フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

ざふろりだぷろじぇくとまなつのまほう|THE FLORIDA PROJECT|THE FLORIDA PROJECT

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

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レビューの数

123

平均評点

75.1(643人)

観たひと

925

観たいひと

129

(C)2017 Florida Project 2016, LLC.

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ヒューマン / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 2017
公開年月日 2018/5/12
上映時間 112分
製作会社
配給 クロックワークス
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声 5.1ch

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

第90回アカデミー賞助演男優賞ノミネートほか多数の映画賞を席巻したドラマ。フロリダのディズニー・ワールドの外側にある安モーテルで、母ヘイリーと暮らす6歳のムーニーは夢のような日々を送っていた。だが、ある出来事によって現実が影を落とし始める。監督・共同脚本は、「タンジェリン」のショーン・ベイカー。出演は、本作で放送映画批評家協会賞最優秀若手俳優賞などを受賞した子役のブルックリン・キンバリー・プリンス、「オリエント急行殺人事件」のウィレム・デフォー。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

6歳のムーニー(ブルックリン・キンバリー・プリンス)は、フロリダのディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテル“マジック・キャッスル”でママのヘイリー(ブリア・ヴィネイト)と暮らしている。ある日、隣のモーテルに同年代の女の子ジャンシー(ヴァレリア・コット)が越してきたと聞くと、仲良しの男の子スクーティ(クリストファー・リヴェラ)たちとモーテルに向かい、彼女のおばあちゃんの車にいたずらをして大目玉をくらう。ムーニーたちはジャンシーを仲間に加え、安モーテルや土産物店が立ち並ぶハイウェイ脇のエリアを探索。マジック・キャッスルに戻ると入室禁止の部屋に忍び込み、モーテル中の電気をストップさせる。モーテルの管理人ボビー(ウィレム・デフォー)はムーニーたちを叱るが、子どもたちは悪びれる様子もない。ムーニーは失業したヘイリーを助けるため、ダイナーで働くスクーティの母アシュリーからワッフルをもらったり、教会のフードドライブで食料をもらったりしていた。次の仕事が見つからないヘイリーは、リゾートホテルの前でニセの香水を売り始める。ある日、ムーニー、スクーティ、ジャンシーは古い空き家だらけのエリアへ冒険に出かける。荒れた家で暖炉を見つけたムーニーは、ライターを持っていたスクーティに火を点けてほしいと頼む。3人は親には内緒の約束をして別れる。モーテルに戻ると、ヘイリーが火事に大はしゃぎしていた。スクーティの様子がおかしいことに気づいたアシュリーは真相を知り、ムーニーと遊ぶことを禁ずる。スクーティ親子の態度が変わったことに気づいたヘイリーはアシュリーを問い詰めるが、理由は分からない。モーテルに居住は許されないというルールのため、ヘイリーとムーニーは月1回、向かいのモーテルに滞在する。しかし10ドルの値上げを言い渡されトラブルに。行き場がなくなった二人を受け入れてくれたのは、ジャンシーのおばあちゃんだった。香水売りも取り締まられたヘイリーはある決意をする。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2018年8月上旬特別号

読者の映画評:「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」川久保圭子/「万引き家族」井口祐介/「心と体と」

2018年6月上旬特別号

REVIEW 日本映画&外国映画:「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」

2018年5月下旬号

「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」:インタビュー ショーン・ベイカー[監督]

UPCOMING 新作紹介:「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」

2024/08/01

2024/08/01

30点

テレビ/有料放送/ザ・シネマ 
字幕


理解出来ない世界

我が国に於いても産まれた子どもはとても大切だ❗しかしまともに育てることの出来ないシングルマザーを放置する訳には行かない。早めの厳しい対応をせざる得ない。国の宝を守る為に‼️

