愛、アムール

あいあむーる|AMOUR|LOVE

愛、アムール

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レビューの数

146

平均評点

75.8(669人)

観たひと

1005

観たいひと

168

(C) 2012 Les Films du Losange - X Filme Creative Pool - Wega Film - France 3 Cinema - Ard Degeto - Bayerisher Rundfunk - Westdeutscher Rundfunk

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 フランス= ドイツ=オーストリア
製作年 2012
公開年月日 2013/3/9
上映時間 127分
製作会社 Wega Film= Les Films du Losange= X-Filme Creative Pool
配給 ロングライド
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 不明
メディアタイプ 不明
音声 ドルビーSRD

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「白いリボン」に続き、2作連続でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したミヒャエル・ハネケ監督作。病によって体が不自由になった妻を、夫が献身的に支える夫婦の静かな老境、その愛の行く末を描く。出演は「Z」のジャン=ルイ・トランティニャン、「二十四時間の情事」のエマニュエル・リヴァ、「ピアニスト」のイザベル・ユペール。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

パリ都心部の風格あるアパルトマンに暮らすジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)は、ともに音楽家の老夫婦。その日、ふたりはアンヌの愛弟子のピアニスト、アレクサンドル(アレクサンドル・タロー)の演奏会へ赴き、満ちたりた一夜を過ごす。翌日、いつものように朝食を摂っている最中、アンヌに小さな異変が起こる。突然、人形のように動きを止めた彼女の症状は、病による発作であることが判明、手術も失敗に終わり、アンヌは不自由な暮らしを余儀なくされる。医者嫌いの彼女の切なる願いを聞き入れ、ジョルジュは車椅子生活となった妻とともに暮らすことを決意。穏やかな時間が過ぎる中、誇りを失わず、アンヌはこれまで通りの暮らし方を毅然と貫き、ジョルジュもそれを支えていく。離れて暮らす一人娘のエヴァ(イザベル・ユペール)も、階下に住む管理人夫妻もそんな彼らの在り方を尊重し、敬意をもって見守っていた。だが思い通りにならない体に苦悩し、ときに「もう終わりにしたい」と漏らすアンヌ。そんなある日、ジョルジュにアルバムを持ってこさせたアンヌは、過ぎた日々を愛おしむようにページをめくり、一葉一葉の写真に見入るのだった。アンヌの病状は確実に悪化し、心身は徐々に常の状態から遠ざかっていく。母の変化に動揺を深めるエヴァであったが、ジョルジュは献身的に世話を続ける。しかし、看護師に加えて雇ったヘルパーに心ない仕打ちを受けた二人は、次第に家族からも世の中からも孤立していき、やがてジョルジュとアンヌは二人きりになってしまう。終末の翳りが忍び寄る部屋で、ジョルジュはうつろな意識のアンヌに向かって、懐かしい日々の思い出を語り出すのだった……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2013年4月上旬号

REVIEW 日本映画&外国映画 公開作20作品、60本の批評:「愛、アムール」

2013年3月下旬号

UPCOMING 新作紹介:「愛、アムール」

UPCOMING 新作紹介:「愛、アムール」

「愛、アムール」:作品評

「愛、アムール」:インタビュー ジャン=ルイ・トランティニャン×エマニュエル・リヴァ

2013年2月上旬号

読む、映画:「愛、アムール」

2024/08/15

90点

選択しない 


容赦ないハネケ監督のクオリティ

ハネケ監督の映画は残酷である。本作では善良な老夫婦に、その魔の手を入れた。
テーマとしては、誰もが通る道である死を目前にした伴侶や親の介護である。そのような経験のある方が本作を観ると身につまされること間違いないであろう。
特に老老介護となると、その負担は相当なものであるに違いない。

私も実体験があるから、その時の記憶が生々しく甦った。だからこそ、ジャン=ルイ・トランティニャン扮した主人公を娘エヴァ(イザベル・ユベール)が責めるシーンには憤りを感じた。
実際に介護をしている方を、その親族が責めることはよくあることらしい。その意味で、ハネケ監督の描写は非常に現実的であると言える。ありのままを映画にしているのである。

