パスワードを忘れた方はこちら
※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。
メールアドレスをご入力ください。 入力されたメールアドレス宛にパスワードの再設定のお知らせメールが送信されます。
パスワードを再設定いただくためのお知らせメールをお送りしております。
メールをご覧いただきましてパスワードの再設定を行ってください。 本設定は72時間以内にお願い致します。
戻る
公開年:
現在の文字数:0文字
氏名(任意)
初ヴェノム。ご無沙汰マーベル。飽きさせないのは、凄い。ただ、いつも気になるのがシリーズものは遡ったら、初期が一番面白いこと。本シリーズでいえば、初期の地味さが、人かエイリアンかそのどちらの描写に注視するかの迷いが見えて、個人的には、そちらのほうが面白かった。キャラクターとしての人気から、ヴェノムの存在が派手になる。それにつれて、周囲の人物が死闘バトルのために出動する派遣要員にしか見えなくなってしまう。その時はその時で、盛り上がりはするのだけれど。
ある意味で主役は、主人公ジェシカの継娘のアリス。名前からしても「アリス・イン・ワンダーランド」? これは、ホラー映画ではなくて、ファンタジーでしょう。そもそもイマジナリー・フレンドはホラーではなくて、心理学で一種の現象とされている。それが本作では擬人化して、過去のトラウマと結びついた。開けゴマ!的な瞬間や、深層世界を見るのは楽しいけれど。あの、あからさまに怪しいお婆ちゃんの消え方は無茶苦茶だし、もっと違った形でコミットしたほうがよかったのでは?
高い完成度のハイブリッドな作品。人間が動物化する感染ウイルスが国内で蔓延するような漠然とした世界観から、家族間の私的な問題へ移行し、さらに主人公が直面した個人の尊厳へと帰結する。これまで多くの映画で使用された題材が組み込まれているが、扱いはもっと繊細だ。その細部の描写がリアリティに富んでいて、現代社会とさほど遠くない。とくに、結末で親子が下した判断からは、そうせざるをえなかった社会の傲慢さと、適応する環境へ身を運ぶ必要性を汲み取った。
'60sの伝説的モーターサイクルクラブの軌跡。完全な物語に寄らず、その中心にいたベニーの妻、キャシーによるインタビューから軌跡を追うことになる。この形式がますます傍観者として、憧れ・ロマンを掻き立てる。キャシーが走馬灯のようにあの頃の青春を浮かべれば、男のロマンが女のロマンにもなり得るのだ。ベニーのような夫を、わたしもあのような形で苦しみを感じながらも、愛してしまうと思う。ジョディ・カマー、オースティン・バトラーも最高に尽きる。推しのコンビに+★1
ファーストシーンの見せ方があまりにぱっとしないので、早々に「こりゃだめだ」となり、キャラクターの魅力とコミカルなシーンで興味をつないで観ていたら、登場人物全員エリア51に勢ぞろいしてからの怒濤のバトルスペクタクルが意外によくできていて、突然評価が爆上がり。『ムー』を愛読していそうなおじさんが率いるファンキーな一家が、もう少し本筋にからんでもよさそうだけど。エディとヴェノムの掛け合いは今回も楽しく、いつまでも見ていたくなるコンビなのだが、ほんとにこれでラストなの?
ホラー映画として進行していたのが、クライマックス以降完全にバトル映画と化して全然怖くなくなるのも、女性たちが連帯して戦うのも、以前ここで取り上げた「死霊館のシスター 呪いの秘密」と同じなので、最近のトレンドなのだろうか(特に後者についてはそうだろう)。恐怖がじわじわ迫ってくる描写も、主人公が夫の連れ子姉妹との関係に悩みつつ、自分の過去へと降りていくというアイディアも悪くないと思うが、フリだと思えた箇所がいくつか結局機能しないままだったのは、息切れしちゃったの?
古くから神話に見られる変身譚の変奏のようでもあり、ボディ・ホラーの流れの一環のようでもあると同時に、昨今の世界に照らしてさまざまな読みが可能な物語。参照作として監督が挙げている作品とは別に、筆者が連想したのは1940年代RKOプログラム・ピクチュアの古典群で、そうするともう少し簡潔にまとめてほしかった気もするのだが、南仏の美しい風景、学校の授業の様子などの描写が、荒唐無稽と思われそうな世界を見事に日常に着地させる。エミール役のポール・キルシェの演技は天才の域では。
男ふたりと女ひとりのトライアングルで、中心となるのは(取り合いの対象になるのは)オースティン・バトラーだが、物語自体の中心は若い夫婦ではなく、枯れた魅力と色気が共存するトム・ハーディ。題材から想像されそうなアクションや、バイク走行の疾走感よりも、時代の変化と人生の機微、人物の心理の交錯が作品の主眼。俳優の表情をとらえたクロースアップで、しばしばカット尻を長く残しているのが効果を上げる。「チャレンジャーズ」に続き、マイク・フェイストの柔らかい個性が映画を温める。
マーベルコミックのダークヒーロー「ヴェノム」シリーズ3作目。地球外生命体の創造主である邪神ヌルが登場し、主人公エディとヴェノムがメキシコ〜アメリカと国を越えて闘いを繰り広げる。本シリーズはトム・ハーディ演じるエディと彼に寄生するヴェノムのコミカルな二人羽織/腹話術状態が売りなのだが、それがかなりマンネリ化。アクションはほぼVFXに依存しているのでドキハラするわけでもなく、VFX二人羽織漫才、しかもネタ切れに付き合わされている気分になる。
「ゲット・アウト」「M3GAN/ミーガン」で知られるブラムハウス・プロダクションズと「ソウ」シリーズのライオンズゲイトがタッグを組んだホラー。少女が愛するテディベア人形が巻き起こす恐怖を描く。プロットを聞いただけで「ミーガン」×「TED」かよ?と想像すると、想像以下の展開に。テディベアを使った恐怖描写があまりに凡庸で、せめてミーガン人形のようなダイナミズムが欲しいもの。こんな安易な企画でも、子どもにはぬいぐるみへの要らぬ恐怖心を与えてしまうだろうから、製作陣は猛省してほしい。
人間が動物に変異する奇病が蔓延する近未来のフランスが舞台。主人公の男性料理人と動物に変異しつつある妻、そして自分の体の異変を感じる息子の三人を軸にした近未来SF。変異した人間を隔離・攻撃する側と同じ人間として扱う側の軋轢というコロナ・パンデミックのメタファー的設定とギリシャ神話に通じる半獣神というモチーフを用いて、荒唐無稽な設定にヨーロッパ映画ならではの思索的リアリズムを導入することに成功。抑制の効いたVFXも見事な完成度で、深い共感を呼ぶ「明後日の神話」。
60~70年代のシカゴのバイクライダーを捉えた同名写真集にインスパイアされた作品で、アメリカの暴走族グループの栄枯盛衰を描く。カリスマ的リーダーをT・ハーディ、グループ内一匹狼をA・バトラーが演じ、骨太の不良の美学を濃密に描く。劇中にマーロン・ブランドが暴走族を演じた「乱暴者」が紹介され、ハーディがブランド、またバトラーは往年のジェームス・ディーンを彷彿させる。男らしさや不良は今やノスタルジーだが、この命懸けのノスタルジックな美学は魂を揺さぶる。