家へ帰ろう

うちへかえろう|EL ÚLTIMO TRAJE|THE LAST SUIT

家へ帰ろう

レビューの数

80

平均評点

77.3(418人)

観たひと

578

観たいひと

87

(C) 2016 HERNÁNDEZ y FERNÁNDEZ Producciones cinematograficas S.L., TORNASOL FILMS, S.A RESCATE PRODUCCIONES A.I.E., ZAMPA AUDIOVISUAL, S.L., HADDOCK FILMS, PATAGONIK FILM GROUP S.A.

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ヒューマン / ドラマ
製作国 スペイン=アルゼンチン
製作年 2017
公開年月日 2018/12/22
上映時間 93分
製作会社
配給 彩プロ
レイティング
カラー カラー/スコープ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声 5.1ch

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

世界の映画祭で観客賞8冠に輝いたロードムービー。ブエノスアイレスに住む88歳の仕立屋アブラハムは、70年以上会っていない親友に最後に仕立てたスーツを届けるため、ポーランドに旅立つ。その親友は、ホロコーストから逃れた彼を匿った命の恩人だった。出演は、「タンゴ」のミゲル・アンヘル・ソラ、「シチリア!シチリア!」のアンヘラ・モリーナ。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ブエノスアイレスに住む88歳の仕立屋アブラハム(ミゲル・アンヘル・ソラ)は、70年以上会っていない親友に最後に仕立てたスーツを届けるため、マドリッド、パリを経由してポーランドに旅立つ。その親友は、ユダヤ人であるアブラハムがホロコーストから逃れたとき、彼を匿ってくれた命の恩人だった。旅の途中、様々な困難に直面するも、出会う女性たちがアブラハムに手を差し伸べる。頑なだった彼の心も、やがて開いていき……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2019年1月上旬特別号

REVIEW 日本映画&外国映画:「家(うち)へ帰ろう」

2018年12月下旬号

UPCOMING 新作紹介:「家(うち)へ帰ろう」

2023/05/05

2023/06/02

80点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


家族という幻想

ナチスに家族を奪われた仕立屋アブラハムは幼なじみに再会するために、アルゼンチンからポーランドに向かう。自分が生まれ育ち、音楽と踊りと物語に満ちていたかつての家族、打算と欲望に満ちた自分の家族(一人末娘だけは違っていた・・・シェークスピア、リア王の末娘をなぞっているのだとか)、旅の途中数々の親切な人びとによって助けられながら、70年ぶりに再開した親友は、家へ帰ろうとアブラハムをやさしく導き入れる。
アブラハムの頑固一徹が、旅の途中で出合う人たちのやさしさに次第に心が開かれていく様子。頑なな心がかつてのホロコーストにあるのは想像に難くない。
アルゼンチンの名優ミゲル・アンヘル・ソラの名演と脇役人の好演によりとても心温まる物語となった。

2022/05/26

2022/10/26

70点

選択しない 


ホロコーストの死の行進から逃れた自分を救ってくれた命の恩人に約束のスーツを届けるためにアルゼンチンからポーランドまでの旅に出た88歳のユダヤ人仕立て師を描いたロードムービー。

パリ東駅で列車で憎きドイツの地を踏まないでワルシャワに行く方法をごねるシーンで助けてくれた大学の講師の女性が現代のドイツ人は皆ユダヤ人に対する責務はみんな持ってると言う覚悟には驚いた。
こう言う覚悟は日本人には皆無だな。

