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妻の日の愛のかたみに

  • つまのひのあいのかたみに
  • While Yet a Wife
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  • 平均評点

    64.1点(19人)

  • 観たひと

    28

  • 観たいひと

    2

  • レビューの数

    8

基本情報

ジャンル ラブロマンス
製作国 日本
製作年 1965
公開年月日 1965/10/2
上映時間 89分
製作会社 大映東京
配給 大映
レイティング
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ シネスコ
メディアタイプ
音声
上映フォーマット

スタッフ

監督富本壮吉 
脚色木下恵介 
原作池上三重子 
企画原田光夫 
撮影小原譲治 
美術間野重雄 
音楽木下忠司 
録音須田武雄 
照明木村辰五郎 
編集関口章治 
スチル沓掛恒一 

キャスト

出演若尾文子 池田千枝子
船越英二 北原正之
瀧花久子 千枝子の母
浜村純 正之の父
原泉 正之の母
早川雄三 鳴海信太郎
目黒幸子 信太郎の妻
藤村志保 秋元先生
村田扶実子 正之の叔母
岡崎夏子 おばさん
飛田喜佐夫 町の人A
新宮信子 町の人B
須藤恒子 お婆さん
高村栄一 父の旧友
姿美千子 花嫁(純子)
藤山浩二 船頭
井上大吾 健ちゃん
三夏伸 芳ちゃん
夏木章 千枝子の義兄
谷謙一 葬儀屋A
喜多大八 葬儀屋B
伊達正 近所の人
伊東光一 別府の院長
高見貫 小使

解説

池上三重子の同名手記を「香華」の木下恵介が脚色、「花実のない森」の富本壮吉が監督した純愛もの。撮影もコンビの小原譲治。

あらすじ

昭和二十八年、水と白壁の美しい町柳川に、千枝子は嫁いで来た。夫正之とは見合いであったが、優しい正之との間は、町中の話題になるほどの、おし鳥夫婦であった。正之は中学校の、千枝子は小学校の先生であったが、千枝子は優秀な教師であるばかりか、よき妻、よき嫁であった。ある日、突然千枝子を襲った指の痛み、チョークをもつ手が、食事の仕度をする手が、しばしば激痛に、襲われた。やがてその痛みは全身を走り、全身の関節を侵していった。義母は千枝子の正体の知れぬ痛みが、過労が原因だと知らされ、世間態をはばかり千枝子の症状に困惑したが、義父は心から千枝子の病状を案じた。別府国立病院にリューマチスの患者として入院する頃、千枝子の身体は自分で動かすことの出来ない重症であった。だが正之と千枝子は、現代医学を信じ、一日に数通の愛の書簡を交わしながら、健康な日の訪れを待った。千枝子が、妻、女としての情を短歌に託したのはこの頃であった。入院して三回目の夏、千枝子は一時、退院したが、彼女の闘病生活に新しい苦悩が加わった。九州に根強く残る子なきは去るの風習、言葉にこそ出さぬが、周囲の眼は、鋭敏な千枝子の心をゆすった。私は夫の完全な妻ではありえない。私に出来ることは、正之を自由に解放してあげることだけ……毎夜、夫の姿を見て、病床に涙する千枝子に、正之は、人間の愛は精神で支えうると、励ましつづけた。離別を迫りながら、正之の許可がでないまま、千枝子は周囲の反対を押し切って、二度目の手術を決意した。自殺するに等しい手術、千枝子は、手術の失敗を祈った。麻酔がさめた朝、千枝子は、夫を解放出来ぬ自分に慟哭した。義父が死に、正之の留守になった家を、千枝子はたんかで里に帰った。半狂乱でかけつけた夫の側で千枝子は目をつぶったまま、「こうしていても、目にうつるのは、貴方の姿ばかりですよ」とつぶやいて、涙が一すじ頬をすべった。

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