小学生のノリミチは、夏休みの登校日のため学校へ向かった。ノリミチの同級生のナズナは、家を出る時に母親から一通の手紙を三浦先生に渡すよう頼まれる。それは、両親の離婚のために、夏休みが明けたら転校するという内容の手紙だった。放課後、プールの掃除当番だったノリミチとユウスケは、掃除そっちのけでプールで遊んでいた。もう一人の当番はナズナで、彼女はそしらぬ素振りでプールサイドに横たわっている。ユウスケはノリミチに50メートルの勝負をもちかけた。始めはリードしていたノリミチだったが、ターンの時にプールのヘリにかかとを思い切り打ちつけてしまう。先にゴールしたユウスケがプールから顔を出すと、ナズナがホースの水を浴びせて、今夜の花火大会に一緒に行こうと誘うのだった。ノリミチとユウスケが教室に戻ると、ジュンイチたちが花火は横から見ると丸いか平べったいかで言い争っていた。ノリミチたちも話に加わるが一向に結論が出ず、今夜灯台のところから確認しようということになった。ノリミチの足のケガに気づいたユウスケは、自分の家の病院で見てもらえと勧める。ノリミチがユウスケの家に行くと、大きなトランクを抱えたナズナが、ユウスケが戻るのを待っていた。ユウスケは来ないと伝えたノリミチは、ナズナに「君を誘ったら裏切らなかった?」と尋ねられ、「俺は裏切らないよ」と答える。そこへナズナの母親が現れ物凄い形相でナズナを連れて行った。どうすることも出来なかったノリミチは、「あの時、俺が勝ってれば」と後悔の念にとらわれるのだった。ノリミチが50メートルに勝っていたとしたら--。ナズナに花火大会に誘われたノリミチは、強引にバスに乗せられた。家出したのかと尋ねるノリミチに、ナズナは駆け落ちだと答える。駅のところでバスを降りたナズナは、遠くへ行こうとノリミチを誘うが、電車が来た途端に態度を変えて、バスで帰ろうと言い出した。夜になってノリミチとナズナは誰もいない学校にもぐり込み、プールで互いに水をかけあったりしてはしゃいだ。遊び疲れてプールに浮かんでいたナズナは「今度会えるの二学期だね。楽しみだね」とノリミチに言い残して、微笑みを浮かべながら帰っていくのだった。その頃ユウスケたちは灯台を目指して延々と歩き続け、ようやく灯台に着いた頃にはすでに花火が終わってしまっていた。夏祭りの会場にやってきたノリミチは、彼氏を連れた三浦先生に偶然出会い、花火は横から見たら丸いか平べったいかと聞く。先生はノリミチを花火職人のヤスさんに紹介し、花火を一発上げてもらうよう頼んだ。そして、ノリミチは花火を真下から、灯台のユウスケたちは横から見ることができたのだった。