昭和19年、全国から少女達が徴用を受けて女子挺身隊に組み込まれ、各地の軍需工場で働いていた。光学機器を生産する東亜光学工業にも数十人が配属、女子寮に寝泊まりしつつレンズの増産に従事していた。ある日工場では非常増産強化運動が開始、男子が10割、女子が5割と発表されるが、少女達はそれが不服で男子の2/3を達成すると宣言する。挺身隊の組長・渡辺ツルは少女達をまとめ、成績も着実に伸びていく。しかし無理がたたり、怪我人や病人が出てきたことにより、成績は鈍化、挺身隊の結束もほころび始める。そんな少女たちを所長の石田をはじめとする工場の上司、寮母の水島が優しく面倒を見るのだった。だが内部の鬱積がピークに達したことから喧嘩が勃発、仲裁するツルに対しても手厳しい批判が浴びせられる。微熱を隠して働く久江とそれを知り庇うツルに対する誤解だったことがわかり、皆は仲直りした。ツルは不注意から未調整のレンズが1個見あたらなくなっていることに気づく。彼女は2000個あるレンズから未調整分を探し出すため夜を徹する。早朝ようやく探し当てたツルを優しくいたわる上司達。寮では水島と隊員達が歓喜で彼女を迎えた。成績は再び伸び始める。工場にツルの父から母の死の知らせが入る。帰郷を促す大人達にツルは「一身上の事で公務を棄てて帰ってはいけないと言うのが母の口癖だった」と言い、帰郷を拒むのだった。そして代わりに病気がちな久江を休ませるように頼む。溢れる涙をぬぐいながらツルは仕事を再開するのだった。