オーソン・ウェルズのフォルスタッフ

おーそんうぇるずのふぉるすたっふ|Falstaff Chimes at Midnight|----

オーソン・ウェルズのフォルスタッフ

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レビューの数

10

平均評点

74.3(50人)

観たひと

76

観たいひと

14

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 時代劇
製作国 スペイン スイス
製作年 1966
公開年月日 1986/10/10
上映時間 0分
製作会社 インターナショナル・フィルムスエスパニョーラSA=アルピーヌ・プロ
配給 フランス映画社
レイティング
カラー モノクロ/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演オーソン・ウェルズ Falstaff
キース・バクスター Prince Hal (later King Henry 5)
ジョン・ギールグッド King Henry 5
ノーマン・ロッドウェイ Hotspur (Henry Percy)
ジャンヌ・モロー Doll Tearsheet
マーガレット・ラザフォード Mistress Quickly
マリナ・ヴラディ Kate (Lady Percy)
アラン・ウェッブ Justice Shallow

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1400年の英国を舞台に、悪名高い無頼漢フォルスタッフの半生姿を、後のヘンリー五世である皇太子ハルとの関わりを中心に描く。製作はエミリアーノ・ピエドラとアンヘル・エスコラーノ、エクゼキュテヴ・プロジューサーはアレッサンドロ・タスカ。シェイクスピアの戯曲『ヘンリー四世』『リチャード三世』『ヘンリー五世』『ウィンザーの陽気な女房たち』とラファエル・ホリンシェッドの『年代記』を基に「オーソン・ウェルズのフェイク」のオーソン・ウェルズが監督・脚色・衣装を担当。撮影はエドモン・リシャール、音楽はアンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノが担当。出演はウェルズ、キース・バクスターなど。英語サウンド・トラック。英語翻訳は小田島雄二、監修は清水俊二。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ボリングブルック公(ジョン・ギールグッド)がヘンリー四世として即位した1400年はじめの冬。皇太子ハル(キース・バクスター)は、下町のいかがわしい居酒屋“猪首亭”で、悪名高いフォルスタッフ(オーソン・ウェルズ)と放蕩無頼の生活を送っていた。その頃、ヴォークワスの居城では、先王の世継ぎの婚姻であるパーシー一族の勇敢な若武者ホットスパー(ノーマン・ロッドウェイ)が、妻のケイト(マリナ・ヴラディ)に送られて出陣していた。ホットスパーに比べて無茶苦茶な生活を送るハルに頭を悩ませるヘンリー四世。従臣ポインズ(トニー・ベックリー)が仕組んだギャズヒルの森での追いはぎ事件の首尾を豪語するフォルスタッフ。彼の武勇談は猪首亭の名物だ。娼婦ドル(ジャンヌ・モロー)をまじえて、夜は果てることなく、騒ぎは続く。名誉と大義をかけたシュルーズベリーの合戦でハルは、見事にホットスパーを討ち倒した。やがてヘンリー四世が、たび重なる叛乱鎮圧に疲れ果て病床についた。ついにハルは王宮に戻ることになった。固い絆で結ばれていたハルとフォルスタッフは、お互いに別れを告げた。真夜中の鐘をなつかしむシャロー(アラン・ウェッブ)の城に、王の死の知らせが伝わる。わが子のことのように勇んでハルの戴冠式に馳せ参じたフォルスタッフに、しかし、国王ヘンリー五世となったハルの言葉は冷酷だった。フォルスタッフに対する追放、投獄の命だった。彼は心に深い傷を受けてやがて死んでゆくのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1987年1月上旬号

外国映画紹介:オーソン・ウェルズのフォルスタッフ

1986年12月下旬号

外国映画批評:フォルスタッフ

1986年10月下旬号

グラビア:オーソン・ウェルズのフォルスタッフ

特集 オーソン・ウェルズのフォルスタッフ:オーソン・ウェルズ語る

特集 オーソン・ウェルズのフォルスタッフ:評論

1985年

2024/11/09

90点

選択しない 
字幕


戦闘シーンのリアリティ

この作品を見てからもう40年近く経つので、記憶もかなり覚束が、兎に角戦闘シーンの迫力とリアリティに驚嘆したことは、忘れられない。七人の侍の戦闘シーンにも引けを取ららないディテールのリアリティとモノクローム映像の美しさ。さらに全編を通して感じられる、ウェルズの深い知性、この作品に比べると黒澤の乱のなんと薄っぺらいことか。黒澤は娯楽に徹するべきだった。

