まずは自虐的な未来予想図が描かれる。高いIQを誇るカップルは子作りに慎重。一方、IQの低い連中は
避妊もせずにバンバンセックスに励み、浮気もお盛ん。どちらにせよバカな子供が量産される。IQの高い
子供は絶滅危惧種になってしまった。さて、どうなるアメリカの未来?
アメリカ軍は秘密裡に人間冷凍催眠の実験を試みた。実験体に選ばれたのが、軍の中でも最も平均的な
人物ジョー・バウアーズで、兄弟がなく親も亡くなっていて好都合だった。女性の方は売春婦リタが、ヒモの
アップグレードが無罪になるように司法取引をして、実験に参加することになった。人工冬眠は一年間。
ところが、実験の責任者が麻薬の不法所持と売春斡旋で逮捕されてしまった。軍は実験を放棄、施設は
解体。ジョーとリタの二つの冬眠機は打ち捨てられ、誤作動、なんと500年後に冬眠の解除となった。
この500年後のアメリカはゴミの山、人々はバカ顔、スポーツドリンクしか飲まない怠惰な生活。植物は
育たず、砂嵐ばかり。ジョーは不審人物として警察に逮捕されてしまう。弁護士フリートのバカさ加減で有罪
判決。刑務所で知能検査を受けたが、これが史上最高得点で、ホワイトハウスにスカウトされることになった。
政府の閣僚たちもおバカばかりで、ジョーは期待される新人に。
大統領に至っては元プロレスラーでポルノスターのカマチョ。彼からジョーは内務大臣に就任。合流したリタ
と弁護士フリートの力を借りて、スポーツドリンクを注がれる農地を改革、水で潤すことに変えた。
コメディなのでホワイトハウスの面々がおバカなのは結構なのだが、浜のヒーさんも指摘するように、おバカ、
アホでも政権内部らしい説得力があれば、さらにはじけたはず。派手なアクションシーンが欲しかったのは
判るが、コロシアムのパートはB級の念押しになり、惜しい出来。
おバカ映画という言葉もあるが、登場人物がすべておバカになってしまった完全無欠のおバカ映画。ここ
までくればカルト映画の仲間入り。トランプ支持のFOXニュースをコケにし、2020年のトランプ支持者たちの
議事堂乱入事件を予言した、とカルト的に持ち上げられた異色コメディ。