小説家の佐久本勝(伊藤淳史)は、若くして新人賞を受賞、ベストセラー作家となるが現在は大スランプ中。ヒマに任せてエゴサーチをしては、さらにドツボにハマる毎日だ。担当編集者のミチル(忽那汐里)は、そんな佐久本を励ますが、若さあふれる熱血アドバイスは、佐久本には逆に苦しいだけであった。そんなある夜、不思議な占い師から予言を受け、おかしな不動産屋(大久保佳代子)の勧めで、佐久本は多古町という片田舎の古民家に逃げるように移り住むことを決める。しかし、場所は変われど暮らしは変わらず。小説が書けない状態が続き、生活は下降線をたどる一方だった。ミチルの先輩編集者・浅草(田口トモロヲ)にも見放され、自信を無くした佐久本が途方に暮れて縁側で庭を眺めていると、1匹の猫がふらりとやってくる。しばし見つめあう佐久本と猫。だがほどなくして、猫はぷいっと庭から出て行ってしまう。「猫にも見捨てられたよ」と落ち込む佐久本だったが、どうしても猫が気になり、ペットショップの店主・洋子(木村多江)からアドバイスを受けて庭作りを始める。こうして若き小説家の“ねこあつめ”の生活が始まった……。