イヴの総て

いぶのすべて|All About Eve|----

イヴの総て

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レビューの数

71

平均評点

80.1(305人)

観たひと

472

観たいひと

50

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1950
公開年月日 1951/9/16
上映時間 138分
製作会社 20世紀フォックス映画
配給 セントラル
レイティング 一般映画
カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1950年度アカデミー賞において、作品賞以下6つのオスカーを獲得した作品で、20世紀フォックスの総帥ダリル・F・ザナックが製作にあたっている。「他人の家」のジョセフ・L・マンキーウィッツが脚色及び監督を行い、彼は「三人の妻への手紙」に続いて2年連続のオスカー脚色賞、監督賞を得た。撮影は「他人の家」のミルトン・クラスナー、音楽は「廃虚の群盗」のアルフレッド・ニューマンである。以下のスタッフでは、衣裳監督のチャールズ・ル・メヤと、ベティ・デイヴィスの衣裳デザインのエディス・ヘッド、録音のW・D・フリックとロジャー・ヒーマンがオスカーを得ている。出演者は「月光の女」のベティ・デイヴィス、「廃墟の群盗」のアン・バクスター、「星は輝く」のセレステ・ホルム、「天国の怒り」のジョージ・サンダース(オスカー助演男優賞)、「頭上の敵機」のゲイリー・メリル、「星は輝く」のヒュー・マーロウらブロードウェイ出身俳優を中心に、「三人の妻への手紙」のセルマ・リッター、監督兼俳優のグレゴリイ・ラトフ、「一ダースなら安くなる」のバーバラ・ベイツ、マリリン・モンローらが共演する。ブロードウェイ劇界の内幕をついたハイ・ブラウ喜劇で、オスカー以外にも各国各種の映画賞を獲得した50年度の代表的アメリカ映画。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

アメリカ劇界最高の栄誉であるセイラ・シドンス賞が、新進女優イヴ・ハリントン(アン・バクスター)に与えられた。満場の拍手のうち、イヴの本当の姿を知る数人の人達だけは、複雑な表情で彼女の受賞を見守るのだった。8ケ月前、劇作家ロイド・リチャーズ(ヒュー・マーロウ)の妻カレン(セレステ・ホルム)は、毎夜劇場の楽屋口で大女優マーゴ・チャニング(ベティ・デイヴィス)に憧れの目を向けている田舎娘イヴを知り、マーゴに紹介した。その哀れな身上話はひどくマーゴを感動させ、イヴはマーゴのアパートに住込んで秘書の役をすることになった。目から鼻へ抜けるようなイヴの利発さに、マーゴは愛情とともに次第に警戒心を抱きはじめたが、たまたまマーゴの家でのパーティーの夜、ハリウッドの仕事から帰って来たマーゴの恋人、演出家のビル(ゲイリー・メリル)に対するイヴの厚かましい態度は、マーゴをすっかり怒らせてしまった。この夜カレンにとりいってマーゴのアンダー・スタディに推薦してもらったイヴは、マーゴの知らぬうちに批評家アディスン(ジョージ・サンダース)に真価を認められるに至った。マーゴはビルやロイドに当り散らし、その横暴さはカレンまで立腹させた。カレンはマーゴをこらしめるため自動車旅行の途中わざと車のガソリンを抜いてマーゴを欠勤させ、イヴを舞台に立たせた。処女出演は大成功で、アディスンは殊更マーゴの老齢を当てこすってイヴへの賛辞を書きたてた。この記事でカレンも態度をひるがえしかけたところ、ビルに言い寄って失敗したイヴは逆にガソリン事件を種にカレンを脅迫し、ロイドのマーゴ用脚本をせしめた上、彼を籠絡した。しかしロイドと結婚してブロードウェイを征服しようとしたイヴは、過去の偽りにみちた正体と汚ないヤリ口の証拠をすべてアディスンが握っていることを知った。かくてイヴは、1枚上手のアディスンにあやつられたまま、ほかの人々を踏台にして、栄誉の席についたのだった。受賞の夜、アパートに帰ったイヴは、フィービー(バーバラ・ベイツ)という演劇志望の少女が部屋に座りこんで、こまごまと彼女の用を足すのをみた。イヴが寝室に入った後この少女は、イヴの衣裳をつけて鏡の前に立ち、丁度8ケ月前にイヴがマーゴの衣裳でしたと同じように、自らの姿に法悦を感じていた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1951年10月下旬号

