ロンドン。アイルランド人のクリス(ジョナサン・リース・メイヤーズ)は英国の上流階級に憧れる野心家。特別会員制テニスクラブでコーチの職に就くと、すぐさま大金持ちのトム(マシュー・グード)と親しくなる。クリスに一目惚れしたトムの妹・クロエ(エミリー・モーティマー)は、親族のパーティに彼を招待。クリスはそこでアメリカ人のノラ(スカーレット・ヨハンソン)と出会う。その挑発的な態度と魅惑的な容姿に惹かれるクリス。しばらくしてクリスとクロエは交際を開始。人生を賭ける仕事がしたいという彼の思いをクロエは企業家の父・アレック(ブライアン・コックス)に伝え、アレックは自分の会社の管理職を与える。絶好のチャンスを手に入れたクリス。しかし、どんな時もノラのことが頭を離れない。ある日クリスは偶然街でノラと出会い、酔った勢いで関係を持つ。心はノラに奪われていたクリスだが、クロエの両親から義理の息子になることを薦められると、クロエとの結婚を決意する。その一方で官能的なノラとの情事におぼれていくクリス。そんな中、ノラはクリスに自分が妊娠したと告げる。堕ろすか、産むか。激しく言い争う二人。ノラは子供を産んで二人で育てると言って譲らず、妻との離婚話を毎日先送りにするクリスに怒り狂う。ノラか、クロエか。追い詰められたクリスは、強盗を装いノラのアパートに潜入。物音に気づいた隣のおばあさんとノラを殺害する。そしてその際に持ち帰った金品を盗まれ、疑いの目はこそ泥に向けられる。危機を脱したクリスは、二人の名前が入った指輪を川に投げ捨て、安堵し立ち去る。しかしその指輪は手前の柵に当たり、川に落ちることなく道路へと転がる。