ウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、毎日、ニューヨーク郊外から地下鉄に乗って雑誌「LIFE」のオフィスへ通勤、そこで地味な写真整理の仕事をしながら、何ひとつ変わりばえのない日々を繰り返している。不器用な性格ゆえに人付き合いが下手で、密かに熱烈な想いを寄せている経理部の同僚シェリル・メルホフ(クリステン・ウィグ)に話しかけることもままならない。そんな彼の唯一の趣味は、虚しい現実から逃避して突飛な空想に浸ることだった。空想の世界では、勇ましいヒーローに変身して大活躍、また世界中のありとあらゆる場所で胸躍るアドベンチャーを繰り広げることもできる。それがウォルターにとって退屈な日常をやり過ごすための唯一の手段であった。だが彼がふと我に返ると、厳しい現実が待ち受けていた。時代が要請するデジタル化の波に抗えず「LIFE」は経営が悪化、新たなボスはリストラの対象としてウォルターに目をつけていたのだ。そんな中、ウォルターは「LIFE」最終号の表紙を飾る大切な写真のネガがないことに気付く。クビを恐れた彼は、冒険家でもある著名カメラマン、ショーン・オコンネル(ショーン・ペン)を捜し出し、直接ネガのありかを聞こうと決意。こうしてウォルターははるばる北極圏のグリーンランドにやってくるが、あと一歩のところでショーンに追いつけず、波乱に満ちた旅の継続を余儀なくされてしまう。空想の中で最愛のシェリルの助けを借り、ありったけの勇気を奮い起こしてアイスランドの火山地帯を訪れるウォルター。しかし、突飛な空想をもはるかに超越したこの壮大なる現実の旅は、彼の人生を一変させていくのだった……。