商社に勤めるサラリーマンの和田は、入院した同僚に代わって専門外の翡翠の輸入契約の為に、中国の雲南省へ出張することになった。ところが、現地の案内人である沈に会えて一安心したのも束の間、なんと会社に貸しがあるというヤクザ・氏家が現れ、無理矢理同行を迫ってきた。彼は翡翠鉱脈の取引を見張りに来たのだ。こうして、ミャンマーとの国境近くにある少数民族の村への3人の旅が始まった。長い道のりは悪路続き、徒歩での山越えや突然の嵐、亀に引かれる筏下りが3人を待ち受けていた。しかも、幻覚を起こすキノコを食べて大騒ぎしたお陰で、沈が記憶喪失になってしまう。それでも、3人はなんとか目的の村へ到着することが出来る。若い村人は文明の使者である3人を歓待してくれるが、長老は渋い顔をしていた。次の日、和田と氏家は飛ぶことを学ぶ鳥人学校なるものを発見する。子供たちに飛び方を教えているのは、イギリス人を祖父に持つ美少女・燕。彼女は祖父の遺言で、鳥人学校を引き継いだのだという。しかし、彼女自身もまだ飛んだことがないらしい。仕事をこなす一方で、そんな鳥人学校に興味を持つようになった和田は、燕が歌うスコットランド民謡と祖父が英訳していた伝説を翻訳するうち、彼女に心惹かれていく。また、氏家も自然豊かな村に暮らす人々に興味を持ち始めていた。そんな中、逃げ出していた筏の動力である亀たちがつかまり、沈の記憶も戻った。3人が村を離れる日が近づいていた。ところが出発前夜、氏家が亀を叩き殺してしまったのである。すっかりこの村を溺愛するようになっていた彼は、文明を村に入れさせないようにしたのだ。半ば狂ったような氏家を残し、村を出ようとする和田たち。しかし、すんでのところで氏家に捕らえられてしまう。和田は文明でこの村を汚すようなことはしないと約束、村人の信頼を得る為に鳥人になって飛んで見せようと氏家に提案する。そして、和田と氏家は羽根をつけて飛ぼうとするが、失敗に終わってしまうのであった--。それから30年、東京の和田の元に、村の開発アドバイザーをしている氏家からの手紙が届く。