2024/01/04

2024/01/05

70点

映画館/東京都/キネカ大森 


希望格差社会

ディズニーワールド近くのモーテルで暮らす母娘。
貧困シングルマザー。けど、ありがちな虐待とかは無い。

親も子も、毎日楽しく気楽に生きている。
モーテルで暮らす他の家庭も似たり寄ったり。
貧困から抜け出す術を知らない。

偽物の香水を売ったり、売春の客のものをくすねたり、そうこうするうちに、児童養護施設の職員がやってきて、母娘を引き離そうとする。
泣き叫ぶ母娘。

日本にもある話で、貧困は親から子へと連鎖し、抜け出す術がない。子にしてみると、未だ貧困であるという認識すらない。

「希望格差社会」という言葉を聞いたのはもう20年以上前だ。
その本を読んで、問題の底深さを痛感したのだが、
そっから格差は開く一方である。

子供が本当に無邪気なのが、哀しく見える。

2023/05/23

2023/05/23

60点

テレビ 
字幕


子どもたちの視線に住み着く人々

ピンクともパープルとも言えない外壁で,3階建の建物に人々は住まいしている.隣の建物にも人々が住んでおり,その2階通路から駐車場に駐車してある車のフロントガラスに向かって唾を吐きかけている.車からの視線に応じ,大掛かりで目立つ意匠を店構えが並ぶ.ここはフロリダで,子どもたちは夏休みを持て余し,その保護者たちも子どもたちに手を焼いているようで,あまり保護も養育も躾もしていない.モーテルを管理するビリー(ウィレム・デフォー)も外壁の塗装から,モーテルの会計,共用部から敷地内の警備までさまざまに建物の世話を焼かなければならない.子どもたちははしゃぎ,騒ぎ,アイスクリームを食べている.ここは観光地で,この界隈にまともな食事は感じられず,人々の相互の貸し借りの関係の中で,飲食業にたずさわる者たちから回されているようにも感じる.ファストフードのほか,土産物やファンシーグッズが売られれている店が並ぶ.ヘリが飛び,車が乗りつけられ,人々は踊っている.
子どもたちは空き家を放火する.そこはフロリダらしく雨が降り出す.地平線近くに夕日が沈み,ビリーがとりあえずタバコを吸い出すと,モーテルの照明が薄暗さに反応し,自動で点灯する.火事が起こると,野次馬として人々は集まり,その火事を評し,感慨に浸っているようでもある.
母らしきヘイリー(ブリア・ヴィネイト)と子らしきムーニー(ブルックリン・キンバリー・プリンス)はそこに住み着いている.生計も関係も不安定であり,助け合いや友だちもいつまでも続くわけではない.ワールドへ入場するためのマジックバンドは盗まれ,売られ,その金が母子のその日暮らしを成り立たせている.キャメラは,そうした生活の断片を捉え,諍いを捉え,彼女らのジャンプやダンスの運動を追いかけようとしている.騒がしい音楽のほかにも,物が割られ,投げつけられ,ヘリがプロペラを鳴らし,車に轢かれ,人が人を殴る音などが聞こえてくる.人々の声もそうした衝突,破壊,落下などと地続きにあるように感じられる.子どもたちは,こうした事件の視線で人々の間に立ち入りながら見つめているように思える.

2023/03/23

2023/03/23

65点

テレビ/無料放送/その他 
字幕


子供が主演でこれほどイタい作品も珍しい。
安モーテルでその日暮らしを続ける下層階級の人々。すぐ近くには夢の国のディズニーワールドという何とも皮肉で厳しい現実。
心根はピュアでも普通の大人としての生活が出来ない母親に育てられている娘は、こちらは大人顔負けのしぶとさと図太さをいつのまにか身につけている。しかし、それは本当は弱くて寂しい純粋な心を隠す張り子の鎧でしかない。
貧富の差の激しい現実は純粋さだけでは許してくれない辛辣さと冷酷さを突き付けて来る。

2023/03/13

2023/03/13

-点

テレビ/無料放送/その他 
字幕


友達いるし元気やし

叱ってくれる大人も居てるし
守ってくれる大人も居てるし
お仕事してる大人も居てはる

2023/03/11

2023/03/11

69点

VOD/Hulu 
字幕

ポップで明るい色味、向かい合う楽しそうな母娘、真夏の魔法、というサブタイトルから、一見明るくてハートフルに思えるこの作品、ポスター詐欺と言われてるのを見て思わず唸ってしまいました笑
毒親映画だとわかってて鑑賞しましたが、それでもこのポスター詐欺に若干騙される程度には、もうちょい希望のある映画なのかと思ってましたが、まあ雰囲気は終始明るいと言えば明るいのですけど、それがまたイビツどいえます。
子供には愛情たっぷりではあるけど、子供の前で平気で売春し、詐欺を働き、子供にも片棒を担がせる。
働けない訳でもないのに、のらりくらりとその日暮らし、お金が無くなれば周りに金の無心をしたり当たり散らしたり。
綺麗な色味と軽いタッチで描かれてるせいで勘違いしそうになりますが、この親子も1歩間違えたら長澤まさみのマザーになりかねない感じの生活。

安モーテルは1泊38ドル、どう考えても1日3800円じゃ1ヶ月住んだら10万以上かかるわけで。
総括すると「働け!!」って一言に尽きるし働いて家借りた方が安いはずなのに、まともに働かない毒親。
それを見守るウィレム・デフォー演じるモーテルの管理人と、6歳のムーニーを通してモーテルに住む人達と主人公親子の問題を浮き彫りにしていきます。
粗雑なようで子供に優しく、ちゃんと目配り出来る管理人に対して、母親はとにかくその日暮らしの行き当たりばったり。
これじゃ子供が可哀想…ってなりますが、このムーニーがまた、決して可哀想とは言えない感じの、この親にしてこの子あり、なところがリアルです。
親に愛されていないわけではないので、自己肯定感が低いわけでも萎縮してるわけでもなく、なんなら母親の気質と生き方をそのまま受け継いで母親そっくりな奔放さ。
他人の車に唾を吐いてみたり、イタズラとはいえないレベルの放火をしてそれを隠し通したり、決して可愛い子供には描かれていません。
なので、どこに焦点をあててみるべきかというとなかなか難しいというか、親にも子にも共感できないし、ある種の社会問題として俯瞰で見るしかないともいえます。

子供に愛情がある、といいましたが、愛情もどき、であって愛情ではないので、履き違えると難しいなと思います。
子供は虐待されても親を愛すものですが、このムーニーに関しては虐待されてる自覚もないわけですから、ただただ好きな母親、でしかない。
親になる責任の重さ、自分の生き方ひとつで人1人の人生を壊してしまう事の重大さが身に染みます。
ただ、最後のシーンのディズニーに走ってなぜ入場料も払ってないのに突破できちゃったのかというのは謎だし、なぜシンデレラ城に向かってというか、ディズニーをひとつのシンボルとして出してくる必要があったのか、ということはよくわかりませんでした。
ディズニーはまともにお金のある幸せな家族が遊ぶイメージとして、近くにある安モーテルで描く事で社会の格差的なものを象徴したかった、ということなのでしょうか。
タイトルもオシャレですが、内容とちぐはぐで、何が真夏の魔法なのかよくわからないところではあります。

それにしても、ラストの展開からして改めてポスターを見ると、ほんとにポスター詐欺ですよね。