市民ケーン
映画の歴史に名を刻む偉大なクラシックをようやく鑑賞した。
実は本編を観ていて後半、あるシーンに差し掛かり、ハッとすることがあった。
もう40年も前のことで記憶も朧だけど、
学生時代に作った8mフィルムで、主人公の心理描写にジグソーパズルを使い、ある人物から「市民ケーン」は観たことがあるのかと指摘された出来事。
未見だった自分は無いと答えたきりでうやむやになっていたのだった。
その時何かを察知はしたけれど、確かめもせず何十年も忘れていて、今の今それを目撃したのだった。
ジグソーパズルのコツコツと積み上げるプロセスや達成直近の緊張感、そしてラストピースの有無など、比喩表現に使えるアイテムだけど、こんな名作に使われていてはNGだ。
怖いぐらいの恥ずかしい気持ちが去来し、同時に懐かしい気持ちも湧いてきて、不思議な映画体験であった。