アニメにはこれくらい荒唐無稽な作品がある。このような映像世界は実写では絶対に作れない。これから見るDVDを見繕っていたときになんとなく選んだ「夜は短し恋せよ乙女」の独特な作りが面白くて、これもその流れで。
ピノキオみたいにクジラに食われてしまってからおとぎ話のようになるんだけど、脱出するくだりから、もはや生き返りがどうのこうのを超えた、強いクスリでもやってんのかというようなイマジネーションの炸裂が続きます。苦手な人は苦手かもな。海に潜水艦がいるところまではともかく、なんで飛行機が海上にあったりビルが生えてたりするんだ。いやこれはまだクジラの中だったのか?…結局オチをつけないまま決められた時間が終わってしまう感じに映画は終わります。死ぬ前の走馬灯、みたいでもある。
楽しいだろうなぁ、これ作るの。見てるほうは、それぞれの画面や演出の”必然性”は全然わからないけど、わかるものよりわからないものの方が面白い。
手描きっぽいアニメもCGも、今田耕司や山口智充の実写も、横尾忠則のコラージュみたいに平等に並ぶ。声の出演、みなさんとても良かった。音楽もやたら力はいってると思ったら、Music On TVのバックアップか。(あったなぁそんなCSチャンネル)
DVDの映像特典も盛りだくさんでした。