ニューヨーク郊外の小さな宝石店に男が押し入った。銃を突きつけ店員の女性を脅しながら、次々と宝石を袋に詰めていく。隙を見つけた店員が男に発砲。男も撃ち返す。倒れる二人…。店の外で待っていた共犯者は、強盗が失敗に終わったことを知り、あわてて車を走らせる。強盗3日前。ハンク(イーサン・ホーク)は週末を娘と過ごしていた。離婚した妻からは養育費の支払いが遅れているのを責められる。そんな彼に、兄アンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)が強盗計画を持ちかけた。悩んだ末ようやく決心したハンクに、アンディは狙っている店を告げる。それは両親が経営する宝石店だった。怖じ気づくハンクにアンディは、お互いに金が要ることを引き合いに出し、前金をちらつかせ説得する。強盗4日前。会計士のアンディは、美しい妻ジーナ(マリサ・トメイ)とマンハッタンのアパートメントに住み、一見だれもがうらやむ暮らしを送っていた。だが実際は、ドラッグに溺れ、会社の金を横領していたのだった。そんな時、国税局の調査が入ることを知り、帳簿をごまかしたことが明るみにでることを恐れ焦る。自分の人生はパーツがバラバラでつながらない、出てくる結果が合計にならない、とつぶやくアンディ。アンディとハンクは強盗が失敗に終わっただけでなく、撃たれたのが自分達の母親だと知って愕然とする。打ちひしがれる父親のチャールズ(アルバート・フィニー)は、新聞で犯行記事を読み、事件に疑問を抱きはじめていく。一方、ハンクは共犯者の家族から恐喝されていた。アンディもまた会社から帳簿の穴を問われ、二人は急速に追いつめられていく……。