2022/03/15

2022/04/15

70点

レンタル/神奈川県/ゲオ/ゲオ大和中央店 
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重い作品。タニタの体重計で計ろう。

ネタバレ

この頃のオーソン・ウェルズの肥満はすごい。日本でも60年代70年代には太鼓腹の男性は多かった。
肥満の健康リスクが喧伝されるようになり、体重管理がエグゼクティブの必須項目となった。
現代でウェルズのような見事な肥満体は、オーディションしても集まらないだろう。そういった面では
ウェルズの脂肪はアーカイブ的値打ちさえある。

ウェルズはシェークスピアに傾倒することはなはだしく、「マクベス」「オセロ」と制作し、本作へ至った。
「ヘンリー四世」を軸にした歴史劇に、脇役であったフォルスタッフを主役に配した「ウィンザーの陽気な
女房たち」をミックスして、独特のシェイクスピア劇を創作した。
悲劇、喜劇と多作なシェイクスピアの多様性を、自らの肥満体で喜劇面を体現した。虚言癖は冒頭から
絶好調で、敵をバッタバッタと斬り倒した、などとあることないことを吹きまくる。
ヘンリー四世は貴族層のクーデターで、リチャード二世から政権を奪った。そういう暗さがあるので、
重厚なセリフとなる。ジョン・ギールグッドのいかにものシェイクスピア劇のセリフ、聴かせますね。
王子のハルは傍流の気楽さがあり、フォルスタッフと庶民的なつきあいをする。映画はハルとフォル
スタッフがメインなので、王子と騎士という関係が漫才のように描かれる。

軽さばかりではなく、ハルは強敵を倒し、後継者(ヘンリー五世)としての実力を示す。合戦のシーンも
人馬一体となった総力戦で迫力たっぷり。その中を、徒歩でヨタヨタと歩く巨体のフォルスタッフはコミ
カルで、他に類を見ない強烈な対比が印象的だ。
モノクロ-ムフィルムの選択はパンフォーカスに適しているのか、画面の構図は相変わらずシャープだ。
ストーリー的には、つまみ食いした散漫な印象を受けたが、ヴィジュアル面ではフォルスタッフの巨体の
体現で、四の五の言わせないアピールとなった。

2020/02/11

2020/02/12

95点

その他/図書館レンタル 
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適役

観る前にシェイクスピアの原作「ヘンリー四世」を読んで観賞。彼が戯曲で生み出した最も人気のあるキャラクター、フォルスタッフを全面に置いたせっは大成功。まるでウェルズのためのフォルスタッフに見えてきます。

2016/09/27

2016/09/29

77点

テレビ/有料放送/WOWOW 
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明確な胸像

モノクロ。
15世紀イングランド。
シェイクスピア創造の人物をオーソン・ウェルズは映画ならではの脚色で描く。
対比の為にほかの人物が存在する。
堕落。姦計。陰謀。戦乱。
すべては欲の為に。
作品のすべては人間の本質に迫るために。

2016/05/02

2016/05/03

75点

映画館/東京都/新文芸坐 
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ウェルズが豪放ででかい

フォルスタッフの肥満さ、ダメさ、豪遊、いい加減さ、怠惰な姿が見事。最後には報いを受ける。
ヘンリー5世もフォルスタッフ同様豪遊しているが、戦では活躍し、王位を継承後は国のための行動力はさすが。

2016/04/23

2016/04/23

75点

テレビ/有料放送/WOWOW 
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大言壮語のくせに小心者で女好き、というシェイクスピア作品中最も愛すべき悪漢フォルスタッフ。オーソン・ウエルズはまさにはまり役。