シェルブールの雨傘

しぇるぶーるのあまがさ|Les parapluies de Cherbourg|----

シェルブールの雨傘

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レビューの数

165

平均評点

76.9(796人)

観たひと

1184

観たいひと

102

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ミュージカル
製作国 フランス
製作年 1964
公開年月日 1964/10/4
上映時間 91分
製作会社 マドレーヌ・フィルム
配給 東和
レイティング 一般映画
カラー カラー/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「新・七つの大罪」(淫乱の罪)のジャック・ドゥミーがシナリオを執筆、自ら演出したミュージカル。撮影は「突然炎のごとく」のジャン・ラビエ、音楽は「5時から7時までのクレオ」のミシェル・ルグランが担当した。出演は「悪徳の栄え」のカトリーヌ・ドヌーヴ、ニーノ・カステルヌオーボ、「穴」のマルク・ミシェル、エレン・ファルナー、アンヌ・ヴェルノン、ミレーユ・ペレー、アンドレ・ウォルフなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

五七年十一月。ジェヌビエーブ(カトリーヌ・ドヌーヴ)はシェルブールの雨傘屋の娘で、近くのガレージに勤める恋人ギイ(ニーノ・カステルヌオーボ)を、深く愛していた。ある日ギイに召集令状が来て、二年間の義務兵役に発つことになった。その夜、二人は求めあった。五七年十二月。雨傘屋の不況で、エムリー夫人(アンヌ・ヴェルノン)は自分の宝石を売ることにした。高級宝石商カサール氏がそれを買いとったのは娘のジェヌビエーブの美しさに魅せられたからだった。五八年一月。ギイからの便りはなかった。そしてジェヌビエーブの体には愛の果実が宿った。彼女がギイを待つ心には、少しの曇りもなかった。そんなとき、カサールはエムリー夫人に、ジェヌビエーブとの結婚を申し込んだ。五八年三月。ジェヌビエーブの心の中に、カサールの姿が少しずつ刻みこまれていった。ギイからは何の音沙汰もないのだ。それにカサールはお腹の子までひきとろうというのだ。五八年六月。カサールとジェヌビエーブは結婚した。五九年三月。ギイが帰って来た。戦闘で負傷した足をひきずって。恋人の結婚を知り、深く悲しんだ。足が不自由な彼は、仕事のミスから失職した。街を歩いても思い出の傘屋もいまは閉じられたまま。孤独が身にしみた……。五九年四月。ギイの育ての母が死んだ。五九年三月。その母の娘マドレーヌとギイは結婚した。いくばくかの遺産で、彼等はガソリン・スタンドを買った。六二年十二月。雪のイヴ。ギイとマドレーヌは子供も出来て幸せだった。その日の暮れ方、ギイ一人が店にいるとき、ベンツが停った。運転している女性がかつての恋人であることをさとった。懐しかった。エムリー夫人は亡くなったという。彼女が車に乗せている女の子を「あなたに似てるわ……」それ以上の言葉は交さなかった。さりげない別れ……いまはギイもジェヌビエーブもそれぞれ幸福なのだ。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2013年11月下旬号

UPCOMING 新作紹介:スクリーン・ビューティーズ Vol.2 カトリーブ・ドヌーヴ「シェルブールの雨傘 デジタル・リマスター版」

2009年2月上旬号

特別企画「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」デジタルリマスター公開記念 ジャック・ドゥミの世界:

