スティング

すてぃんぐ|The Sting|The Sting

スティング

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レビューの数

149

平均評点

84.8(1176人)

観たひと

1760

観たいひと

182

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル コメディ / サスペンス・ミステリー
製作国 アメリカ
製作年 1973
公開年月日 1974/6/15
上映時間 129分
製作会社 ビル/フィリップス・プロ作品
配給 ユニヴァーサル映画=CIC
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1930年代の暗黒街のメッカ、シカゴでは血を血で洗うギャング戦争が日常茶飯事のごとく起こっていたが、一方その道のエリートと自認する連中のあいだでは、血なまぐさい暴力沙汰を軽蔑し、頭脳で相手を出し抜くことを粋とする風潮があった。これは、そのコンマンと呼ばれる詐欺師の物語。製作総指揮はリチャード・D・ザナックとデイヴィッド・ブラウン、製作はトニー・ビル、マイケル・フィリップスとその妻ジュリア・フィリップス、監督はジョージ・ロイ・ヒル、脚本はデイヴィッド・ウォード、撮影はロバート・サーティース、美術はヘンリー・バムステッドとジェームス・ペイン、編曲はマーヴィン・ハムリッシュ、ピアノ演奏はスコット・ジョプリン、編集はウィリアム・レイノルズが各々担当。出演はポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・シヨウ、チャールズ・ダーニング、レイ・ウォルストン、アイリーン・ブレナン、ハロルド・グールド、ジョン・ヘファーナン、ダナ・エルカー、ジャック・キホーなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

<下ごしらえ> 1936年。シカゴに近いジョリエットの下町で道路師と呼ばれる詐欺師3人が通りがかりの男から金を奪った。これがこの物語の事件の発端である。数日後、主謀者のルーサーが死体となって見つかった。仕掛けた男はニューヨークの大親分ロネガンの手下で、賭博の上がりをシカゴに届ける途中、3人組に金を奪われた男だった。大組織に手を出した当然のむくいとしてルーサーは消されたのだが、組織の手は一味の1人フッカー(ロバート・レッドフォード)にものびていた。ルーサーの復讐を誓ってフッカーはシカゴのゴンドルフを訪ねた。だが頼みとするドンドルフは、ギャング同志の争いでFBIから追われ、今では売春宿に幸うじて身を隠している有り様だった。しかし、親友の死を知ったゴンドルフ(ポール・ニューマン)は、相手がロネガン(ロバート・ショウ)と聞き目を輝かせた。 <シナリオ> その日から2人は、ロネガンの身辺を洗い、彼がポーカーと競馬に眼がないこと、近くシカゴを訪れることなどを調べ上げた。ゴンドルフは急ぎ昔の仲間を集め、シカゴの下町にインチキノミ屋を構えた。 <ひっかけ> シカゴに向かう列車の車中で、ロネガンはいつもポーカー賭博をやると聞いたゴンドルフは、その仲間入りをし、いかさまでロネガンを大きくへこませた。しかも、ロネガンのサイフはゴンドルフの情婦にスリ取られていたために負け金を払うことも出来ない始末だった。 <吊り店> 翌日、ロネガンの宿にゴンドルフの勝金を取りにきたフッカーは、ゴンドルフのポーカーがイカサマであることを告げ、頭にきたロネガンに負け金の何十倍も稼げる話を持ち込んだ。それによると、ゴンドルフの経営するノミ屋に電送されてくる競馬の中継は、電報局の局長を組んで2分程遅らせて放送しているので、実際にはすでにゴールしている馬券を買えるから、ゴンドルフを破産させるのは訳がないをいうのだ。その代償として、ゴンドルフの縄張りを自分にくれというのがフッカーの条件だった。 <しめ出し> だが、彼らの活発な動きはFBIの目にとまり始めていた。フッカーを追うスナイダー(チャールズ・ダーニング)という悪徳警官もうろついている。ロネガンはフッカーの持ち込んだ話が信用できるのかどうか、あらゆる手を打ってフッカーをためしていた。そしてついに、50万ドルの大金を注ぎ込むことにしたロネガンは、自らノミ屋に出向いた。 <最後にぐっさり> ロネガンが50万ドル注ぎ込んだレースが始まった瞬間、ノミ屋にFBIが踏み込んできた。ゴンドルフは自分を裏切ったフッカーを射殺し、そして自らもFBIの銃弾に倒れた。店内は蜂の巣をつついたような大騒ぎになり、ロネガンはFBIに連行された。だがこれは、FBIまでふくめたすべてがゴンドルフの書いた筋書きだったのだ。こうしてゴンドルフとフッカーは見事ロネガンを再起不能な状態に陥れた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2010年11月下旬号

午前十時の映画祭:「スティング」「明日に向って撃て!」

1975年2月下旬決算特別号

特別グラビア 外国映画ベスト・テン:フェリーニのアマルコルド/叫びとささやき/映画に愛をこめて アメリカの夜/スティング/ペーパー・ムーン/ブルジョワジーの秘かな愉しみ/ジーザス・クライスト・スーパースター/黒い砂漠/デリンジャー/エクソシスト

特別グラビア 読者のベスト・テン 外国映画:スティング/ペーパー・ムーン/映画に愛をこめて アメリカの夜/エクソシスト/叫びとささやき/フェリーニのアマルコルド/パピヨン/ジーザス・クライスト・スーパースター/燃えよドラゴン

1974年7月下旬号

外国映画紹介:スティング

1974年5月上旬号

グラビア:ジョージ・ロイ・ヒル監督 「スティング」

「スティング」アメリカ映画のひさびさの面白さの世界:

シナリオ:スティング

1974年4月下旬号

キネ旬試写室:スティング

1974年3月上旬号

グラビア:ショージ・ロイ・ヒル監督 「スティング」

2024/09/29

2024/09/29

-点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 
字幕


愉快痛快爽快!

