昭和40年代の土佐。“高知一の料理人”と呼ばれた岡田吾一(石橋保)は、博打“手本引き”にのめり込んで破滅。自分の料理屋を手放す羽目になり、途方に暮れていた。そんな吾一の前に現れたのが、ヤクザの荒木五郎(宅麻伸)。“カスリコの仕事を世話してやる”という荒木に従い、再び賭場へ。だが、“カスリコ”とは、賭場で客の世話や使い走りをしてわずかなご祝儀を貰うだけの下働きだった。博打打ちからも一目置かれる上客から一転、物乞い同然のカスリコに堕ちた吾一は、プライドを捨てて懸命に働く中で、賭場の客やカスリコ仲間の悲喜こもごもを目の当たりにする。やがて、人生を賭けた最後の大勝負に挑むこととなるが……。