クラッシュ(2004)

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クラッシュ(2004)

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レビューの数

79

平均評点

75.9(696人)

観たひと

1105

観たいひと

79

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 2004
公開年月日 2006/2/11
上映時間 112分
製作会社 ブラックフライアーズ・ブリッジ=ハリス・カンパニー=アポロプロスクリーンGmbH&Co.フィルムプロダクションKG=ブルズアイ・エンタテインメント
配給 ムービーアイ・エンタテインメント
レイティング
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ロサンゼルスを舞台に様々な人種の人々の衝突を描いた人間ドラマ。サンドラ・ブロック(「デンジャラス・ビューティー」)、ドン・チードル(「オーシャンズ12」)、マット・ディロン(「メリーに首ったけ)」を始め、いずれ劣らぬ個性的な俳優たちが出演、緻密な群像劇を支えている。監督は「ミリオンダラー・ベイビー」の製作・脚本を手がけた俊英ポール・ハギスで、この作品が監督デビューとなる。2005年度アカデミー作品賞、脚本賞、編集賞を受賞。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

クリスマス間近のロサンゼルス。黒人二人組・アンソニーとピーターは地方検事のリック夫妻の車を盗んだ。リックの妻・ジーン(サンドラ・ブロック)はそれ以来、人種差別的な態度を取り始める。白人警官のライアン(マット・ディロン)は、黒人のTVディレクター・キャメロン夫妻が乗った車を強制的に停め、権力を使って屈辱を味あわせた。妻・クリスティンはライアンを憎悪し、夫との間には溝が出来た。一方ライアンの相棒で若いハンセンはライアンに嫌悪感を覚えた。ペルシャ人の雑貨店主ファハドは、黒人ダニエルに鍵を直させるが、ドアごと変えないと駄目だと言われ口論になった。パトロール中のライアンが交通事故現場に駆けつけると、被害者はクリスティンだった。必死の努力で自分を助けようとするライアンに、クリスティンの態度も軟化した。別の場所で車がパトカーに停止させられる。乗っていたのはキャメロンだ。警察への憎悪に駆られたキャメロンはあわや射殺されそうになるが、それを助けたのは、ハンセンだった。ファハドは再び強盗の被害にあう。保険会社は、ドアを直さなかったファハドが悪く、保険金を払えないといった。ダニエルを逆恨みしたファハドは射殺しようとするが、間に入ったダニエルの娘を撃ってしまう。しかし娘は無事だった。ファハドの娘が拳銃に空砲を入れていたのだった。ピーターがヒッチハイクする。運転手はハンセンだ。ちょっとした会話の行き違いから、ハンセンはピーターを射殺してしまう。黒人刑事グラハム(ドン・チードル)が交通事故に巻き込まれた。偶然近くの現場で発見された死体に引き付けられるグラハム。それは探していた弟・ピーターだった。アンソニーが盗んだ車の荷台に大勢のアジア人が身を潜めていた。アンソニーはあわや売り飛ばされそうになる一同を助けてやり、街中に開放した。その横では今日も異なる人種の人々が車をクラッシュさせ、怒鳴りあっていた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2007年3月上旬号

特別企画 第79回アカデミー賞大予想!?:DVDで感動再び! 第78回作品賞・脚本賞・編集賞受賞「クラッシュ」

2006年4月上旬号

劇場公開映画批評:クラッシュ

2006年2月上旬号

特別企画 傑作・快作・感動作厳選! 冬のミニシアター2006:「クラッシュ」ポール・ハギス監督 インタビュー

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2004年1月下旬新春特別号

日本映画紹介/外国映画紹介:Crash

2021/06/02

2021/06/02

69点

レンタル/愛媛県/TSUTAYA/ビデオ100 今治鳥生店/DVD 
吹替


「クラッシュ」という作品はいっぱいあって、実は別の作品を観たいと思ってレンタルショップで借りたら、違う「クラッシュ」が入っていました。それが本作。そのため、はじめから「?」の連続でストーリーが頭に入ってこなかったが、よく観てもストーリーの筋がよくわからなかった。ただ、差別や人種差別による衝突劇であるのはわかったので、また改めて見直してみたい。

