マリー(シャーロット・ランプリング)とジャン(ブリュノ・クレメール)は、幸せに連れ添って25年になる50歳代の夫婦。例年の夏のように、フランス南西部のランド地方にヴァカンスにやってきた2人だったが、マリーが浜辺で昼寝している間に、夫が突然消えてしまう。大きなショックを受けたマリーは、パリに戻っても、ジャンとの日常生活が続いているような会話をし、ジャンの幻覚を見て暮らしていく。やがて彼女は、出版社を経営する男性ヴァンサン(ジャック・ノロ)とベッドを共にするようになるが、違和感を覚えるばかり。そんなある日、警察からジャンと思われる水死体が見つかったと連絡が入る。死体確認のため、マリーはランドへ。ほぼジャンに間違いないと説明する法学医に対し、遺物の時計が夫のものではないと正気を失ったように笑い出す彼女。そしてマリーは海岸に行き、初めて泣く。やがて遠くの海岸線にジャンらしき男性のシルエットを見た彼女は、そのまぼろしに向かって砂浜を走り出すのだった。