毎夜、奇怪な辻占の夢にうなされているみどりは、母・和子とふたりで暮らしている高校生。ある日、幼い頃に住んでいた街へ戻って来た彼女は、転校したクラスで幼なじみの龍介と再会する。ところで、クラスの女子の間では恋占いが流行していた。クラスメイトの光太郎に想いを寄せる珠代は、彼がみどりを意識していることに心悩ませ辻占を行う。だがその結果に悲観した彼女は、カッターナイフで喉を切り自殺するのだった。クラスでは、その自殺の原因が黒い服に身を包んだ“辻占の美少年”の呪いだと噂した。そして、その事件をきっかけに、みどりの周りで不可解な出来事が起こり始める。辻占をしたクラスメイトの鈴枝が自殺し、みどりの母・和子が浴室のシミを落とす為に一日中壁をこすり続け、心の支えであった龍介もみどりにしかその姿が見えていなかったのである。実は、龍介は7歳の時に、父親の不倫のもつれから相手の女・はるかに誘拐され殺されていた。しかも、そのはるかの焼身自殺を目の当たりにした7歳のみどりはショックから精神病院に入院し、夫を殺害し浴室の壁に埋め同じ病棟に入院していた龍介の母・和子と共に、病院を抜け出していたのだ。再び、病院へ連れ戻されるみどりと和子。ベッドの上で、みどりは龍介の遺体が隠されているであろう廃墟の冷蔵庫を開ける夢を見る。