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ユリシーズの瞳

  • ゆりしーずのひとみ
  • To Vlemma Tou Odyssea
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  • 平均評点

    79.4点(101人)

  • 観たひと

    161

  • 観たいひと

    27

  • レビューの数

    18

基本情報

ジャンル ドラマ
製作国 フランス イタリア
製作年 1996
公開年月日 1996/3/23
上映時間 177分
製作会社 パラディス・フィルム=ジェネラル・ディマージュ=ラ・セプト・シネマ=バシク・チネマトグラフィカ=インステュティオ・ルーチェ=RAI=ギリシャ*テオ・アンゲロプロス=グリーク・フィルム・センター=メガ・チャンネル作品
配給 フランス映画社
レイティング 一般映画
アスペクト比 ヨーロピアン・ビスタ(1:1.66)
カラー/サイズ カラー/ビスタ
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD
上映フォーマット 35mm

スタッフ

キャスト

出演ハーヴェイ・カイテル A
マヤ・モルゲンステルン “Ulysses”Wives(a woman in Floina a woman at Manakia Film Museum,a Bulgarian Fermerette,and Ivo's Daughter Naomi)
エルランド・ヨセフソン Ivo Levy
タナシス・ベンゴス Taxi Driver
ヨルゴス・ミハラコプロス Nikos A'sjounalist friend
ミルトス・マナキス Nikos A'sjounalist friend

解説

行方知れずのギリシャ最古の映画フィルムを探し求め、動乱のバルカン半島を彷徨する映画監督の旅を描き、20世紀における映画と歴史と政治の相克に深い瞑想をめぐらした壮大な叙事詩映画。監督は「こうのとり、たちずさんで」などの現代ギリシャ映画の巨匠テオ・アンゲロプロス。『オデュッセイア』をモチーフに、脚本はアンゲロプロスと、「シテール島への船出」以来全作品で組む「夜ごとの夢」のトニーノ・グエッラのコンビにペトロス・マルカリスが参加。製作は「霧の中の風景」のエリック・ユーマン、ジョルジオ・シルヴァーニ、アンゲロプロス夫人のフィービ・エコノモプロス。撮影のヨルゴス・アルヴァニティス(共同アンドレアス・シナノス)、録音のタナシス・アルバニティス(ヨルゴスの弟)、音楽のエレニ・カラインドルーはアンゲロプロス作品の常連スタッフ。主演は「ピアノ・レッスン」「スモーク」のハーヴェイ・カーテル。一人四役を演じるヒロインは、ルーマニアを代表する女優で本作が日本初登場となるマヤ・モルゲンステルン。共演はイングマール・ベルイマン作品で知られる名優エルランド・ヨセフソンほか。また「旅芸人の記録」のエヴァ・コタマニドゥはじめ、「シテール島の船出」のドーラ・ヴォラキナなど、アンゲロプロス作品の出演者が特別出演。95年カンヌ国際映画祭グランプリ(審査員特別大賞)・国際映画批評家協会賞受賞。96年度キネマ旬報外国映画ベストテン第2位。

あらすじ

アメリカの映画監督A(ハーヴェイ・カイテル)が、故郷のギリシャでの回顧上映と、バルカン半島最初の映画作家マナキス兄弟についての映画を作るために帰国した。彼の作品はギリシャ正教正当派の勢力が強くなっている北部で物議をかもす。デモで騒然とする街で彼はかつての恋人らしき女(マヤ・モルゲンステルン)とすれ違う。彼はマナキス兄弟が未現像のまま遺したという幻の3巻のフィルムを探して旅に出る。まずアルバニアに向かう彼はタクシーに、コリツァに住む妹に42年ぶりに会いに行くという老女(ドーラ・ヴォラキナ)を同乗させた。彼のタクシーはさらに旧ユーゴのマケドニアへ。その小都市モナスティルにはマナキス兄弟の博物館がある。彼はそこで職員らしい女(モルゲンステルン=二役)に、幻の3巻のフィルムのことを尋ねるが、女は答えない。首都スコピエに向かう列車の中で、彼は乗り合わせた彼女に憑かれたようにフィルムのことを語る。激しく求めあう二人。ブルガリア国境。検問を受け、下車した彼に第二次大戦中死刑になりかけたヤナキス兄弟の記憶がとりつく。二人はルーマニアの首都ブカレストに向かう。夢うつつの彼はそこで、生まれ故郷のコスタンザからギリシャに移住するまでの辛酸を舐めた自身の少年時代の回想に入り込み、母や家族と束の間をすごす。コスタンザのホテルで夢から覚めた彼は、港で女に別れを告げる。巨大なレーニン像を乗せた艀でドナウ河を逆上り、彼の旅は続く。新ユーゴ(セルビア共和国)の首都ベオグラードでは旧友の記者ニコス(ヨルゴス・ミハラコプロス)が待っており、養老院にベオグラード映画博物館の元教授に会いに行く。教授は幻の3巻はサラエヴォのイヴォ・レヴィが現像法を研究していたが、戦争の勃発で音信不通になってしまったと語る。サラエヴォの向かう旅で、再び彼は幻想の中に入り込む。彼は第一次大戦のさなか、ブルガリアの農婦(モルゲンステルン=三役)の小舟でエブロス川を下って彼女の家に赴く。戦争で家は焼け、女の夫は殺されていた。女は彼を全裸にして夫の服を着せると、彼と儀式のように交わる。彼は戦火のサラエヴォに着き、映画博物館の館長イヴォ・レヴィ(エルランド・ヨセフソン)に会う。戦争のため完成寸前でフィルムの現像を諦めたというレヴィに、彼は何があっても現像すべきだと言い張り、そのまま疲労で昏睡におちいる。朝、彼はレヴィの娘ナオミ(モルゲンステルン=四役)と会う。レヴィは幻のフィルムの現像に着手、現像は成功した。二人はフィルムが乾く間、霧の日だけ戦闘がやみ、人々が束の間、思い思いに音楽や演劇を楽しむサラエヴォの街に散歩に出掛ける。公園で彼はナオミと踊り、ギリシャ語であたかも懐かしい恋人のように語り合う。ところが川辺を散策中、先に行きすぎたレヴィの家族は兵士に捕えられる。深い霧の中、彼を残して駆けつけたレヴィともども、幼い子供たちまで射殺する銃声が響く。深い悲しみを胸に彼はひとり映画博物館の跡に戻り、レヴィが現像したフィルムを見はじめる。

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