日本の航空技術がまだ未熟だった頃、魚群探知飛行中の飛行機が悪天候のため墜落する。その飛行機の操縦士の妻・大川伸子は、身寄りの無くなった機関士の野田の息子・喬を引き取り、我が子・雄吉と共に、分け隔て無く立派な人間に育つよう決意する。そして時は流れ、雄吉は陸軍の航空士となり、その活躍は「大川戦闘隊」の戦果として毎日、新聞紙上を賑わわせていた。一方、喬は、航空機製作所でテストパイロットとして、新鋭機「隼」の開発に携わっていた。しかし、雄吉の見ている前で喬の操縦する隼が墜落してしまう。墜落事故がパイロットの操縦ミスでは無いことを証明するために、雄吉は隼の操縦桿を握るのだった……。