中国系アメリカ人メイ・パンは、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの個人秘書であり、プロダクション・アシスタントを勤めていた。1973年秋から75年初頭にかけての18カ月間、ヨーコの強い希望で、ジョンはメイと過ごすことになる。このジョンとヨーコが別居していた“失われた週末”と呼ばれる期間に、ジョンはメイの助けで最初の妻シンシア・レノンとの長男ジュリアン・レノンと再会。また、アルバム『マインド・ゲームス』、エルトン・ジョンをゲストに迎え、全米シングルチャート第1位を獲得した『真夜中を突っ走れ』を含む『心の壁、愛の橋』、自らの原点に立ち返る『ロックン・ロール』を制作した。“失われた週末”という呼び名とは裏腹に、デヴィッド・ボウイやハリー・ニルソン、ミック・ジャガー、リンゴ・スターらとのコラボレーションや、ポール・マッカートニーとの再会など、ビートルズを解散した後のソロキャリアのなかで最も多作で商業的にも成功した時期であった。本作は、ジョンの名曲の数々や貴重なアーカイブ映像、ジョンとメイが互いの姿をとらえたプライベートな写真、ジョンによるユニークなイラストなどを交え、メイがジョンと共にした忘れ難い日々を振り返り、メイの視点を通した素顔のジョン・レノンの姿が生き生きと蘇るドキュメンタリーとなっている。