音楽世界遺産の旅 ジプシー・キャラバン

おんがくせかいいさんのたびじぷしーきゃらばん|When the Road Bends: Tales of a Gypsy Caravan|----

音楽世界遺産の旅 ジプシー・キャラバン

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レビューの数

8

平均評点

77.0(15人)

観たひと

30

観たいひと

15

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドキュメンタリー /
製作国 アメリカ
製作年 2006
公開年月日 2008/1/12
上映時間 115分
製作会社
配給 アップリンク=AMGエンタテインメント
レイティング
カラー カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ジプシー/ロマをルーツとする5バンドの北米ツアーに密着した音楽ドキュメンタリー。監督は「American Gypsy: A Stranger in Everybody's Land」(未)のジャスミン・デラル。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスなどジプシー音楽を代表するアーティストのほか、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジョニー・デップも特別出演している。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

2001年の秋、“ジプシー・キャラバン”ツアーの面々は、初日を満員のニューヨークで迎えた。参加したアーティストは4ヶ国5つのバンド。ルーマニア出身でジプシー音楽界を代表するタラフ・ドゥ・ハイドゥークス、マケドニアの“ジプシー・クイーン”エスマ、スペイン・フラメンコ界のスターであるアントニオ・エル・ピパ・フラメンコ・アンサンブル、ルーマニアの超高速ブラスバンド、ファンファーラ・チョクルリーア、そしてインドの砂漠民バンド、マハラジャ。彼らは6週間を掛けて北米の諸都市をバスで回るのだ。異なる土地から集められ、当初いくらかの違和感を互いに抱いているメンバーをエスマがとりまとめている。こうして長いツアーの間、彼らは徐々にお互いを知り合い、親交を深めていくのだった。一方、カメラはそれぞれのミュージシャンのルーツを追う。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの稼ぎで成り立っている小さな村がある。マケドニアでは、エスマが夫と一緒に引き取った47人の子供たちを紹介する。また、インドでは子供たちが砂漠のステージで歌い、いつかミュージシャンになりたいと夢を語る。そしてルーマニアでのある日、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの象徴であり、中心的存在でもあった最長老ニコラエ・ネアクシュが亡くなった。たくさんの親族・仲間たちが彼の遺体を見守っている。そんな中、タラフのメンバーが語る。「ニコラエは天国で言っているだろう。私は世界中を旅したってね」。そして、ツアー終盤、それぞれのバンドがそれぞれの場所で重ねてきた年月がステージの上でひとつになるのだった……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2007年12月下旬号

特別企画 ミニシアターで観る世界の映画:「ジプシー・キャラバン」

2024/10/27

2024/10/27

80点

選択しない 


ジプシーの悲しい歴史と誇り

初めて観た時は、音楽よりもロマ族の悲惨な歴史が印象に残ってしまい、印象が散漫になってしまったので、再鑑賞です。ジプシー・クイーン、エスマを中人に、マハラジャ、アントニオ、タラフ・ドゥ・ハイドゥークス、ハリシュ、ファナなどのミュージシャンの生活をとらえながら語られるジプシーたちの悲惨な歴史、そして何より素晴らしい音楽と彼らの誇りが感じられました。映画のラストでは元気だった老ヴァイオリニスト、ニコラとの悲しい別れと一晩中演奏で送り出す仲間達の姿が感動的。ただ演奏場面の少なさは残念。

2024/10/18

2024/10/19

70点

選択しない 


ヴェンダースなら

ジプシー、ロマ族の虐げられた歴史と闘うように繰り広げられる音楽が魅力的でした。ただ演奏中に映像が切り替わり、音楽をしっかりと捉えた映像が少なく編集にストレスを感じました。「ブエナ・ビスタ・・・」的な感動を期待していただけにヴィム・ヴェンダースが撮っていたらどうなっていたのか?私には映画としては物足りない作品でした。

2014/09/17

2016/09/22

80点

映画館/東京都/UPLINK 
字幕


血が沸き立つ!

ルーマニア、インド、スペイン、マケドニア…。様々な国に散らばるロマたちの合同ツアーを追うドキュメンタリー。
虐殺と迫害の歴史を背負った流浪の民、ロマ。彼らは運命に立ち向かわずただ受け入れて、今在る場所で命を燃やし尽くしてきた。情熱的でいて物哀しい彼らの音楽は、そうした生き様によるものなのか。エスマの力強い歌声は音楽の嗜好を超えて万民の胸を打ち、ファンファーレ・チォカリーアの奏でる最速ブラスは気分を昂らせ、体が自然に動き出してしまう。まさにこれが、血の音楽と言われる所以だろう。

2008/03/19

2016/05/08

80点

映画館/東京都/シネ・アミューズ イースト 
字幕


いろんなロマの音楽

ロマ特有のリズムについカラダが動いてしまう。
キターの音色にはいつも胸をわしづかまれてしまう。
わけもわからず、どうにもやりきれない。
土臭さにいきれそうになるこの感覚がたまらない。
地を這って放浪してきた民の音楽。
どこか切ない旋律、でも力強い節づかい。
泣きたくなるのに踊りたくなる。

それぞれの国のロマの虐げられた歴史や状況が、
それぞれに語られている。
ちょっと散漫になってしまったかもしれない。
それぞれが貴重なエピソードなのだが。

ぜいたくにもいろんなロマの音楽を聴くことができた。
国が違っても共通する何かがあるのはよくわかった。
感じるまま生きるしなやかさ、
全身から全てを吐き出すたくましさ、かな。
とにかく元気をいっぱいもらった。
(2008.3.20)

2008/01/15

2016/01/17

74点

映画館/東京都/シネ・アミューズ イースト 


ナチのロマ大量虐殺

スペイン、ルーマニア、マケドニア、インドの4か国5つのバンドの6週間北米ツアーのドキュメント。インタビューでロマの歴史が語られ、ナチのロマ大量虐殺などが明らかになる。

2008/05/30

2014/08/21

50点

映画館 
字幕


インドからスペインにかけての道

ジプシー(ロマとも呼ぶ)はインドからスペインにかけての道を放浪していった中で生まれた人達、ということを初めて知りました。その流れを汲む四か国の音楽家が一堂に会して、アメリカ横断ツアーをやった時のドキュメンタリーで、言葉もスタイルも違う彼らが次第に打ち解けていく様子はいい感じで、インドのチタールからスペインのフラメンコまでが音楽的には同じ源流というのは驚きで、それが私にはどれも結構好みの音楽なので、なるほどねえ、とも思いましたね。そんな彼らがそれを理解して見事共演を果たすのは感動的ですね。そして迫害の歴史を持つジプシーが、窃盗団的な偏見を払拭して侵略や戦争を仕掛けなかった民族として紛争の無い平和の実現を訴えていこう、というテーマが浮かび上がる。その意義は大きいと思いますが、音楽映画としては「ブエナビスタ・ソシアル・クラブ」辺りと比べると感覚的に劣ると思いました。