前作が予想外の大ヒットで続編の話が出たが、複数の映画会社が続編製作の権利を持っていて、即製作というわけにはいかなかった。「トータルリコール」のプロデューサー、マリオ・カサールがこの作品に続くアーノルド・シュワルツェネッガー主演の超大作を作るべく、この続編を製作するために権利をすべて買い集めたという。そのため、当初は続編製作に否定的だったジェームズ・キャメロンも乗り気になって、ターミネーターとサラ・コナーは続編に不可欠と考えて、リンダ・ハミルトンに連絡を取った。彼女は他の映画出演を断り本作に出演することを決めた。
ターミネーターのキャラは当初、この続編に登場するT-1000の様に肉体を液状化して格子もすり抜けるものとした。ところがシュワルツェネッガーが脚本を気に入ってぜひ自分にやらせてほしいと懇願した。そこでターミネーターはシュワルツェネッガーに合わせてマッチョになった。そこでボツになった液状化するターミネーターは続編でT―1000としてよみがえらせた。で、T-1000のキャラで前作の主役の予定だったのはランス・ヘンリクセンで、シュワちゃんが主役になることで彼は脇役で刑事の役で出ている。この格下げはヘンリクセンは落胆しただろうが、彼が主演だとシリーズ化するほどの大ヒットは望めなかったと思う。ジェームズ・キャメロンとしても出世作である。彼のデビュー作「殺人魚フライングキラー」はあまりにも撮影環境が悪いため、キャメロンにとって悪夢だったが、この映画の出演者であったランス・ヘンリクセンと一緒に撮影に使う小道具などを作っていたという。その彼とは戦友みたいなもんで、だから前作も彼の主演で撮りたかっただろうね。ヘンリクセンは主役を降ろされたことでキャメロンに怒りを覚えることなく、その作品に脇役で出ているのだから、ふたりは仲が良いのだろうと思う。
もしシュワルツェネガーが主演しないでT-1000のキャラで行ったら大ヒットはしなかったかもしれないが、これはこれで観たかったな、と思う。しかし本作で見せるT-1000のように液状化する表現をパート1で出来たかなあという想いもある。CG技術が発達したから面白く見せられたという気持も残る。