1994年2月上旬号

グラビア:シェルブールの雨傘

1964年11月上旬号

外国映画批評:シェルブールの雨傘

1964年10月下旬号

外国映画紹介:シェルブールの雨傘

1964年10月号増刊 ’65年版 新作洋画への招待

各社期待の大作(グラビア):シェルブールの雨傘

1964年10月上旬秋の特別号

新作グラビア:シェルブールの雨傘

旬報試写室:シェルブールの雨傘

2024/04/04

2024/04/04

79点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


また観た

ラブストーリーの王道か。それにしてもカトリーヌ・ドヌーヴってこのころはすごい美人だったと改めて思う。

2024年

2024/01/12

65点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/購入/PC 
字幕


デジタル・リマスターに感謝

若い人には、2年は永遠のような長さに感じるんでしょうなあ。オッサンにゃ、あっと言う間。2年も2ヶ月も大差ないわ。

20代で観てたら『ラ・ラ・ランド』みたいに泣けたかも。

2023/08/06

2023/08/06

70点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


入れ替わり立ち替わり

230ほどのショットで90分にまとめている.3部ほどの構成になっており,ジェヌビエーブ(カトリーヌ・ドヌーヴ)とギイ(ニーノ・カステルヌオーボ)の恋慕を主軸に3年ほどの月日がシェルブールの街を舞台に描かれる.後日談としてクリスマスがプレゼントされ,野外には雪が降り,雪が積もり,雪が止む.
2部にはギイはほとんど出てこないし,3部にはジェヌビエーブがほとんど出てこない.1部にあった蜜月の幸福は,2部と3部で影を潜めて変質し,ローラン・カサール(マルク・ミシェル)やマドレーヌ(エレン・ファルナー)との幸福が目指される.またその周りには,エムリ夫人(アンヌ・ヴェルノン)やおばさん(ミレーユ・ペレー)といった中年女性が現れる.彼女ら彼らは,水色,桃色,紫色,緑色,赤色,橙色などとりどりの衣装を纏い,小物を身につけ,塗装やクロスの壁に擬態しているかのようでもある.外壁にも色があり,やや色のついた照明も当たっているが,鋪道や港の船,そしてさらにその周りはどこかくすんでいる.華やかな中心がある周縁では鮮やかな色味は落ち,風化や劣化,あるいは老化を経た自然な色味が渋く現れているのである.しかし後日談に着られている二人の黒い衣装は,夜間の白い雪を目立たせるだけのためのものではない,周縁のさらにその周りにはこうした黒と死と闇があるのであって,ジェヌビエーブの母でもあり,あの明るかったエムリ夫人が死んだことが娘から告げられる.その喪がその衣装の黒に反映してしまったのでもあった.
ガレージのガソリン臭さ,残業といった労働問題,自転車に乗る者たち,テーブルの上の果物と供される前の魚,エンプティな街角やタイルの壁,アルジェリアの独立戦争と宝石商,街路でのカーニバルや金の王冠と幸福の石など,時代や歴史的な習俗,そして現代的な問題も取り沙汰され,必ずしも美しいだけでない世界が画面の端端に現れている.
それでも美しい.特筆すべきは1部のラストショットであろうか.船ではなく汽車で地中海側まで横断するのであろうか,ジュヌビエーブとギイの別れにおいて,画面の左半分は汽車がこちらに向かい,ホームには立ち止まる女がいる.白い蒸気が僅かに漂い,直前のタバコを吸う男からの連続性も見える.赤紙に招集された男は映りもせず,取り残された女が動き出す周囲に対して,中央に残された花のように孤独に震えているようにも思える.歌い出すように台詞を口にする人物たちとともに長めのショットは人物たちとキャメラとがともにダンスでもするかのように互いに位置どり,視線を交わし,触れ合い,入れ替わりながら動きを尽くしている.鏡の奥にはさらに鏡があり,関係が入り混じる.そして,歌いながらキャメラを見つめる人物たちがいる.わたしたち観客もこうしたダンスの場へと巻き込まれているのである.
雨が降り,雪が降る.街の彩りが少しづつ落ち,落ち着いていく,そのこともやはり幸福なのであろう.