「復讐のためだなんてつまらんよ」
「ではなぜ?」
「楽しいからだ」

1936年9月、シカゴの隣町ジョリエット。恐慌の余波は未だ根強く景気はどん底。ペテン師フッカー(演:ロバート・レッドフォード)は仕事仲間ルーサー(演:ロバート・アール・ジョーンズ)やエリーと組んで大金をくすねる。しかしそれは元々大物ギャング・ロネガン(演:ロバート・ショウ)の取り分であり、報復としてルーサーは彼の手下に殺害される。ルーサーの生前の忠告に従い、フッカーはシカゴまで天才イカサマ師ゴンドーフ(演:ポール・ニューマン)の許を訪ねる。相手は抜け目のない大物ギャング、カネに目がない悪徳刑事スナイダーに追われながら、亡き友のためペテン師の誇りをかけた弔い合戦が幕を開けた!
「明日に向って撃て!」(1969)以来のニューマン×レッドフォード×ジョージ・ロイ・ヒル監督が実現し、第46回アカデミー作品賞を受賞。一時忘れられていたスコット・ジョプリンにの一連のラグタイム作品は、本作の劇伴としてマーヴィン・ハムリッシュの手によって甦ることとなった。
いや、爽快痛快愉快!恥ずかしながら本作をちゃんと観るのは僕にとっては今回が初めてである。今から14年前、大学の講義で本作を観る機会はあったが、4〜5限という1日の中で大学生の脳細胞が最も死滅している時間帯に観せられたため、あえなく睡魔の餌食となって肝心な部分を観損ねたのである。だが自分可愛さに自己弁護させてもらうならば、僕は当時の自分に「いい仕事をした」と言ってやりたい。当時、自称"清廉潔白な"大学生だった僕は麻雀もパチンコも競馬もしたことがなかった。もちろん当時観ても作品そのものは面白かっただろう。しかし社会人になって、生計を自分で立てるようになり、社会勉強として多少なりとも(もちろん合法の範囲内で)競馬を多少なりとも理解するようになってから観たことで最終盤の爽快感は格別なものとなったのではないか。つまりこれは古典ではなく「自分で金を稼ぐことが出来るようになって初めて観ることが許される作品」なのである。
予想が二転三転する怒涛の展開に思わず声を上げながら、それでいて軽快なラグタイムによって一切の嫌味がなくさっぱりとした爽快感に終始包まれる。「ジ・エンターテイナー」が最も有名だが、個人的には決戦前夜の「ソラス」の哀愁を推したい。メインどころを除いて双方取り巻きが皆似たような顔つきで途中誰が誰だか見失いかけたが、それもあって終盤の驚きが更に増した。練りに練り上げられた脚本の妙、堪能しました。
ところでさ、今日の馬券はどうよ?え、複勝?はぁ?いやお前さっき「単勝」って言ったじゃんか?おいそこ、鼻を擦るな!

2024/09/05

92点

購入/ブルーレイ 
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とどめの一撃

ネタバレ

舞台は1936年、大恐慌下のシカゴ。
詐欺で日銭を稼ぐフッカーとルーサーは、裏社会の大物ロネガンが関わっていることを知らずに、違法賭博の売上金を騙し取ってしまう。
結果、執念深いロネガンの刺客によってルーサーは命を落とし、フッカーも逃亡生活を送ることになる。
フッカーはルーサーの古い馴染であり、かつて伝説の詐欺師と謳われたゴンドーフのもとに転がり込む。
ルーサーの仇を討ちたいと息巻くフッカーの心意気を気に入ったゴンドーフは、ロネガンから大金を騙し取るためにひと肌脱ぐことになる。

全体的に緊張感のあるシリアスな設定ながら、どこかポップで軽やかな印象を受ける作品だ。
また『the Entertainer』の曲も作風にとても合っている。
とにかく大掛かりなセットでロネガンを騙そうとするゴンドーフとフッカーの大胆不敵さにハラハラさせられる。
いくら顔が割れていないからとはいえ、命を狙われているロネガンの懐に潜り込むフッカーの度胸は凄い。
騙す側の視点で描かれるために冷や冷やさせられる展開が続くが、事情を知らない者からすれば案外簡単に目の前の状況を信じてしまうものなのかもしれない。