上述の通りに本作の主人公は善良な老夫婦である。互いに愛情を持って、人生を歩んできたことが汲み取れる。
だからこそ、死を目前にした伴侶の痛々しい姿を目の当たりにすることは辛すぎるのである。
一日一日悪くなってゆく伴侶の世話をする緊張感は言葉では言えない。その状況を親族に小まめに連絡をする余裕すらない。
緊張の糸がいつ切れても不思議ではない。

観賞後は、非常に疲れました。
ラストの悲劇が起こらないことを祈るばかりである。

2023/07/29

2023/07/29

80点

テレビ/有料放送/WOWOW 


老々介護の物語り

ネタバレ

2回目のバズだが、全く覚えていない。
最後が不思議な終わりだが、成程。
人間の尊厳は大事。

2023/03/26

2023/03/26

85点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


愛しい人が本当に望むことなら、叶えてあげるのが愛なのか。自分に負けただけか。分からない、、、

ネタバレ

究極のテーマを取り扱った作品です。愛しい人の命(生きること)に関して、私達に色々な思いを巡らせる機会をくれる作品です。静かに、徐々に、丁寧に。

夫のしたことを理解する自分がいます。でも、いざ、自分も同じ境遇になったら、同じことをするだろうか、、、するにしても、かなり躊躇はするだろうなぁ、、、それは主人公も同じだった。
もし私の妻が主人公と同じ境遇になったら(私が寝たきりの認知症になってしまったら)、同じことを望むだろうか。。。望むかも。。。でも、その時になってしまわないと分からない。そうしてもらったら、妻が殺人の罪に問われてしまうし、それはそれで申し訳無い。

まだ、考えが纏まりません。一生、纏まらないかも。

備忘メモ:
無音で黒画面(主要キャスト等のクレジットのみ表示)のオープニングから、突如大きな音。それが、警官がドアを破る音だと分かる。窓を開ける警官、光を取る為?いや、臭い、やがてベッドで横たわる老女の遺体にカメラが向く。戦慄の出だし、「アマデウス」が私の頭の中に浮かんだ。
少しのブラックアウトの後、画面はコンサート会場。ただし、観客側を写す、演奏者は写さない。幕間だろうか、主人公の老夫婦が写る。これで、この作品は、これから老夫婦の悲劇が始まることを告げる。
ジャン=ルイ・トランティニャンは、「天使が隣で眠る夜」のギャンブル中毒とはうって変わって、シリアスな役。こちらの演技は良いなぁ。
妻は「あなたに迷惑をかけたくない。私自身の為に終わりにしたい」と言い、それに対して、夫は「迷惑じゃない。逆の立場だったら、どうする?」と言う。私も、そう言うだろうなぁ。
教え子の訪問に喜ぶ。恐らく、最初のシーンのコンサートの演者だろう。あくまで、昔のままの先生であろうとする妻。後日、彼から手紙とCDが届く。手紙には、妻の病状を悲しいと書いている。「CDを消して」と夫に吐き捨てる妻。プライドが高いんだろうなぁ。
最初の父と娘の会話シーン。娘の父に対する、さりげない気遣いを感じる。教え子は、直接的過ぎたかな。。。
でも、母の病状が悪化するにつれ、娘も父も苛立ちが高まっていく。何かしたくても、何をしていいか分からない。一緒に過ごしている父の方が、早く諦めに近い状態になっている様に見える。娘との会話シーンを通して、父の精神状態が見て取れる構成になっている。
買い物代行をしてくれる夫婦は「あなたの献身に脱帽します」と最大級の賛辞を贈るが、そんな言葉は全く受け取る側には響かない。言う方は、何かしてあげたい気持ちで一杯で言ったのだが、言われる側は響かないんだなぁと感じた(観客としての私は、もはや、ジャン=ルイ・トランティニャンと同じ様な気持ちを共有している感じだった)。
その時は、ふっと訪れた。髭を剃っていると、妻の「痛い」と呻く声が聞こえる。これは、声ではない、身体が今の状態を維持出来ずモガき苦しむ動物的な奥深い場所から響いてくるもの。「大丈夫だよ」と声をかけてあげるが、気休めでしかないことは本人が一番よく分かる。子供の頃、夏休みに合宿へ送り出され、その時、辛くて母にSOSの絵日記を送ったことを語る。助けに来てくれた母。その感情が蘇ったのだろうか、妻の顔を枕で埋める夫。少しの抵抗後、息絶える妻。夫は、妻を楽にしてあげたかったのだろう。ん?いや、もしかしたら、自分をも楽にしたかったのかも。
その後の夫の行動も少し描かれる。妻が眠る部屋のドアの四隅にテープで封印する。手紙を書く。中庭から迷い入った鳩を捕まえる。そのことを手紙に書く。すると、食器を片付ける音がする。台所には、妻が。そして、元気だった頃の様に、普通に外出する。
誰もいない家に、娘が訪れる。椅子に座る姿で、END。無音のエンドタイトル。
敢えて、音を使わないで、場面を切り替える。絵画で、気持ちを替えるシーンもあった。