2023/07/02

87点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
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二年という歳月

ネタバレ

これも戦争がもたらした悲恋の物語なのだろう。
1957年、アルジェリア独立戦争只中のフランス。
20歳の自動車整備工のギィと17歳のジュヌヴィエーヴは結婚を意識した恋人同士だったが、ギィに召集令状が届き二人は離ればなれにされてしまう。
ギィが再び帰還するのは二年後。多感な時期の若者にとって、そして絶頂期の恋人同士にとってはあまりにも長い時間だ。
ジュヌヴィエーヴの母エムリ夫人は、そもそも二人の結婚には反対であり、時がすべて解決してくれる、すぐに忘れることが出来ると娘を諭す。
いつだって親のアドバイスが正しいとは限らない。
若者の恋愛が本気かどうかなど、他人が決めることではない。
駅のプラットホームでシンプルな愛の言葉を交わしてギィとジュヌヴィエーヴが別れを告げるシーンはとても印象的だ。
時が経ち、ジュヌヴィエーヴはギィからの手紙が届かないことに不安を感じていた。
そんな時、エムリ夫人は冷たくもう忘れてしまったのだと彼女を突き放す。
そしてエムリ夫人は宝石商のカサールを食事に招待したことを告げる。
カサールは莫大な税金を納めなければならなくなったエムリ夫人を助けるためにネックレスを買い取った男だった。
そしてその理由はジュヌヴィエーヴの美しさに惹かれたからだった。
しかしジュヌヴィエーヴはギィとの子供をお腹に宿してしまっていた。
それでもカサールは自分の子のように生まれてくる赤ん坊を可愛がるとジュヌヴィエーヴに告白する。
やがてジュヌヴィエーヴはカサールの誠実さに心を開くようになり、ギィへの愛は変わらないと誓ったはずなのに彼の求婚を受け入れる。
結婚を決めた時の冷たさを感じる彼女の表情。それは夢見る少女から現実的な大人へ彼女が変化したことを示しているようだ。
二年の月日が経ち、ギィは兵役を終え帰還する。
しかしエムリ夫人とジュヌヴィエーヴが働く雨傘店は閉店しており、彼女らがどこに行ったのかは分からない。
戦地でどれだけ悲惨な思いをしたのかは分からないが、ギィはすっかり心が荒れてしまっていた。
しかも負傷した際の足の痛みはまだ引いていないようだ。
彼は兵役前に勤めていた整備工場でもトラブルを起こし、仕事を辞めてしまう。
彼の帰還を待ちわびていた伯母エリーズも病気により亡くなってしまう。
エリーズを献身的に看病していた身寄りのないマドレーヌだけが彼の心の支えとなるが、マドレーヌはすっかりやさぐれてしまったギィを見て、私にあなたを変えることは出来ないと告げる。
しかしギィは彼女のために心を入れ替え、真面目に働くようになる。
そして二人は家庭を持つようになる。
ラストの雪の降りしきる中のガソリンスタンドのシーンは忘れられない。
子供にも恵まれ幸せの絶頂にいるギィ。
彼の前に娘を伴って現れるジュヌヴィエーヴ。
もし戦争さえなければ結ばれていたかもしれない二人。
しかし二人はそれぞれに幸せな家庭に恵まれているようだ。
言葉少なに久しぶりの会話をし、またそれぞれの日常に戻っていくギィとジュヌヴィエーヴ。
切ない物語ではあるが、ラストは少しだけ幸せな余韻が残った。
ミュージカルとしては抑揚に欠ける部分はあるものの、ミシェル・ルグランの物悲しい旋律がいつまでも心に残る名作だ。

2023/06/20

2023/07/01

100点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
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何度観ても飽きない

◎ 4回目の鑑賞。この単純な構成は、何度観ても飽きさせない効果がある。
◎ カラフルな傘が花開く冒頭と積もる雪で白一色のラストの対比が鮮やかだ。

2023/06/23

2023/06/23

60点

選択しない 
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セリフが全て歌という衝撃(^^;;

ミュージカルってこういうものだとは言え、普通に話さないシーンの連続に軽く衝撃を受けました。お洒落でテンポ良く見られます。音楽も素晴らしい。映像もカラフルで魅力的です。

肝心のストーリーはちょっと残念で、あっさりと恋人を見限るジュヌビエーブに、それはないやろ、と言いたい気持ちでいっぱいになりました(^^;;