フッカーを追いかけるのはロネガンだけではない。
スナイダーという警察官も執拗に彼を逮捕しようと追跡し続ける。
そのスナイダーにFBIが接触する。
彼らはゴンドーフをずっとマークしているのだが、決定打がない。
FBIと手を結んだスナイダーはフッカーを捕らえ、ゴンドーフを逮捕するために彼を懐柔しようとするのだが、この展開が予想もしない結末へと繋がることになる。

ジョージ・ロイ・ヒル監督で、ロバート・レッドフォード、ポール・ニューマンのダブル主演となれば、どうしても『明日に向かって撃て!』が思い出される。
あちらは悲劇的な結末を予感させる切ない内容だったが、こちらは大逆転を期待させる痛快な作品だ。
どんでん返しが凄いシナリオはいくつもあるが、この映画が観る者を惹きつけるのはシナリオの上手さだけではないだろう。
特にゴンドーフとロネガンが初めて対峙する、電車内でのポーカーの場面が印象的だ。
ゴンドーフは彼にイカサマを仕掛けるが、それを上回る手でゴンドーフは勝利を収める。
地味な画ではあるが、ジリジリとした緊張感に思わず引き込まれてしまった。

また危ない綱渡りのような人生を送ってきたフッカーが、普通の恋をする場面も心に残る。
予想もしない切ない結末と共に。

2024/06/07

2024/06/07

90点

VOD/U-NEXT/レンタル/PC 


久しぶり

35年ぶりに観たくなり、夕飯を食べながら観た。

流石に若い時の印象とは違って感じたのは自分が年を重ねたせいだろうか。
とにかく面白い。その一言。

ただ、現代の若者にとってはテンポが遅すぎると思うかもしれないとは思った。
しかし、ロートルには心地よいテンポでとても観やすい。

そして何より、ポール・ニューマンの碧く美しい目に惹かれてやまない。
ロバート・レッドフォードも素敵だが、碧い目には敵わない。

何もかもが素敵な映画である。

2024/03/21

95点

レンタル 
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完璧

脚本、キャスティング、音楽、そして・・・
全てが完璧

2024/03/04

2024/03/04

-点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/PC 
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半世紀前のつらい時代のための楽しい映画

公開は1974年、舞台は1936年。
オイルショックの不況下で、大恐慌の最中の時代の映画を作るというのは意図的なものなのでしょう。
ラグタイムの曲で軽快に始まる物語で軽妙。貧困層が仲間の復讐計画を軽やかに進行させるという、劇場を笑顔で出られるような映画です。

いまの三幕構成といった作法は関係なく、物語のきっかけとなる失敗以外は順調に進む(イントロ&調子に乗る、挫折、復活という構成ではない)わけで、これで問題なく楽しい。
愛嬌のあるポールニューマンと、好青年然としたロバートレッドフォードがずっと感じが良い。

いまみると、タイトルロールの出したや幕間のいれ方など、逆に新鮮に感じます。クリアすぎない映像や、やりすぎない演出やbgm、1930年代(を再現している?)の古めかしく乱雑な街並み。
現実の問題とリンクさせるとか、共感がどうとかいったことより、あくまでフィクションである物語を楽しくみてほしい、というつくりにリラックスしたムードを感じます。

2024/02/01

2024/03/02

80点

映画館/神奈川県/ムービル 
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50年たっても発見がある

ネタバレ

シカゴの若い詐欺師が、伝説の詐欺師と組んで師と慕う詐欺仲間を殺したニューヨークの大ボスにワナを仕掛けて大金をだまし取ろうとする。
1974年アカデミー作品賞のよく知られた傑作だ。1936年代のシカゴを舞台に詐欺師がギャングの大ボスをだまし討ちにする。
公開時とその後もテレビ放送や劇場で何回か見ているが、今回見て思ったのは、最後の競馬のオオダマシに向けて、細かい配慮というか用意周到さというか、ヒントがばらまかれているということだった。
例えば、撃たれたフリをする若い詐欺師が口から血を流すのがダマシのひとつなのだが、いつ赤い絵の具を口に入れたのかというと、最後の大舞台(競馬のラジオ中継会場)へ向かう前にホテルで支度をする場面にあった。タキシードを着たあと、何がしかを口の中、奥歯の辺りに押し込んでいる。これが絵の具のカプセルでなくて何であろう。
ギャングの大ボスに仕掛けられたダマシは、大ボスが電話で聞いたplace(プレース)を取り違えるように仕向けるというのがミソだが(競馬の2着は英語でplaceという。通常は「置く、投資する」の意味)、先に大ボスが下見に来たりやお試し的に賭けたときに、中継の音声が「1着は何々、2着(place)は何々、3着は何々」とレース結果を言っているのが聞こえてくる。しっかりヒントを出していた。(ちなみに1着は「win」、3着は「show」といいます。)。
(この取り違えを日本語の字幕や吹替で表わすのは難しいらしく、初公開時に見たフリガナを使った字幕以外、僕の見た範囲では言葉の勘違いを狙ったダマシだというのが分からなかった。ここが伝わらないと慎重で用意周到なはずの大ボスが何間違えてんだと間抜けに見えてしまってちょっと残念。)
最初に見てから50年たっても発見がある。名作とはそういう作品だと改めて思う。