2021/11/17

2021/11/25

80点

レンタル 
字幕


エンドロールの後の人生。

ネタバレ

「白いリボン」を観て、端倪すべからざる映像作家と認識し、改めて、ハネケ映画を年代順に追っていた
ので、本作が残ってしまった。ハネケ作品でも最高の評価を受け、神棚に鎮座している。

テーマは老老介護で、天下の美男美女だったジャン=ルイ・トランティニャンとエマニュエル・リヴァを
キャスティングした。この意地悪さがハネケ流の冷徹さを生む。二人は自身にも切実な老いと病、そして
孤独をリアルに演じた。どんなプロフェッショナルにもリタイヤがあるのだが、二人は現役の役者魂を
見せた。直前の行動を忘れてしまうボケの演技は絶品だ。

ジョルジュとアンナは音楽家で、若いピアニストがコンサートに来てくれた礼に、二人の家に挨拶に来る。
二人が一流の音楽家としてキャリアを終えたと判る。しかし現実は幸福なエンドロールの後に、悲劇が
待ち受けていたことになる。
老い、衰え、認知症のリアリズムは、ハネケの映画作法と重なる。ハネケは冷徹な外科医のように二人
の老いの生活を腑分けする。容赦のなさは、監督スタートから不変の品質保証。
ジョルジュは少年時代の思い出話をしながら、突然、枕をアンナの顔に押しつける。痙攣するするアンナ
から力が抜ける。平和なセリフと凶暴なアクション、映画として究極のショックシーン。

ハネケのメタファーの仕掛けが、家に迷い込んだ鳩のシーンだろう。二回繰り返され、長回しのシーン
となる。最初の鳩は窓から逃がす。二度目の鳩は毛布にくるんで大事なもののようにジョルジュは抱き
しめる。かろうじて俗世間との回路があった頃から、老いと病に取り憑かれ、外部との回路を切り始めた
兆候となる。ジョルジュの老いは、空を失った鳩に象徴される。

映画という表現スタイルがある限り、出血しても外科医のメスを志向する映画作家は続くはず。ミヒャエル
・ハネケやラース・フォン・トリアーを避けて、映画を語るわけにはいかない。
確かに体調の悪いときに観ると、毒気に当たって苦い思いをする。本当に凄い映画を作る人だ。

2021/06/29

-点

選択しない 


素晴らしい

何が?

人生よ

かくも長い

長き人生

2020/04/11

2020/04/11

70点

テレビ/有料放送/シネフィルWOWOW 


公開時に観に行った記憶がなくなってたけど、実質は2回目の鑑賞。
結局のところ、介護疲れという感じ?
空気感はいいんだけど、僕としてはアリスのままでが好きかな