暴力行為(1948)

ぼうりょくこうい|Act of Violence|Act of Violence

暴力行為(1948)

レビューの数

15

平均評点

69.9(32人)

観たひと

44

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1948
公開年月日 1949/11/29
上映時間 0分
製作会社 メトロ・ゴールドウィン・メイヤー映画
配給
レイティング
カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「捜索」を発表して認められた「不思議な少年」のフレッド・ジンネマンが監督した1949年作品で、コリアー・ヤングの原作をロバート・L・リチャーズが脚色した。撮影は「恋愛放送」「嘘つきお嬢さん」のロバート・サーティース、音楽はプロニスロー・カバーが作編曲した。キャストは「大地は怒る」「カンサス騎兵隊」のヴァン・ヘフリン「猟銃街道」のロバート・ライアンの主演、新人ジャネット・リー「偉大な嘘」のメアリー・アスター「大草原」のフィリス・サクスター「鉄のカーテン」のベリー・クローガー「百万人の音楽」のコニー・ギルクリスト等の助演である。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

新聞でフランク・R・エンリイの記事を読むと、ジョー・パークスンはピストルをポケットに、ニューヨークからカリフォルニアのサンタ・リザへ急行した。そのエンリーは妻エディスとの間に子供もあり、模範市民として尊敬されている男だ。エンリーの家を訪ねたジョーは、魚釣りに行ったと聞くと、すぐ後を迫ったが、湖上で行き違った。帰宅したエンリーは足の不自由な男が尋ねて来たと聞くと恐怖にふるえた。妻に問いつめられて、その男ジョーが軍隊時代の部下だったと答えたほか、何事も語らなかった。夫が殺されるのだと直覚したエディスは、警察を呼びかけたが、夫に止められた。その晩家のまわりに妙な足音がきこえたが、夜半すぎ、ようやく立ち去った。夜明け頃エンリーはロス・アンゼルスへ商用で行くと置手紙して出て行った。朝になるとジョーが再び来てエディスに家中を案内させ、エンリーを探した。また来たら警察を呼ぶ、とエディスがいうとジョーは、奴の裏切は警察に誉められたのか、と捨てぜりふを残して去った。エディスは隣のマーサに留守を頼んで、夫の許へ急いだ。そして夫の告白を聞いた。B17の機長だったエンリーはジョーと共に撃墜され捕虜と成った。ナチの虐待にたえかねた部下達は脱出を計画した。成功しまいとみたエンリーは密告すると、ナチはエンリーとジョー以外の捕虜を虐殺してしまった。ジョーに戦友10人の敵としてニンリーを射っているのである。ジョーの愛人アンは心配してニューヨークから来たが、ジョーは張りきってロス・アンゼルスへ向かった。エディスはサンタ・リザへ帰って夫のためにジョーを殺そうとピストルを持って待っていると、意外にもアンが訪れ、ジョーはロス・アンゼルスへ行ったと聞かされた。一方エンリーは酒に苦悩を忘れようとしていたが、ジョーが現われたので機先を制して一撃し、夜の町へ逃げだした。通りの酒場にとび込んだ彼は酒と恐怖になかは理性を失い、夜の女パットの仲介で、殺人業者に1万ドルでジョー殺害を依頼した。翌朝理性を取りもどした彼は殺人依頼を取り消そうとしたが、相手は1万ドルを得たさに承知しない。夜の9時ジョーを停車場へ呼び出して射殺する手はずである。それを承知でジョーはアンを振り切って停車場へ出掛ける。8時30分、決心したエンリーは万事落着したと妻に偽り、停車場へ向かった。万策尽きたアンは停車場へ迫って来ると、警官に頼ったが、ジョーとエンリーは操車場で向かい合い、次第に距離を詰めつつあった。列車がごう然とさしかかった時、待ち伏せた殺人屋はジョーを射とうとした。その刹那エンリーは殺人屋に組みつき、相うちとなって共に倒れた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2022/05/23

