上田ヒトシは生来のばく才で、勝負事には絶対負けないツイてる男。ある日上田は、勤め先のホテルの結婚披露宴で、来客の阿波商事花木常務と、花嫁を利用して賭けをはじめた。賭けに夢中になった上田は、調子にのりすぎて披露宴は大混乱。上田はホテルを馘になった。ことのいきさつを知った阿波商事社長令嬢啓子は、上田に同情し、社に迎えいれようとした。しかし気ままな生活が身についた上田は、これを嫌った。が、上田にまともな職についてもらおうとする、フィアンセの泉カネ子は、彼の唯一の弱点、犬を見るとかゆくなる“犬アレルギー”を利用して、強引に上田を納得させた。その頃会社では、大金持のバイヤー、ヘッケル氏の来日を機に、商談をまとめようと大騒動。上田と花木はヘッケルの賭け好きを利用して、見事に商談をまとめた。しかし数日後、ヘッケルが偽もので、契約金を受取ると、マカオに帰ってしまったことが解った。仰天した社長は、ただちに上田や花木らをマカオに送った。マカオに着いた上田は、持ち前の才腕を発揮して、たちまち賭場をさらった。そして意気揚々と引きあげる途中、ヘッケルをみつけ、彼の口からこのからくりの黒幕はマカオに悪名轟く張天玉であることを知った。また東京で知り合った中国娘秀玉の賭場を乗っとろうとしているのも張天玉だった。“みんなまとめて、めんどうみよう”とほぞをかためた上田は、彼の身を案じてかけつけたカネ子や啓子らと共に、張天玉が望む丁半バクチで彼らと相対した。この勝負、一度は犬の出現でしくじったものの、最後の勝負を勝ちとり、契約金も、賭場も各々の手にかえった。