IT関連企業のCEOを務める中原祐馬(竹野内豊)は、他人に興味を持たず、会社を拡大させること以外には目もくれなかった。そんな彼の携帯電話に、一緒に会社を立ち上げ苦楽を共にしながらも会社から追い出したかつての親友・塩谷航平から何度もかかってくる。疎ましく思い電話には出なかったが胸騒ぎを覚え、祐馬は仕事をキャンセルして彼の故郷である富山県新湊の四十物町(あいものちょう)に向かったところ、航平の死を知る。町内会長の西村玄太郎(西田敏行)によると、病のために余命わずかとなった航平は最後に曳山につながりたいという思いから15年ぶりに故郷に戻っていた。頭の整理がつかないままに祐馬は線香をあげようとするが、航平の義兄・鉄也(江口洋介)は会社から航平を追い出し最期の電話にも出ようとしなかった祐馬が腹に据えかね手を上げようとする。航平の娘・瞳(高橋ひかる)の落ち着いた対応によりその場はおさまったものの、航平に子どもがいたことを初めて知った祐馬は驚かざるを得なかった。自分にできることはないか瞳に聞くと、西町から四十物町の曳山を取り返してほしいという答えが返ってくる。四十物町から若者が流出し曳き手が足りない上に曳山の維持費を捻出できずにいる中、潤沢な資金のある新興の西町から今年の祭りは四十物町に曳かせることを条件に、曳山を譲ってほしいとの打診を受ける。曳山は売り買いするようなものではないものの状況が状況なだけにやむなく決断するものの、西町の会長・武田善二(柄本明)は譲渡式が終わるとあっさりと約束を反故。町に戻っていた航平は、今わの際まで武田のもとに足を運び抗議をしていた。一方、東京にある祐馬の会社が不正取引の疑いで強制捜査を受ける。築き上げたものすべてを失った祐馬は、一度口にしたことは実行するとかつて航平と交わした約束を思い出し、東京地検の依頼を受けた富山県警の刑事・岩瀬厚一郎(ビートたけし)の捜査が迫る中、瞳との約束を守るために祭りが間近に迫る新湊に再び向かう。