17歳のサーリャ(嵐莉菜)は、幼い頃、クルド人の家族と共に生活していた地を逃れて来日。今では父・マズルム(アラシ・カーフィザデー)、妹のアーリン(リリ・カーフィザデー)、弟のロビン(リオン・カーフィザデー)と4人で暮らし、埼玉の高校に通っている。家では食事前には必ずクルド語の祈りを捧げ、クルド料理を食べており、父はクルド人としての誇りを失わないようにと願っているものの、そんな父の願いに反し、サーリャたちは日本の同世代の少年少女と同様に日本人らしく育っていた。サーリャは進学のため家族に内緒でアルバイトをはじめ、そこで東京の高校に通う聡太(奥平大兼)と出会う。聡太には初めて自分の生い立ちを話すことができた。そんなある日、サーリャたち家族に難民申請が不認定となった知らせが入る。在留資格を失うと、居住区である埼玉から出られず、働くこともできなくなる。そして父・マズルムが入管の施設に収容され……。