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わが青春に悔なし

  • わがせいしゅんにくいなし
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  • 平均評点

    70.8点(246人)

  • 観たひと

    410

  • 観たいひと

    30

  • レビューの数

    51

基本情報

ジャンル 青春 / 戦争 / ヒューマン / ドラマ
製作国 日本
製作年 1946
公開年月日 1946/10/29
上映時間 110分
製作会社 東宝
配給 東宝
レイティング
アスペクト比
カラー/サイズ モノクロ
メディアタイプ
音声
上映フォーマット

スタッフ

監督黒澤明 
脚本久板栄二郎 
製作松崎啓次 
撮影中井朝一 
美術北川恵笥 
音楽服部正 
録音鈴木勇 
照明石井長四郎 

キャスト

出演大河内傳次郎 八木原教授
三好栄子 奥さん
原節子 娘幸枝
藤田進 野毛隆吉
高堂国典 隆吉の父
杉村春子 隆吉の母
河野秋武 糸川
清水将夫 筥崎教授
田中春男 学生A
千葉一郎 学生B
米倉勇 学生C
高木昇 学生D
佐野宏 学生E
志村喬 毒いちご(特高警部)

解説

「明日を創る人々」に次ぐ黒澤明演出作品。

あらすじ

目のさめるような若葉の京都吉田山。野毛、糸川達大学生七人組とその師八木原教授とその奥さん、そして一人娘の幸枝などにとって今日は楽しいピクニックであったのだが、折からの陸軍演習の機銃音にその自由の夢も奪い去られた。時、昭和八年、満州事変を契機に軍閥の帝國主義的侵略の野望強行のため、この自由学園京都帝国大学も、ファッショの強圧に敗れなければならなかった。八木原教授は象牙の塔を追放され、常識家の糸川は残留、野毛は大学を去って左翼運動へいつしか踏み込んでいた。幸枝は、秀才型で社交家の糸川より、熱烈な行動派の野毛に対して何かギラギラ眼の眩むような生活があるような気がしていたのであったが、刑を終えて出獄した野毛の転向ぶりには落胆せざるを得ない彼女だった。昭和十六年、学園を追われた八木原は今では民間無料法律事務所を開設していた。幸枝は東京に自活の道を求めて上京したが、計らずも今は検事となった糸川に逢い、野毛の出京していることを知らされた。野毛は中国研究に名を借りて反戦運動に没頭していた。自己の信念に悔いなしと改めて野毛に面会した幸枝はお互いに信じ合う仲となり楽しかるべき同棲も束の間、野毛は国際スパイの汚名のもと検挙された。幸枝も毒いちごと称する特高警察のあらゆる屈辱に堪え愛人野毛のために戦った。ある日、上京した八木原は野毛のために弁護人に立つことを請願したが野毛事件の担任検事糸川の口より野毛の獄死したことをもたらされ愕然とする。野毛は未決にあるうちスパイの汚名のもとに病死したのだ。この嘆きを包みかくして幸枝は良人亡きあと田舎で百姓をしている野毛の両親の下に走った。そこで目撃したものは何か?「スパイの家」と村民の罵倒と、迫害のなかに蹶つ気力もなく呻吟している野毛両親一家であった。それでも彼女は戦った。雨の日も大風の日も老母と共に野良に出て馴れぬ鍬を握った。が、無法な村の人は彼女等が折角植え終わった苗をむしり撤いた。それでも彼女は全身を只一つ野毛に対する誠のため打ち続けた。そして彼女は野毛の墓参りに尋ねに来た糸川を追い返す強さを持つ女となっていた。そして、自由甦る日、昭和二十年の終戦をむかえた。八木原教授は京大生満場拍手のうちに、再び自由の学園に復帰した。この喜びに京都へ帰って来た幸枝は、父に、母に理解を求め地に足のついた野毛の農村へ未来を求めて再び去って行く。思い出の吉田山を通り過ぎた。野毛の真価も一般に認められて来た。現在、幸枝は数々の思い出を顧みつ我が青春に悔いなしと叫びたい気持ちでいつまでも思い出の吉田山に見入っていた。

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1983年11月上旬号

特別企画 [黒澤明の全貌]によせて 第1回 私の黒澤映画:「わが青春に悔なし」