「スターウォーズ」や「インディジョーンズ」の彼ならば、レプリカントつまり人間が作り出したアンドロイドの4名ぐらい訳なく暗殺していたと思われます。しかし、仕留めたのは女性の2名だけで、男性の2名の方はできません。
また、監督のリドリー・スコットが演技指導より絵作りを優先させたことで対立していたらしく、不満があり、それが表情にも現れているようです。
ラストは、同情か愛か、もう一人の女性アンドロイドと逃げることになります。どうにも、痛快さとは程遠いです。
アンドロイドのリーダーと思われるのを演じたルドガー・ハウアーで、彼は冴えています。
寿命を延ばすように、生みの親である科学者に迫ります。元々は記憶や感情や意志などを持たないロボットとして生み出されたのですが、「ファーザー」「サン」といったセリフがあり、できないとわかると、なぜ作ったんだという怒りや悲しみに任せて、彼を殺します。
寿命が迫るなか、ハリソン・フォードと対決です。見捨てることもできたのに、逆に助けます。殺す理由もないし、アンドロイドとしての反射ということでしょうか。思い出が雨のように消えていく、と言って絶命します。
音楽も良く、美術スタッフによって造形された未来空間は、今でも見応えがあり、フィルムノアール調の展開も悪いとは思いませんが、どうにもピンとくるものがあまりないのです。