大手出版社の編集者として多忙な日々を送る30代未婚の佐々木陽子(観月ありさ)は、新雑誌の編集長の座も転がり込み、着々とキャリアを伸ばしていた。ある日、生理の遅れと突然の吐き気を感じた陽子は、身に覚えがあったこともあり、平塚産婦人科病院のドアをたたく。するとそこにはさまざまな事情を抱えた妊婦たちが……。40代にして4人目を妊娠中の大野春江(松下由樹)、春江の妊婦仲間の真由美(野波真帆)、初めての妊娠に浮かれる10代のミカ(山本ひかる)、そして訳ありな美女レイナ(神田うの)。そんな彼女たちを一手に引き受けるのは、熱意と腕の良さで評判の産科医、平塚みさお(斉藤由貴)。不妊カップルの駆け込み寺としても有名なこの病院には、康子(伊藤かずえ)も通院していた。平塚の診断によると、陽子は妊娠2ヶ月。相手はベトナム取材旅行中に酒の勢いで関係を持ったフリーカメラマンの工藤哲也(谷原章介)だった。陽子から連絡を受けた哲也は、翌日、ベトナムから陽子の職場に押しかけ、勝手に喜びの妊娠報告をしてしまう。噂は一瞬にして社長の耳に届き、陽子の昇進は見送り、ライバルの高原(藤木直人)が新編集長に就くこととなった。陽子は無念の退職を決意し、人生最大の仕事、出産の道に進む。しかし、哲也はいいヤツだが金も仕事もない。不安がる陽子を叱咤激励してくれたのは、ベテラン妊婦の春江だった。春江は同時期に出産する妊婦たちを誘って“パワフルママの会”を結成。マタニティヨガや父親教室、ファミレス井戸端会議などの活動を行なっていた。最初はバカにしていた陽子も、ここぞネタの宝庫と気付き、妊娠にまつわるエッセイを書き始める。ところが、出産直前になって、哲也が意味深な手紙を残して姿を消した。満月の夜。破水した陽子は、平塚の病院に駆け込むが春江やミカも陣痛が始まっていた。さらに、レイナや外国人カップルまで押し寄せ、院内は大パニックと化すのだった……。