁者を気取るつもりもない。時代に取り残されつつあることを、うすら寒くも気づいているがどうしようもない。
演出音楽役者映像美すべてがそろった傑作のひとつ。

2023/11/06

2023/11/06

90点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


封切り時、好きな作品だと思いましたが

その後レンタルビデオで再見しても同じような印象で。。

でもそこから長あい年月を経て今見ると、、、
「大」好きな作品になってしまいましたよ。
私の50年余の人生に、何があったのでしょうね。

それにしても、毎回思うのですが、
ニューマンさんやレッドフォードさんは、
どうしようもないダメ男を演じて、
お洒落でチャーミングにみせる天才ですな。

2023/09/19

2023/09/21

80点

レンタル/沖縄県/ゲオ/ゲオ与那原店/DVD 
字幕


時代の変化に対応できない者はこうなるという一例かな

自分は本作のリアルタイムの世代ではないが、幸いなことにはリバイバル上映で映画館で鑑賞できた。その前にテレビ放映でも観ていたがやはり映画館で観るとテレビで観るのとはインパクトが違う。まあもっともDVDやブルーレイで観るメリットは映像特典が付いていることでどっちもどっちかな。この前のポール・ニューマン特集では本作だけ見逃してしまったのは残念。

「実話に近い物語」ということわりはなかなか見ない。実話に基づく物語というのはよく字幕に出てくるが、こういう例はこの映画以外では思い出せない。そういう断りをしているのは実在した人物を主人公にしているが、中身は自由に話を膨らませて脚色しましたということなのだろう。この西部劇の定型から外れたものになっているのはいかにもアメリカン・ニューシネマ時代の映画と言えるだろう。

冒頭でサイレント映画がセピア調の色調で若き主人公たちの列車強盗の一幕を描いているのを観ると、このノスタルジックな雰囲気は西部劇のオマージュかと思いきやそうではなかった。
だいたいこの映画以前の西部劇のヒーローと言えばジョン・ウェインなのだが、ヒーローと言えば敵役を見事にやっつけるカッコよさで描かれるが、この映画の主人公ふたりはと言えば追手から逃げ回っているおよそ今までのヒーローにはあるまじき行為なのである。カッコ悪いところが魅力というのがニューシネマなのであった。

サンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)は、ポーカーの相手とトラブルになる。喧嘩腰の相手が自分が怒っている相手がサンダンス・キッドと知るやいなや震えるのだから、主人公が弱いわけではないのだ。でも逃げ回っていて返り討ちにできないこの主人公ふたりはジョン・ウェインの西部劇なら考えられないことである。まあジェームズ・スチュワートならこういうキャラクターもあり得るかもしれないけれど。
こういう体たらくだからラストは銃撃を受けて死ぬことになるのだが、他のニューシネマのような後味の悪さを感じさせないつくりになっている。サンダンスのガール・フレンドのエッタ(キャサリン・ロス)がブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)との自転車に乗る場面、映画史上に残る名場面の美しさは素晴らしい。名曲「雨に濡れても」も秀逸なのもこのジョージ・ロイ・ヒルの演出を盛り上げてしまうのだ。また三人が町で遊ぶ場面も冒頭のようなセピア調の写真を数ショット積み重ねるのもこれまたノスタルジックな雰囲気を出している。
また喜劇調なところもあってことに列車強盗をする場面はドタバタ喜劇風である。

こういった雰囲気にしているので、最期で主人公が散ってしまう悲劇で観る者の気持ちを暗澹なものにしない。このラスト場面もふたりが銃弾に倒れるところを見せずに、ストップモーションで処理したところもうまいところだと思えた。