外國映画批評:イヴの總て

1951年9月下旬号

イヴの総て研究:マンキヴィッツの爛熟さ

イヴの総て研究:「イヴの總て」の脚本

1951年9月上旬特別号

外國映画紹介:イヴの総て

2024/12/12

2024/12/12

90点

その他/TSUTAYA DISCAS 
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ミス悪女

和田誠さんの「お楽しみはこれからだ5」よりの名セリフの確認のため2度目の鑑賞だがやはり完成度の高い映画でした。
大女優マーゴ・チャニング(ベティ・デイヴィス)を利用して女優の道を目指す女イヴ・ハリントン(アン・バクスター)の成り上がり。映画の冒頭は、セイラ・シドニス賞の授賞式の場面で新人賞を受賞したイヴから、過去へ飛ぶ。
成りあがるためには、誰でも利用するミス悪女。(マーゴの言葉)
劇作家のロイド・リチャーズ(ヒュー・マーロン)の妻カレン(セレステ・ホルム)に最初媚びてマーゴの秘書になる。何事にお隙のない完璧な秘書を演じる。ここまで完璧だとマーゴだけでなく嫌みを覚える。
次は演出家のビル(ゲイリー・メリル)に接近。ビルはマーゴの恋人であるが、若い女の色気で迫り役をものにする。
最後批評家のアディソン(ジョージ・サンダース)に取り入り初主演の評価を高め成功する。しかいこの男は上手の男。
イヴはハリウッドで成功して一躍大女優の道へ。映画最後、イヴの生まれ変わりのような女フィービー(バーバラ・ベイツ)の登場。アディソンの彼女へのアドバイスが最高でした。
ちょい役のミス・カスウェル役でマリリン・モンローが登場していた。
ビルとイヴの演劇論。ビルがハリウッドで監督するとの話に
イヴ:「本当にハリウッドへ?なぜ演劇最高の若手演出家が?」
ビル:「今の演劇界は薄汚い劇場群だ。ノミのサーカスだって演劇だと」
ビルの誕生パーティーをマーゴの屋敷で行った跡後の階段での議論
ビル「芸能界も90%は努力さ。汗と精進と職人芸に支えられてるんだ。名優になるにはよほどの意識がなければ。他の職業以上に努力と犠牲が必要だ。それができる人間は普通じゃない。」
イヴ「名にはなくとも喝采がありますわ。舞台裏で聞いても、愛の大波が一面に押し寄せてくるようです」

2024/03/06

2024/03/06

100点

テレビ/有料放送/スターチャンネル 


敬愛してやまないマンキーイッツ監督の代表作です。

この映画の初見は小3の時でした。好きな映画なのでかなり観てますね。最初はテレビでしたその後名画座でかかっていたので東京まで行きました。ベティデイビスの二本立てで何がジェーンに起こったか?でした。ベティデイビスのファンになってその後出てる映画を見ました。
ベティデイビスの作品ではイブの総てがいいですね。そしてジョセフLマンキーイッツ監督も好きでいろいろ見ました。今映画好きになったルーツはこの映画なんですよね。

2023/12/19

85点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
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女優であること、女であること

ネタバレ

アメリカ演劇界最高の栄誉であるセイラ・シドンス賞を、新進女優イヴ・ハリントンが受賞した場面から物語は始まる。
彼女は満場の拍手で迎えられるが、会場で彼女の素性を知る一部の者は複雑な想いでその様子を見つめていた。
物語を通してイヴの印象が180度変わっていく様が恐ろしくもあり、また感心させられもする。
毎夜劇場の楽屋口で大女優マーゴ・チャニングに憧れの目を向け続けるだけだった田舎娘のイヴ。
そんな彼女を劇作家ロイド・リチャーズの妻であるカレンはマーゴに引き合わせる。
イヴの哀れな身の上話に感動したマーゴは、彼女を付き人として雇うことにする。
最初、マーゴは言いつけを従順に守り続けるイヴに好意を抱いていたが、次第に彼女の利発すぎる態度に警戒心を抱くようになる。
やがてスターに憧れる純朴な少女だったイヴは、野心に燃える小悪魔的な本性をさらけ出していく。
この映画を観て感じたのは、スターとして脚光を浴びることと幸せになることは、正反対の位置にあるのではないかということだ。
マーゴは年は取っているものの、誰からも認められる大女優のはずだった。
それなのに彼女はイヴの若さに嫉妬し、自信を失ってしまったようにヒステリックな態度に出る。
彼女はイヴの女としての魅力に嫉妬したのだ。
それは彼女がスターとして成功するために捨ててきたものだった。
「どれだけ地位や名誉を手にしても、食事をする時や寝る時に隣に夫がいなければ女ではない。」
彼女は女優としてではなく、女として愛してもらいたかった。
その差は些細なようでいてとても大きなものなのだろう。
幸せとは特別に選ばれた人間がなれるというものではない。
むしろ本当の幸せは細やかな生活の中にあるものだ。
確かに女優としてスポットライトを浴び、拍手喝采で迎えられる瞬間は至福のひとときなのかもしれない。
しかしその幸せは持続させることが出来ない。
それでも刺激を求めて、スターになるために野心を燃やす人たちは後を絶たない。
イヴはどんな手を使ってでも役を勝ち取ろうとする野心の塊だ。
彼女はカレンを脅迫し、マーゴのために書かれた台本から役を奪い取ろうとするが、皮肉にもマーゴが結婚という平凡な日常、女優であることから女であることを選んだために、その役を自分のものにすることが出来る。
そして場面は冒頭の受賞パーティーに戻るのだが、イヴは栄光と引き換えに人としての大事なものを失くしてしまう。
おそらく彼女がこの先どれだけ成功を手にしても、幸せにはなれないだろう。
女優の世界は食うか食われるかだ。
ラストは最初のイヴのように、純朴を装ったフィービーがイヴに近づき、彼女のガウンを羽織りながらうっとりと鏡を眺める場面で映画は終わる。
マーゴ役のベティ・デイヴィス、イヴ役のアン・バクスターの存在感はさすがだったが、マリリン・モンローも端役で印象的な役割を果たしている。
特にマリリン・モンローの生涯を思うと、彼女らもまた平凡な幸せとは無縁の人生だったのだろうかと考えさせられた。

