1977年7月7日、釜山で行われた下関と釜山の親善陸上競技大会に、親友の真理、巴、玲子と共に出場した高校2年生の郁子は、同じ種目の韓国人青年・安大豪と恋をし、来年また大会で会おうと、チルソク(七夕)の約束を交わす。以来、ふたりは文通を通して絆を深め合うが、郁子の両親は韓国人との交際にいい顔をしない。それは、安の家族も同じことだった。やがて、安の手紙は途絶えるようになり、彼の母から文通を止めて欲しいとする旨の手紙が送られて来た。気落ちし、練習に身が入らなくなってしまう郁子。しかし、真理たちに励まされた彼女は、一年後、下関で開かれた大会で安と再会を果たし、楽しい一時を過ごす。そして、大学進学と徴兵を控える彼と4年後の再会を約束して別れるのだが、その後、それぞれの人生を歩き始めたふたりが会うことはなかった……。2003年、バブルの崩壊などで一時中止されていた大会が、10年振りに開催された。今は体育教師となり、大会の運営に携わっていた郁子は、そこで安と再会する。