北九州を舞台にした作品。真名美は幼いころ両親を交通事故で亡くしていた。その時の父はボクサーでタイトル戦を目前に控えていた。その後ボクサーとして才能を開花させるが結婚して引退、子供をもうけるが夫は癌で亡くなってしまう。そして今、真名美はシングルマザーのボクサーとしてリングに上がるも勝てず、わずかなファイトマネーでは生活も成り立たずアルバイトをする日々。さらには娘の養育に関して義母とあらそっていた。アルバイト先のスーパーで店長のパワハラを指摘してくびになり、次に勤めた老人介護施設では入所者のセクハラに毅然と対応したことで入所者にケガさせてしまう。その事件で勾留中に娘は義母に連れていかれてしまい裁判所からの仮命令も出てしまう。娘を取り戻すためボクシングで生活を立て直すにはチャンピオンになるしかないとタイトル戦に臨むがその前哨戦で中手骨を骨折してしまう。それを隠して練習を続けるがジムのオーナーにばれ左を中心に戦う戦略を組み立ててもらう。タイトル戦は善戦するが最終的には負けてしまう。それでも娘が駆け付け抱き合う姿を見て義母も笑って退場するのだった。
なんかこれ今の時代なんでしょうか。お金持ちの御曹司とその親の反対を押し切って結婚し、その御曹司が癌で亡くなるまではいいとして、そこからなぜボクシングに復帰したのか、娘に雄姿を見せたいだけではいまいち弱い。スーパーでのパワハラ指摘でくびにされたんじゃ労基署などに訴えれば地位保全命令も出してもらえそうだったし、介護施設での入所者のセクハラは職員一丸となってやめさせるべきものだった。そこに警察がなぜ介入したんだろう。試合で手を骨折した時、なぜジムで相談しなかったのか。ボクシングに精通したスポーツドクターならもっと違った形でかかわってもらえてんじゃないのか。とにかくあれだけ貧乏な生活となった理由が全然伝わってこなかった。義母もそう、孫娘の経済的環境を優先するのであれば、タイトル戦に負けた嫁から再び孫娘を引き離すべきだし、母娘関係を認めるのであれば真名美のボクシング生活を応援する方向に行くべきだと思うのに微笑みを残して立ち去るというのは何とも理解しがたい。ということで脚本が現在的ではなくまるで昭和か平成初期なんじゃないかと思うぐらいでした。もしかしたらそんな時代設定だったのでしょうか。朝比奈彩はしっかり身体を作りボクサーとして恥ずかしくない身体にはなっていたようです。でもなんか試合でのフットワークがいまいちだったのがちょっと残念でした。それと朝比奈彩演じる真名美の性格設定が人を引き付けないのが一番残念でした。誰かに頼ればいいのにとずっと思ってしまいました。