校舎の窓から海が見える、のどかな地方都市の高校に通う美嘉(新垣結衣)。ある日、彼女は愛用の携帯電話を落としてしまうが、図書室の本棚に置かれていた。その晩から発信人不明のメールが届き、返信を打ち続けるうちに美嘉は相手に興味を抱く。メール相手は、金髪の同級生ヒロ(三浦春馬)だった。二人はつきあうようになるが、ヒロの元彼女だった咲は激しく嫉妬して男子生徒たちに美嘉を襲わせる。さらには、校内中の教室の黒板に美嘉への中傷を書いて追いつめた。しかし、美嘉とヒロの絆は逆に深まっていった。そして、美嘉はヒロの子供を身ごもる。父親となることを決意したヒロは、美嘉の両親に結婚を申し込むが、またも咲の暴行で美嘉は流産してしまう。やがてヒロは、美嘉に唐突な別れの言葉を告げる。傷心の美嘉が出会ったのは、大学生の優(小出恵介)だった。包み込むような優の愛情で安らぎを得る美嘉。同じ大学に進学した美嘉は、優と迎える初めてのクリスマスイブの夜、ヒロと再会する。ヒロは、ガンで闘病生活を送っていた。美嘉への別れの言葉は、死を意識して自身から身を引こうとした結果だったのだ。真実を知った美嘉は、残されたヒロの僅かな時間をともに過ごそうと決意した。ふたりだけの木陰で挙げた結婚式。そのとき、初めてヒロは美嘉にすがって泣いた。 やがて、悲しい運命の日が訪れた。ヒロとの永遠の別れに、思わず橋から身を投げようとする美嘉だが、なんとか思いとどまる。自分には、まだ家族がいることに気がついたのだ。自身と、ヒロの家族が…。ヒロの思い出を抱いて生きていくことを選択する美嘉は、またひとつ成長していた。