ツユクサ

つゆくさ|----|----

ツユクサ

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レビューの数

46

平均評点

70.5(213人)

観たひと

289

観たいひと

23

(C)2022「ツユクサ」製作委員会

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ヒューマン / ドラマ
製作国 日本
製作年 2022
公開年月日 2022/4/29
上映時間 95分
製作会社 朝日新聞社=東映ビデオ=東京テアトル=メ~テレ=グランマーブル=FM802/FM COCOLO=ねこじゃらし(製作幹事:朝日新聞社=東映ビデオ/制作プロダクション:東映東京撮影所)
配給 東京テアトル
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督平山秀幸 
脚本安倍照雄 
エグゼグティブプロデューサー飯田雅裕 
加藤和夫 
プロダクション統括木次谷良助 
製作五老剛 
與田尚志 
太田和宏 
松岡雄浩 
山本正典 
栗花落光 
川村岬 
プロデューサー神保友香 
菅谷英智 
撮影石井浩一 
美術中澤克己 
装飾大庭信正 
音楽安川午朗 
音楽プロデューサー津島玄一 
主題歌中山千夏
(「あなたの心に」(ビクターエンタテインメント))
録音中里崇 
音響効果伊藤瑞樹 
照明三重野聖一郎 
編集洲崎千恵子 
小西智香 
衣裳宮部幸 
ヘアメイク望月志穂美 
キャスティングプロデューサー福岡康裕 
アソシエイトプロデューサー沢村敏 
制作担当守田健二 
プロダクションマネージャー杉崎隆行 
助監督高橋浩 
スクリプター江口由紀子 
宣伝プロデューサー三上剛 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「ふしぎな岬の物語」の脚本家・安倍照雄によるオリジナルストーリーを「閉鎖病棟 それぞれの朝」の平山秀幸監督が、小林聡美主演で映画化。過去を抱えながらも“今”を生きる主人公・芙美に、これから訪れるであろう幸福や希望を爽やかに映し出す大人のおとぎ話。共演は「閉鎖病棟 それぞれの朝」の平岩紙、「罪の声」の松重豊。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

50歳目前の五十嵐芙美(小林聡美)は、小さな田舎町でひとり暮らし。気の合う職場の友人たちとほっこりした時間を過ごしたり、年の離れた親友の少年と一緒に遊びに出かけたり、ある日、隕石に遭遇するというあり得ない出来事を経験したり……。そんなふうに日々の生活を健やかに楽しく過ごす芙美だったが、彼女はある過去を抱えていた。芙美がひとりで暮らしていることには理由があり、その理由には“ある哀しみ”があった。そんなある日、草笛をきっかけに出会った篠田吾郎(松重豊)と恋の予感が訪れ……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2022年5月上・下旬号

「ツユクサ」:作品評

「ツユクサ」:インタビュー 平山秀幸[監督]

REVIEW 日本映画&外国映画:「ツユクサ」

UPCOMING 新作紹介:「ツユクサ」

2022/05/04

2024/04/18

60点

映画館/群馬県/イオンシネマ高崎 


隕石はともかく

何がきっかけになるかわからない。
人の出会いも何がきっかけになるかわからない。

ツユクサは何処にでもある草だそうだけれど
それと同じく人もどこにでもいて
その一人一人にちょっとした奇跡が日々起きていて
それが幸せにつながっているのかもしれない。

当たり前な事でも
その人にとっては大きな出来事で
そのことで一喜一憂して
その先に幸せを求める。

その繰り返しなんだよねって事を映画から感じます。

2024/03/31

2024/03/31

80点

VOD/NETFLIX/レンタル/テレビ 

ロケーションがいい。
伊豆の晴れた空と青い海。終始画面が爽やか。アルコール依存症で断酒会に通うふみちゃん、夫の墓参りで知り合った坊主と付き合っている妙子、母の再婚相手が嫌いな航平、妻が自死した篠田さん。色んな人達がそれぞれに悩みを抱えながら伊豆の海のそばで暮らしている。穏やかなやり取りの中に、鋭い痛みが隠れている。「ちひろさん」にも似た雰囲気。
依存症のふみちゃんが、飲酒した後の描き方はちょっと気になってしまった。1杯飲んだら連続飲酒が始まって入院するまで辞められないイメージだったから。普通に仕事して日常生活に戻ってるふみちゃんは、そもそも依存症じゃなかったのかなとか。まあフィクションだから、それでいいのかもしれないけど。むしろ、敢えてそういう結末にしたのかもしれないし。