2023/01/31

90点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/購入/テレビ 


一種のサイコホラー。

語り口が上手くどんどん作品世界に引き込まれていき、どうなるのかどうなるのかと固唾を飲まずにはいられない。このイブという女性が初めの印象からどんどん変わっていき全て計算ずくな言動な事に寒気がしてくる。扮するアン・バクスターの名演が冴える。イブに主役の座を奪われるベティ・デイビスからすれば一種のサイコホラーだ。そしてラストのオチで又、おぉっとなる。女優という生き物はかなり恐ろしい。

2022/09/06

2022/09/07

78点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 
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ベティ・デイヴィスに圧倒されるー

とり立てて大きな事件が起きるというのでもなく、地味な展開で、意外と長いこの作品は、夜勤で疲れた体には、堪えました。しかし、おそらく初めてしみじみと見たベティ・デイヴィスという大女優の貫禄に、終始感心して、最後まで見通せました。

 イヴを演じたアン・バクターが窮地に落ち込まれると、それまでに見せたこともない怒りの表情を露わにするのに対して、マーゴのベティの方は、百戦錬磨からくる余裕というか落ち着きというか、心からは怒っていないと感じさせるのです。有名なセリフらしいですが、今夜は大荒れよ。シートベルトを締めてね。に象徴されるように、実に柔軟なのです。

 日本の女優に当てはめて身近に感じるとしたら、杉村春子になるのかなぁ。

 黎明期ならいざ知らず、女優になろうと思えば、アンのような野心は当然と思います。マリリン・モンローは可愛いですが、彼女の心にもこのような野心は燃えていたと思います。

2022/02/18

2022/02/18

-点

購入/DVD 
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マリリン・モンローの初期作品

ネタバレ

(※)マリリン・モンロー主演作。しかし、KINENOTEには『レディース・オブ・ザ・コーラス』の記載欄が無いので、こちらにレビュー記載。評定はつけない。
KINENOTE運営の方々も大変だとは思いますが、レビュー欄は設けていただきたいと思います。


マリリン・モンローのデビュー直後の出演作。ほぼ主演と言ってよい。
冒頭のタイトル・ロールは、マリリン・モンローが有名になってから最初に表記されるように改変されたもの。

ダンス世界の大部屋にいたダンサーが、看板ダンサー退団により、主役に抜擢されて、観客席から彼女に惚れてしまった富豪の息子との恋愛ドラマを描いたもの。

大部屋ダンサーが8人ぐらいいるが、その中に母と娘ペギー(モンロー)もいて、大勢でラインダンスなどをしていた。看板ダンサーが退団したため、モンローが舞台で歌って踊ると観客を魅了して、毎日通う観客も…。
そうした観客の一人がペギーにランの花を毎日贈るのだが、名前は書かれていない。気になるペギー。とうとう花屋でペギーは贈り主の紳士ランディと出会う。そして二人は恋に落ちるのだが、「バーレスク・クイーン(バーレスクの女王)」と呼ばれるダンサーは当時低くみられていて上流階級の紳士と結婚できるのか……というドラマ。

初々しいマリリン・モンローが見られるロマンティック映画の小品。