絵本作家の千紗子(杏)は、長年絶縁状態にあった父・孝蔵(奥田瑛二)の認知症の介護のため、渋々田舎に戻ってくる。他人のような父との同居に辟易する日々を送っていたある日、事故で記憶を失った少年(中須翔真)を助けた千紗子は、その身体に虐待の痕を発見。少年を守るため、千紗子は自分が母親だと偽り、少年と暮らし始める。ひとつの“嘘”から始まった千紗子と少年、認知症が進行する父親の3人の生活。最初はぎこちなかったものの、次第に心を通わせ、新しい家族のかたちを育んでいく。しかし、その幸せな生活は長くは続かなかった。許されないとわかっていても、なぜ彼女は嘘をついてまで少年を守ろうとしたのか。そして、ひとつの嘘から明かされていくそれぞれの“かくしごと”とは……。