21世紀初頭。世界中に拡散したウイルスにより人類の大半が死滅、生き残った人類は感染を克服し心身ともに進化していった。そこでは、太陽の光に弱く夜にしか生きられない新人類・ノクスと、ノクスに管理されながら太陽の下で貧しく暮らすキュリオ(骨董品)と呼ばれる旧人類が二つに分かれて暮らしていた。ノクスの技術によって、キュリオからノクスへの転換も可能となっていたが、転換は医学的に若年層に限られていた。そんなある日、キュリオの寒村で男がノクスの駐在員を惨殺するという事件が発生。その結果、村はノクスによる経済封鎖を受け、一層貧しくなっていった……。10年後。村の若者・奥寺鉄彦(神木隆之介)は、村での生活に行き詰まりを感じながら鬱屈した日々を送っていた。一方、幼馴染の生田結(門脇麦)は自分を捨てノクスへと転換した母親とノクスそのものを憎みながら、それでも村を何とかしたいという思いを抱き暮らしていた。そこへノクスによる経済封鎖が10年ぶりに解かれるという一報が届く。長年封鎖されていたゲートが空き、門衛として新たなノクスの駐在員・森繁富士太(古川雄輝)がやって来る。鉄彦は、再開されたノクスへの転換手術の抽選に応募。森繁とも親しくなり、豊かな暮らしを夢見ながら未来は開かれたと感じていた。そんな中、10年前の事件を起こし逃亡していた鉄彦の叔父・克哉が村に戻ってくる。相変わらず傍若無人に振る舞う克哉。やがて村は不穏な空気に包まれ、事態は思わぬ方向に動き始める……。