そしてラストはすっかり予想がついたけど、やっぱり泣かせれます。

2022/04/16

2022/04/16

80点

テレビ/有料放送/スターチャンネル 


友との再会

第二次大戦で生き延びたユダヤ人が、そのとき助けてくれた友人に会いに行く物語。と言ってもそれから70年も経っており、生きているかどうかも分からない。ともかく昔住んでた家を訪ねるしかない。
最初は孫達に囲まれて老人ホームへ行くと言ってたので、老人ホームでの話しかと思いきや、アルゼンチンからポーランドまでの大旅行の話だった。
途中で若者を助けたり、金を盗まれたホテルの優しい女主人、パリでのユダヤ語?を話す女性、ワルシャワでのやさしい看護師など色々な人に助けられて、やっと元の家にたどり着く。偏屈じいさんも少しずつ心が緩んでいく。
戦闘とかゲットーの様子は出てこなくて、昔の話はじいさんの語る言葉で十分悲しみが伝わってくる。
じいさん役のミゲル・アンヘル・ソラの偏屈じいさんぶりがなかなか良い。語りでユダヤ人の心の傷がどんなに深いものか理解できる。

2021/10/08

2021/10/09

79点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/購入/テレビ 


出会う人がいい人ばかりでよかった

かなり偏屈で頑固なおじいちゃん(まぁ、それにはちゃんとそれまでの歴史があるわけだが)が、戦時中にユダヤ人として受けた迫害から逃れ、助けてくれた幼馴染に70年以上経って会いに行くというロードムービー的な映画。あまりに偏屈すぎて少し馴染めない感じもあるのだが、なにせこの映画に出てくる脇を固めるキャラクター達が本当にいい人たちばかり。ひとつの人生の節目となる旅路においてこんな出会いがあるなんてもうそれだけでも幸せなこと。最後、幼馴染に会えた時の瞬間!これはもう映画ならではの感動。しかも静かな、とても優しい感動を引き起こしてくれる。スーツ渡せて本当によかった。

2021/10/01

2021/10/01

86点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/タブレット 
字幕


こういうふうにスーツを着こなしたい

ブエノスアイレスに住む88歳の仕立屋アブラハムは、70年以上会っていない親友に最後に仕立てたスーツを届けるため、ポーランドに旅立つ。その親友は、ホロコーストから逃れた彼を匿った命の恩人だった。
人生の最後の仕事として旅に出ることを決意した老人
哀愁漂う中にも可愛さがある
スーツがオシャレでカッコイイ
他の人も派手ではないがスマートな着こなしが多い
基本的には哀愁の雰囲気なのに小道具や背景がオシャレで少し軽い雰囲気がある。
トラブル続きだけど、老人のガッツと周囲の人に助けられながら旅が進んでいく。
そして、じょじょに老人の過去と旅の目的も明らかになっていく構成が良い
この老人、ひねくれものでややこしいけど、正直だから好感がもてる

2021/09/13

70点

選択しない 


遠い故郷への旅

 終戦時、アブラハムはナチスの収容所から移動させられる途中、命からがら逃げのびて親友に助けられる。戦後ブエノスアイレスに移り住み仕立て屋となった彼は、自分が仕立てたスーツをその親友に届けるため祖国のポーランドへと旅に出る。

 マドリードまでは飛行機、その先は列車でパリを経由し、ドイツを通って家を目指す。旅の途中で、宿の女主人、勘当した娘、駅で出会ったドイツ人の女性らに助けられながら長旅を続けるが、車中で倒れてしまう。一命をとりとめ、入院した病院の看護師の車で故郷の自宅まで連れて行ってもらう。
 
 戦前戦中、戦後を通じて苦難の道を歩んだアブラハムは意固地になっている心を、旅を通じて出会う女性たちによって癒される。同時に彼女たちに心を許し、頑なだった自分の人生をも受け入れるようになる。

 戦後何十年経とうと忘れられず、恨み苦しむ気持ちは理解できるような気がするが、なかなかそれを切実に感ずるまではいかない。自分には、戦後生まれのドイツ人女性のように、お節介気味にでも手を差し伸べることができるだろうか。演じるユリア・ベアホルトという俳優が心を閉ざすアブラハムに優しく接しているのをみると、自分は中国や韓国のアブラハムに私心なく平常心で接することができるだろうか。