定年退職し、認知症だった愛妻・佳代(宮崎美子)も看取り、ひとり静かに暮らす71歳の福山健二(岩城滉一)。穏やかな毎日を送るなか、ある日、物忘れに不安を覚えた健二は、残りの人生を息子家族にも誰にも迷惑かけずに過ごせるよう、健康維持を意識し始める。そのひとつとして、市のコミュニティクラブに参加した健二は、同年代の橋本勉(田山涼成)と出会い、さまざまな場所に出かけ、友好を深めていく。そんなある日、健二は橋本から水泳教室に誘われるが、泳げない健二は躊躇する。だが橋本の「出来ない事を出来るようになるのは愉快じゃないですか?」という言葉に後押しされ、健二は参加を決めるのだった。その教室には、水泳選手の夢破れ、若くして“残りの日々”を過ごす岸本香里(高月彩良)が講師として勤めていた。香里から指導を受けるなか、健二は水泳を今生きる人生のために大切な“挑戦”であり“目標”だと考え始め……。