東京・多摩丘陵。のんびりひそかに暮らしていたタヌキたちは、ある時、エサ場をめぐって縄張り争いを起こす。原因は人間による宅地造成のため、エサ場が減ってしまったから。このままでは住む土地さえ失くなってしまうと、タヌキたちは開発阻止を目論み、科学の発達した人間たちに対抗するため先祖伝来の“化け学”を復興させることとなった。化け学の特訓が始まる一方、四国や佐渡に住むという伝説の長老たちへも援軍を頼む使者が向けられた。かくして人間たちが露とも知らぬ所でタヌキたちは勝手に蜂起したのだが、根はいじらしいけど、そこはまぬけなタヌキたち。思わぬところで計画は紆余曲折。一生懸命頑張るわりには何の効果も挙げられなかった。遂にやってきた四国の長老たちを中心に妖怪パレード作戦を展開するが、それも失敗。絶望のどん底に陥るタヌキたちは最後の気晴らしと宅地全体を緑多き昔の姿に変身させようとする。そんなタヌキたちの存在に気づき、人間たちは自然の景観を出来るだけ活かすことに。開発阻止は出来なかったが、人間に変化したタヌキたち、なお残った自然の中で暮らすタヌキたち、それぞれにたくましく生き続けるのだった。