2022/05/23

80点

購入/DVD 
字幕


復讐の彼方に待ち受けていたものとは⁈

名匠フレッド・ジンネマン監督の初期の傑作!モノクロだけに冒頭の緊張感が観る者を否が応でも物語に引きずり込む。第二次世界大戦直後ということもあり、物語自体も当時としては時代を反映したものに。視点を一方的に据えるのではなく、登場人物それぞれから描いているあたりも良い。ラストの盛り上がりも良し。音楽監督が世界的な指揮者アンドレ・プレビンなのは驚きだが、監督同様ユダヤ系ドイツ人なのは偶然か⁈

2022/03/02

2022/03/03

76点

選択しない 
字幕


ラストまで見事

ジンネマン初期の作品ながら,途切れない緊迫感が素晴らしい。良心の呵責に悩むロバート・ライアンの演技とラストが見事。

2022/01/06

2022/01/06

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 
字幕

『暴力行為』(1948年、MGM)。跛のジョー(ロバート・ライアン)が拳銃片手にフランク(ヴァン・ヘフリン)を訪ね歩く。何故なのかは中盤以降に分かってくる。良かれと思っていたことが裏目に出る。やはりラストがああなってしまうのは仕方ないか。グレイハウンド・バス。迫りくる列車の迫力。

2021/04/01

2021/04/01

78点

購入 
字幕


ラストの撮影が見事

2021年4月1日に鑑賞。DVDにて。1時間22分04秒。スタンダード・黒白。MGM映画。一部、ドイツ語。

カリフォルニアのサンタリサで建築業で成功しているフランク・R・エンリー(ヴァン・ヘフリン)には妻イーディス(ジャネット・リー)と2歳の息子がいる。NYの復員軍人ジョーゼフ・パークスマン(ロバート・ライアン)かつての爆撃機の隊長フランク大尉を捜しサンタリサへ。ジョーゼフは戦争で右足を引きずって歩く。その靴音「カン、ズー、カン、ズー」がサスペンスを醸成している。フランクの過去が明らかになって行く。

名手ブル-ス・サーティーズのラストの駅の撮影が素晴らしい。この奥行を使った俯瞰の広がり。一直線上に対峙したフランクとジョーは、「真昼の決闘」である。そこに画面右奥からきた殺し屋ジョニーが乗る車が来る。ジョニーは車内からジョーを狙う。それに気づいたフランクがジョーをかばって撃たれる。逃げるジョニーの車のハンドルに取りついたフランク。車が電柱に激突し炎上しジョニーは死ぬ。車から転がったフランクも息を引き取る。

2020/03/23

2020/03/24

80点

映画館/大阪府/シネヌーヴォ 


ジンネマンのフィルムノワール。

ネタバレ

<フィルム・ノワールの世界 vol.5>の上映作品。

追ってくる男、ロバート・ライアンは最初から拳銃を持っていて殺意に満ちている。追われる男、ヴァン・へフリンは地元の成功者で最初は呑気に釣りを楽しんでいるので、もしや人違いなのではとも思って見ていたが、足を引きづる男が会いに来たと聞いて表情が変わる辺りで過去に何かあったことが分かる。最初は妻、ジャネット・リーにも言えなかった追われる理由は戦中、捕虜としてナチスに囚われている時、仲間の脱走を止めるために収容所所長に交渉したことを裏切り行為として恨まれているというもの。出張先にも追ってくる男から逃げても、警察に知らせることもできない追われる男は、酒に逃げるが、酒場で出会った女に連れられて出会った悪徳弁護士に金で始末をつけることができると言われて…

酔いが醒めて我に帰った主人公(追われる男)が、追う男と彼を始末しようとする男のいる駅へと向かうシーンが嫌が応にも盛り上がる。西部劇でもなく、主人公自身の決闘に向かうわけでもないのだが、駅に向かう主人公に「真昼の決闘」のクライマックスを連想したが、気づけばどちらもフレッド・ジンネマン作品。かの西部劇の名作の原典の一本かもしれない。

2019/12/30

2019/12/31

83点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


戦争犯罪の象徴

かつての上官ヴァン・へフリンに復讐するため、足を引き摺りながら上官宅を訪問するロバート・ライアン。上官の妻は、夫から自分は密告者だと告白されるが、それでも夫を護ろうとする。ヴァン・へフリンは戦争という国家犯罪の象徴でありライアンはそれを裁く正義の象徴だろうか。