2020/08/27

2020/08/27

80点

VOD/U-NEXT 
字幕


現代に直結する、しかし裾野が広いテーマ

J・G・バラードのSFというか変態小説に同名のものがあって、なぜか本作はこれが原作だとずっと勘違いしていて、どうも鑑賞を避けてきていた。なんてもったいない。

BLM運動に直結するテーマだが、そのメッセージは人間の性というか業というか、根本的な問題を提起してくる。

かように差別や憎悪というものは白人であろうと有色人種であろうとマジョリティであろうとマイノリティであろうと人間のどこかしらに必ず埋め込まれている宿痾であるということだ。

政治や社会システムでは解決できない、しかし必ず解決できるものとして希望の火を僅かにともして映画は終わる。登場人物それぞれがあくまでもパーソナルな体験、思考、感情でどうにか乗り越えていく。
シンプルだが一人一人が変わっていかなければいけないとするメッセージは本質をついていて感動的だ。

序盤ではサンドラ・ブロックがマイケルジャクソン化する前の顔だったり新旧ウォー・マシンが二人とも揃ってるぞということだったり、勝手にノイズを付け足していたが、申し訳ない。

人間ドラマ、恋愛もの、はては昨今のヒーローものにすら埋め込まれる反差別メッセージが、この映画ではその社会性の皮をかぶって、人間の本質を突いてくる。珠玉のアイデアである。

ポール・ハギス恐るべし。

2020/07/17

2020/07/19

100点

レンタル/新潟県/TSUTAYA/蔦屋書店 竹尾インター店/DVD 
字幕


15年経ったのに

◎ 新型コロナ禍にもかかわらず、アメリカは人種差別問題でも揺れている。この映画がアカデミー作品賞をとってもう15年も経ったのに、アメリカ社会はあまり変わっていないのだろうか。
◎ いろいろな扉が締められるショットが意図的に多用されている。家のドア、車のドア、冷蔵庫や食器洗い機の扉。扉が閉まるという絵で人と人のつながりが閉ざされることを示しているのか。後半がちょっと甘めなのが気にかかるが、大好きな作品の一つである。

2020/04/01

2020/05/28

77点

VOD/Amazonインスタントビデオ/レンタル/テレビ 
字幕


結構複雑

絡みが複雑で2度見た。少しは話も見えてきた。分かり難くイガ、それなりの存在感もある。

2020/04/26

75点

選択しない 


重いテーマ

人種差別を扱ったかなり重いテーマの物語で、2006年アカデミー賞作品賞を受賞した映画。アカデミー賞受賞作品は人種差別を扱った作品が多い気がする。
21世紀になっても、まだまだアメリカでは人種差別が多いんだなと痛感した。たとえ有名人でも高い地位の人でも、一旦何か少しでも隙があれば、陰湿な人種差別、イジメが起こってしまう。
同じ「クラッシュ」でも、クローネンバーグの「クラッシュ」もお勧めです(一部の人には)。間違って先にそっちを見てしまった(笑)。

2020/02/07

2020/02/07

73点

レンタル/東京都/TSUTAYA 
字幕


この年のアメリカの価値観

2004年にアカデミー最優秀作品賞を受賞した作品。なるほどなぁ。バラク・オバマが大統領になる2009年に向けて、アメリカが強めていった正しい人種問題の意識をこの時期のアカデミー賞に反映した感じがします。いまだ明確な解決は見られないけど、国じゅうのあちこちでこんな問題が起こっている、だけど僕らは根本的に人間性を忘れたわけではない、という自己肯定で終わることができている。

見えないマントや込められなかった弾丸に夢をつなぎつつ、正義をふりかざす者が陥る、自分の中にある偏見の問題をあぶり出す。ある意味単純すぎる二分法の映画でもあります。正しそうな奴がいいことをすると思うな。黒人女性の取り調べ中に性的いたずらをする警官が彼女を炎のなかから救う。…ってエピソードが単純で説明的すぎます。映画的でもないし芸術的でもない。でもこの時代のアカデミー賞がそういう価値観だったってことなんですよね。

今は2020年、このあとの16年間はけっこう長く感じられます。今年のアカデミー賞はどの作品が取るか、楽しみです。それがアメリカのショービジネスの世界の価値観を如実に表すから。