オーストリア皇女アントワーヌ(キルスティン・ダンスト)は、フランス王室とオーストリア王室の同盟の証として14歳でフランス王太子のもとに嫁ぐことになる。彼女は未来の王妃マリー・アントワネットとしてフランスの地に踏み入る。ヴェルサイユ宮殿に到着したマリーは国王ルイ15世や宮廷貴族たちに歓迎される。王によって紹介された15歳の王太子ルイ・オーギュスト(ジェイソン・シュワルツマン)は未だ幼い少年のようであったが、二人は宮殿の聖堂で華やかな結婚式を挙げる。マリーのヴェルサイユでの奇妙な生活がここから始まった。そんな中、夫オーギュストはマリーに関心を示さず、同じベッドに寝ていても指一本触れようとしなかった。やがて虚しさを紛らわせるかのように、マリーは浪費に楽しみを見出し始める。そしてルイ15世が崩御し、オーギュストはルイ16世として王位に就き、マリーは王妃となった。しかしルイはマリーと体を重ねようとせず、マリーの享楽の日々はさらにエスカレートしていった。そんな折、マリーのもとを実兄のヨーゼフ2世が訪ね、彼のアドバイスによってマリーとルイはようやく結ばれ、娘が誕生する。母となって生活を一変させるマリー。別荘で娘とともにすごし、マリーは社交場では得られなかった安らぎを感じ始める。しかしその頃、既にフランスには危機が迫っていた。国の財政は破綻寸前、飢えに苦しむ国民の怒りは宮殿で不自由なく暮らすマリーたちに向けられていたのだった。そして怒り狂った群衆がバスティーユ監獄を襲撃したという報告が届くに至る。側近は国外脱出を進言するが、ルイはヴェルサイユにとどまる事を決め、マリーも彼のそばにとどまると言い切った。初めて夫婦としての信頼に結ばれる二人。しかし、暴徒と化した群衆がいよいよ押し寄せ、マリーたちが宮殿を離れる時が来た。マリーは一家と共に馬車に乗り込み、ヴェルサイユに別れを告げるのだった。