映画としては平凡な出来だけど、ジャズファンなら観てもいい一本
正直なところ、ビリー・ホリデイの歌はあまりいいと思ったことがなくて、どうしてこんなにカリスマ的な人気があるのかよく分からないのだ。この映画のテーマ曲とも言える「奇妙な果実」にしても、日本人にはあまり歌詞の深刻さは伝わってこないしね。だから、この映画を観てはじめて知ったようなことも多くて、その意味ではジャズファンなら観た方がいい映画だと思えるのだけど、肝心の映画の出来としては平凡なものだから、そこは残念。レスター・ヤングとビリー・ホリデイの腐れ縁?的な関係性がどうしてそうなったのかも全然分からないのは勿体ない。あと、マル・ウォルドロンはどうして出てこないんだろう?と思ってしまった。最後の最後まで後味は良くないお話しだし、全体的に脚本がもう少しよかったら...と思わずにいられない。