2024/03/05

2024/03/06

72点

VOD/NETFLIX/レンタル/テレビ 


それぞれの人生の中で、抱えている哀しみもそれぞれにあって、それを癒してくれるものもそれぞれにある

ネタバレ

ツユクサ
 小林聡美主演で、運転する自動車に隕石が直撃するという冒頭から、「かもめ食堂」のような脱力系のコメディ作品かと思っていた。しかし、確かに「癒し系」の作品ではあるけれども、さすが「愛を乞う人」の監督平山秀幸の手にかかると、雰囲気に流されない味わい深いものになっている。例えば、きちんと片付いた部屋の描写でヒロインの性格や普段の生活ぶりが見え、わずかな工場での描写でも真面目な勤務の様子が見えるなど、さすがの技を感じさせられる。しかも、本作は映画オリジナルシナリオで、かつ中年女性がヒロインという地味さもあって、映画化が実現されるまでに10年もの年月を要したそうで、その結果、細かなところまでシナリオが練られている。
 地方の漁村に暮らす独身の中年女性芙美(小林聡美)は、仕事先での仲のよい同僚に恵まれ、穏やかな日々を過ごしている。しかしその一方で、過去、息子を事故で失い、酒におぼれた経験を持ち、現在、断酒会に入っている。同僚の妙子(江口のりこ)、直子(平岩紙)そしてその息子との関係性が非常に暖かで、見ているだけでほっこりさせられる(特に、妙子と住職(実はサーファー)の恋愛エピソードが笑える)。ただし、彼女たちも夫を亡くしたもの、再婚で息子が義父になつかないなど、それぞれに事情を抱えている。そこに、芙美がひょんなことから、ガードマンをする吾郎(松重豊、「孤独のグルメ」同じ役名だ!)と知り合う。ここからの大人の抑制をかけざるをえない、ぎこちない恋愛がいい。特に、芙美が自分への予防線も兼ねて、自分には夫子供がいると吾郎に嘘をつくのがなんとなくわかる。芙美を演じる小林聡美の持つ不思議な永遠の少女性がこの役にはまっている。そんな中、実は、吾郎も実は歯科医であったが、鬱病で妻が自殺してこの漁村に流れてきたことがわかる。
 それぞれの人生の中で、抱えている哀しみもそれぞれにあって、それを癒してくれるものもそれぞれにあるということ。ラスト、あきらめかけた芙美の元に、吾郎が会いに来る場面で、芙美が海を超えてジャンプする映画的けれんを「ありえない」なんて批判することはしたくない。映画だって、人を癒すことのできる力を持っているのだ。

2023/02/26

2024/01/07

60点

テレビ/有料放送/WOWOW 


大人の恋愛

小林聡美と松重豊による大人の恋愛話。年齢を重ねた独身女性(小林)がそんなに簡単に恋が成就するか?、と思ったが、結末がいい。久しぶりの平山秀幸監督。

2023/11/30

2023/12/01

70点

VOD/NETFLIX 


欠け落ちたものを補うもの

美しい映画だった。
西伊豆の風景をうまく描写するべき、被写体とその向こうに広がる美しい風景が見事にカメラに納められていた。印象的なシーンがたくさんある映画と言える。
夜の海に刺す月の光を中心に、左右で人物が会話したり、公園の踊り場から階段に下にいる人物の向こうに美しい海を見せたり、空と海の表現が秀逸。ロングで撮るシーンが特に素晴らしく、背景の山や海や空という自然の風景がこの映画の主人公。

交錯する人物はどこか何かが欠けている。アル中から抜け出そうとする女性(小林聡美さん)。夫に死なれたあと、寺の坊主(桃月庵白酒)と付き合う女性(江口のりこさん)。そして再婚して息子(この映画の語り部)と噛み合わない夫(渋川清彦さん)を抱える妻(平岩紙さん)という、優れた俳優を集めて自然体の演技を見せている。そして彼女たちが勤める工場の長(ベンガルさん)もまた、妻に逃げられた中年男性。

冒頭で隕石が落ちる、というシーンがあって、その幸運に恵まれていいことがある、と信じる気持ちが人物の欠け落ちた内面を補おうとするがうまくいかない。小林聡美さん演じる主人公は息子を電車事故で失った苦い経験があり、電車の音が聞こえない場所に住むためにこの片田舎に住んでいるが、そこにツユクサで草笛を吹く男(松重豊さん)が現れ、二人の恋愛ドラマへと発展してゆく。

主人公の女性が、この映画の語り部である勤め先の同僚の息子を自分の子供のように親しくし、その家族が転勤するとき、駅で息子を抱きしめるシーンは泣ける。平山秀幸監督の代表作とも言うべき「愛を乞うひと」で母親の髪をなでるシーンが思い出される。

ペンダントにしていた隕石を投げ捨てて、海を飛び越えて好きになった人のもとへ飛んでゆくラストもまた意外性があって素晴らしい。

このドラマに出てくる人物の欠け落ちたものを補うのは、柔らかい人間関係なのではないかと感じる。都市部ではもうすっかり失われたものだろう。

2023/10/04

2023/10/04

70点

その他/TSUTAYA DISCAS 


草笛吹子

西伊豆を舞台の訳あり女3人の日常の出来事。
主人公芙美(小林聡美)、同じアパートの上に住む直子(平岩紙)、そして妙子(江口のりこ)。同じ職場タツネで働いている。それぞれ過去を持つ女のようである。芙美は、息子を事故で亡くした心の傷。直子は再婚のようであるが、息子航平が父親(渋川清彦)に懐かない。妙子は、夫を亡くし今は菩提寺の坊主とできている。そんな日常を描くドラマであるが、重点は題名の意味する「ツユクサ」で草笛を吹く、東京で歯科医をしていたが、伊豆へ流れ交通整理のアルバイトをしている男(松重豊)と恋を結びハッピーエンドとなる大人の恋の物語でした。
私が感心したのは、映画のロケーション。
舞台は西伊豆であり(車のナンバーが伊豆)、灯台の見える堤防は宇久須港(赤い灯台はここの防波堤灯台です)や近くの黄金崎や大浜海岸とのことです。
しかし彼女たちが働いていたタツネは、足利市の会社でした。
また渋川清彦の働く極洋船舶は、千葉の館山市の会社でした。
関東のあちこちでの撮影をうまくまとめることに感心した次第。